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山王美術館「渡仏より110年 藤田嗣治展」(7月31日まで)

 テレビではレオナール・フジタと聞くことも多く、何度か他の画家達との展示の中での1点として見ることはあったものの、今回のように、初期の頃から晩年へとまとまって見たことはなかった。「乳白色の肌」が生み出される前の作品とその後の作品、レオナール・フジタとしてサインする前の作品とその後の作品。戦前、戦中、戦後という時代に生涯で起きた種々の事象に対する前とその後の作品を一堂に見ることができた。今まで私の中で、ぼんやりしていたレオナールという名前を持った人という藤田の輪郭が細いながらも黒くはっきりとした線になった。

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