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誰と比べる?

普段からよく「〇〇さんと比べて私は...」「もっと〇〇できないといけないのに」などの言葉を聞く機会が多いです。

今回は、「他の人と自分を比べること」ということについて少し考えてみたいと思います。

比較ってしんどい

どんなことでもそうですが、比較をするということはネガティブな意味を持つことが多いです。
そして、全く比較しないというのも難しい話です。「比較ってしんどいよね」と言う私も、誰かと比べて落ち込む日もあります。

でも、悪い面ばかりなのでしょうか?

悪いことばかりではない?

たとえば、他者と自身を比較する力がなかったとします。そしたらどんなことが起こるでしょうか?

  • 身だしなみが乱れていても気にならない

  • 公共の場で声が大きすぎても気付かない

  • 上下関係を踏まえた関係の作り方が気にならない

など...他者と比較する力があるからこそ、社会に馴染めている部分もありそうです。
さらに言うと、他者と比較するということは客観的に自身を見ることもできているのかもしれません。

しかし、人は自分自身には非常に厳しいことが多いのです。

その客観視って現実的?

現実的に自身のことを客観視できていたとしたら、他者と比較して浮上してくる悩み事も現実的で対処のしようが明確であったり、諦めがついたりする部分もあるかもしれません。

ですが...それが、非常に厳しい客観視になっていたとしたら、それは自身を苦しめることになりかねません。

人と関わることにドキドキし過ぎるという場合に用いる認知行動療法の中で、ビデオフィードバックというものがあります。
人と話している場面などをビデオ撮影し、あとからそのビデオを見返すというものです。

「本当に見たくない!!」という方も多いのですが、みてみると「思っていた姿と(良い意味で)全然違った」とおっしゃる方もとても多いです。

このように実際は違うのに、ネガティブなイメージだけがどんどん膨らんでしまっていることがあります。

比べるならこうしてみてほしい

ここまで他者と比べることはしんどいことが多いということをお伝えしてきました。

ですが、それでもやっぱり比べてしまうこともあると思います。そういう時は、以前の自分と比べることをしてみてください。
これはお子さんがいらっしゃる親御さんにも良いかもしれません。他のお子さんとではなく、以前のお子さんと今のお子さんを比較してみてください。

他者と比べても、もともとの得意不得意、育ってきた環境、価値観など違う要素が多すぎます。違う部分が多すぎて、本来は比較することすらできません。

そう考えると、以前の自分だと比べようがありますし、比べる意味もありそうです。
時には良い変化だけでなくとも、それにはきっと対応策があるはずです。

さいごに

以前の自分と比べて、今の自分は好きになれないな...と感じたとします。変化する方法もわかっていたとします。
でも、変わることもまた難しいのです。

変化するということにも、痛みが伴うことがあることを知っているからです。

またいつか、そのことについても考えてみたいと思います。