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IT人材採用の課題と打ち手の基本の「き」

いつも読んで頂きありがとうございます。
Amuletの迫頭です。

今日のお話は、最近よく話題にあがっているITエンジニアの人材難についてです。

私はIT企業への採用コンサルを生業にしていますので、それに関するさまざまなデータを定期的に確認しています。

現状、「doda」に掲載されているITエンジニアの中途採用求人倍率は約10倍超(21年7月)。
「レバテック」が公表しているデータ(21年12月)では、機械学習などに用いられるPythonが最上位の53.1倍。
もうこれは人気アイドルグループのライブチケット当選確率レベルではないでしょうかw

冗談はさておき、とんでもない数字になってきています。

では、実際にITエンジニアの採用現場では何が起こっているのか。

まずは求人媒体を活用したスカウトメッセージの返信率の低さです。
1部の有名企業を除き、スカウト系の求人媒体のいずれかを利用した場合、100通のスカウトメッセージの返信率はめちゃくちゃ順調な時で15%程度。
当然、候補者のレジュメを読んで刺さりそうなところをしっかり見極め、ほぼ全てオーダーメイドで作成しての結果です。
テンプレや工夫していなければ、返信率は1桁が当たり前でしょう。

お伝えしたいことは、スカウトメッセージを送るだけでも一苦労ということです。しかも、メッセージの返信がきてお会いできたとしても、採用できるわけではありません。
あくまでスタートラインに立っただけ。採用までにはまだまだ多くのハードルを超えていく必要があります。

とはいえ「そこまで時間が取れない」「適任がいない」など、多くの課題が出てくるわけです。

採用代行を利用するなど方法は色々ありますが、ずっとそこに頼り続けるわけではないと思います。
自社で採用成功するためには、上記作業をこなすリソースが必要になります。
人手もお金も必要になる。これが採用現場での1番大きな課題だと思います。

また、それに追随してもう1つ大きな課題が浮上します。
求人倍率が高いということは、需給のバランスから考えて採用時の給与が上がっていくということです。

最近、スカウトサービスに登録されている候補者の希望年収もどんどん高めの提示になってきている印象があります。
自分たちの価値が高まっていることに気づいてきているんですよね。

では、この給与問題の解決方法ですが、私の周りで給与を爆上げして解決したという事例はほんの一握りです。

給与に関しては、現社員との兼ね合いで上げたくてもそう簡単に上げられないという会社も多いです。
長期的に考えれば離職防止も含めて上げる選択肢も必要ですが、採用時で考えた場合給与以外のアピールポイントを見出すことが重要だと思っています。

未来のビジョンを見せる、快適な職場環境を整備する、より良い働き方を追求する。など、魅力を探す、作る、語るといった地道な努力が必要になるわけです。

ここまでお話してきてお気づきかと思いますが。
今やITエンジニアは「選べる立場」といっていいでしょう。

そんな「選べる立場」のITエンジニアを採用することは難しいから、ちょっと妥協するって会社も少なくありません。
ただ、スキルが足りないものは補えますが、カルチャーフィットや仕事のスタンスまでを妥協してしまうと会社組織は弱くなっていくわけです。
そう考えた場合、妥協しての採用は考えものだと思っています。

まとめると、まずは積極的に会う機会を作るところから始めましょう。
それ自体もとても時間のかかる、難しいことかもしれませんが、会えなければ何も始まりませんので。
まずはレジュメをしっかり読み込んで、刺さるメッセージを考え、会いたい気持ちを精一杯言葉に変えてスカウトを送っていきましょう。
採用は難しいです。でも、それだけ地道に、時間をかけてやっている企業様もそこまで多くない。
だからこそ、差別化は可能だと、私は考えています。

これからも採用についてはちょくちょく書いていこうと思います。

また来週お目にかかります。

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