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大阪中之島美術館「特別展 開館1周年記念 佐伯祐三 自画像としての風景」

 白い壁に穿たれた靴屋(英語名では Shoe-Repair's Shop と書かれているから、靴修理屋さんだったのかと思う)の入口。誰も描かれていないのだけれど、誰かが今にも画面を横切ったり、お店の中から顔を出したりしそうな”日常”が漂う絵であった。実家からの援助を受けつつ、妻子を伴い渡仏した佐伯祐三。母親の心配もあり、裕三を日本に帰省させるべく、出張も兼ねて迎えにきた兄と共にイタリアを旅行したというエピソードも紹介されていた。絵画ももちろん見応えのあるものだったが、家族との写真や仲間との写真、年表なども要所々々で展示があり、作家本人の生涯も大変に興味深いものであった。

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