ゆらゆら帝国 の『空洞です』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は ゆらゆら帝国 の『空洞です』を聴いてみた編をお届けします。

ミニマル・ビートによって研ぎ澄まされる迫力と静寂。空洞だけど、サイケでポップ。中身ぎっちり!

究極の完成度に達したゆらゆら帝国ラストアルバム。


是非読んでみて、聴いてみてください!


(ゆらゆら帝国さんはどのアルバムも良くて多面的で、選ぶのが困難だったため、結局ほぼ全アルバムを聴きました。

レビューは『空洞です』のみになりますが、他の作品も是非に…!個人的に『3×3×3』と『Sweet Spot』が好きです。)

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1.おはようまだやろう

水面を揺らめかせるように震える、トレモロの効いたギター。サックスが入ってきて優雅なお洒落イントロ。サイケでポップ。エフェクトのかかったボーカルが爽やかに突き抜ける。「おはよう」のフレーズが爽やかすぎる。食パンと目玉焼き食べたい。控えめなマラカス可愛い。2:27〜間奏のサックスソロパートに女性コーラスも入ってきて、キュートな昭和レトロポップ感。クラップ楽しい。ゆったりなテンポも終始心地よい。こんなにも柔らかな「おはよう」聞いたことない。

2.できない

不思議なアクセントのあるノリのいいドラムとベース。謎のギターフレーズが延々リピート。アップダウン激しい音程がヘンテコで面白い。「できない」を連呼。2:45〜間奏のギターのハモり好き。3:56〜「できない」連呼に女性が参戦する。

3.あえて抵抗しない

2曲目のギターフレーズと似たようなトレモロ感。ミニマルな曲構成なのに、BGMになることなく、確かな覚醒状態で引き込まれる感じ。ギターの音の残像を耳で追う感じ、気持ち良い…夢見ているみたい。3:37〜民族の宴。盛り上がって終わる。

4.やさしい動物

不思議な浮遊感。音の隙間と空間が広くとられていて、安心感ある”間”。「叫んでくぅーれぇ〜 歌ってくぅーれぇ〜」が耳に残る。2:33〜お経の途中にありそうな唸り声。ドラム、ギター、ベースはひたすら同じパターンを演奏。脱力感の極み。幻想的で、丸を思い浮かべるアウトロ。

5.まだ生きている

ブルースっぽい。口髭を生やしたおじさんが軽快なステップを踏んでそう。「ドゥ〜 ハァ〜」という浮かれた掛け声が楽しげ。2:15〜間奏の盛り上がり方ワクワクする。力強いドラムから、子供部屋みたいな可愛らしい雰囲気に変わるの不思議。3:21〜アァア〜⤴︎と殴るような激しいドラムでブツっと終わる。

6.なんとなく夢を (Album Version)

夢。浮いている。ファンク調。「楽しみもなく悲しみもなく なんとなく夢を 求めている」って歌詞素敵。幻想的に響くボーカル。ずっと鳴っているシャボン玉みたいな音の楽器気になる。心地良い間奏。3:35〜突然の硬さ。ラスト儚くも力強い「夢を 」の連呼。メロメロドラマチック。

7.美しい (Album Version)

野蛮味があり、ワイルドな雰囲気。一文目で「クソ」が出てきて驚く。タイトルからは想像できないくらいクソクソ言っていて清々しい。じわりじわり詰め寄ってくるような、ゾクゾクする連続フレーズ。今度は「まぶしい」の連呼。連呼のオンパレードなのに、唯一無二の世界観に惹かれ続ける。小学生が喜んじゃうMV。本当に面白い…

8.学校へ行ってきます

開始15秒ずっと面白い。尺八…?!「行ってきます」の声が絶対に学校に行きたくない人のテンションで心配すぎる。歌というより朗読。感情はどこかに置いてきている。ノイズに飲み込まれながら学校に向かっているが、絶対学校までたどり着けなさそう…。ギターやシンセ、尺八のような音までカオスに入り乱れ続け、もはや戦争状態。「でも僕は大丈夫」と繰り返しているが、大丈夫じゃない人が言う時のやつで心配すぎる。

9.ひとりぼっちの人工衛星

ぷにぷにした音と鈴の音が響く。海辺のバカンス。ワウを効果的に使ったギターの音。ワウワウしてる。2:31〜爽やかな風が通り過ぎていくようなイントロ。時間の流れがゆっくり。絶妙にズレている女性コーラス。歌詞、良く読むと切ない。


10.空洞です

ムーディーでアダルトな雰囲気。60年代にタイムスリップした感じ。女性コーラスがまた昭和レトロを感じさせる。1:14〜響きが銭湯。「意味を求めて無意味なものがない」何度も頭の中で繰り返してしまう言葉。間奏はサックスが加わりさらにムーディーに、そして忘れずにサイケ感もある。「空洞」と繰り返し終わっていく様がなんだか切ない。寂しくて、また最初から聴きたくなる。
映画『愛のむきだし』の主題歌。(3ヶ月前くらいにこの映画を観たので、知らぬうちに耳にしていたことにビックリ…やけに親しみがある気がした)

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ジャケットのアートワークが可愛らしい。空洞。開いた時がめちゃくちゃ可愛い。
(個人的に「ゆらゆら帝国のめまい」、「ゆらゆら帝国のしびれ」のジャケットが超〜好きです。)

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ゆらゆら帝国 は、リーダーの坂本慎太郎が「日本語のオリジナルロック」というコンセプトのもと結成した日本のロックバンド。1989年に結成し、2010年本作を最後に解散している。ジャンルとしては、オルタナティヴ・ロック、サイケデリック・ロック、インディー・ロックなど。


聴き終わる頃にじわじわと好きになっているアルバム…それが実は1番危なかったりします。

今回は全アルバムを事前に聴いてから『空洞です』を聴いたので、またさらに深みにはまっている気がします。

坂本慎太郎さんのソロアルバムもいくつか聴いたのですが、ゆらゆら帝国と共通して心地良いんですよね…

ちょっとヘンテコな感じもあって、全貌を掴みきれない感じが面白い。一度聴けば耳にこびりつく、不思議なパワーがある気がします。

軽い気持ちで踏み込むと底がない…まさに沼です。

ゆらゆら帝国のMVも、捻くれているというか…とにかく面白いので見てみて欲しいです。
「夜行性の生き物3匹」のMVはヤ〜バイです。

今回のアルバムとは違った魅力のあるオススメ曲↓
「発光体」、「つきぬけた」、「ズックにロック」、「ボーンズ」「星ふたつ」、「人間やめときな’99」、「恋がしたい」

次回は 電気グルーヴ の『A(エース)』を聴いてみた編をお届けします。お楽しみに!

最後まで読んで下さり有難う御座いました。

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