オーナーさんは良い人?

現在住んでいるアパートを決めたときの話です。管理会社(兼仲介してくれた不動産屋)と話していたとき、「ここのオーナーさんは「良い人」で、お金にもゆとりがあるので、家賃が相場よりも安いですよ。」と言っていました。実際、相場より2~3千円くらい安いかな?と個人的にも感じました。それにしてもこの管理会社がオーナーさん(地主)に対して、「良い人」を連呼するのが、すごく印象的でした。

一方、住み始める前に、管理会社から、「高速インターネット回線が全室完備されていて、居住者は無料で使える」旨の説明を受けていました。しかし、いざ住み始めると、ケーブルテレビは無料で見れるものの、肝心の回線はオプションでした。しかも、オプション料金は月4000円くらいで、正直、普通に回線を引っ張ってくるのとさほど変わりません。メリットは回線工事がいらないというだけ。「居住者全員が無料で回線を使用するには、オーナー側が当社と別途契約を結ばなければいけない。」と、回線業者から説明を受けました。そんなこともあり、居住した後に、管理会社と若干トラブルになってしまいました。そのときのやり取りの中で、管理会社から、「我々の説明が間違っていました。申し訳ありません。しかし、オーナーさんと協議した中で、「「いずれ」全室に回線を設置することを検討する。」と約束して下さいました。オーナーさんは「良い人」なので、「いずれ」対応してくださると思います。」とのことで、渋々受け入れることに。そして、居住して半年以上が経過しましたが、「いずれ」が訪れる気配はありません。

また、こんな出来事もありました。僕らが住んでいるアパートでは、同じ敷地内にオーナーさんの立派なお宅があり、その他、アパート、賃貸の戸建て、テラスハウスがそれぞれ数棟あって、それぞれに専用の駐車場まであります。その割に僕らが住み始めた当初は駐輪場が1か所しかなく、住人の自転車が溢れかえっていました。しばらくして駐輪場が追加で設置され、問題は解決されましたが、そのときに、管理会社から手紙が届きました。そこには、「オーナー「様」が新たに駐輪場を設置して「下さいました」ので、今後、〇棟と△棟(僕らが住んでいる棟)の居住者の皆さんは今後そちらに駐車して下さい。」とあります。居住者に対する通知なのに、居住者よりもオーナーに対しての口調の方が丁寧に読めてしまうのは僕だけでしょうか?

それを見て、僕は今まで何か勘違いをしていたことに気づきました。管理会社にとっては、

居住者<(超えられない壁)<オーナー

という構図になっていることに気付きました。そして、管理会社が連呼する「良い人」は、あくまで「管理会社から見た良い人」ということです。僕らが住み始めてから、何組か退去しました。しかし、すぐに次の入居者が入ってきます。家賃が相場よりも若干安いことで、常に「満室御礼」のようです。また、物件紹介の際、管理会社が言っていたのが、敷地内のアパート、テラスハウスなどの全ての建物を「管理会社と繋がりのある工務店」で発注したそうです。当然、それら全ての管理はその管理会社が任されています。これらを考えると、ものすごく良い顧客。つまり「良い人」かもしれない。

ここまであれこれ書きましたが、オーナーさんと話したこともないですし、本当に「良い人」なのか、実は「悪い人」なのかは僕には判断がつきません。回線の件も、この「圧倒的な力関係」を考慮すると、「下手したら管理会社は、僕らの要望をオーナーさんに伝えていない可能性がある」とすら思っています。需要のある場所で土地を所有しているかどうかで、こんな風に「圧倒的な力関係」が生じること自体、いかがなものか?という気がしてなりません。なので、ここで憎むべきはオーナーさんでも管理会社でもなく、「土地を所有する」という概念だと思っています。このせいで、地主などの一族として生まれれば、よっぽどのことがない限り、裕福に生活できる可能性が高いし、その逆で、持たざる家庭で生まれた場合、買うにしろ借りるにしろ、人生において凄まじい額のお金を、「衣食住」の「住」に充てなければいけません。最近「親ガチャ」なる言葉が浸透しましたが、これこそまさに「親ガチャ」「家ガチャ」だという気がしています。日本でも格差問題が叫ばれるようになりましたが、この仕組みが大きな要因では?こんなことを通じて、「土地を所有する」という仕組みに違和感を持つようになりました。そのことについてしばらく個人の思いを書いていきたいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?