D.A.F. の『ALLES IST GUT』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

D.A.F. の『ALLES IST GUT』を聴いてみた編をお届けします。

生ドラムの反響するビートと、ミニマルで退廃的なシンセベース。

陰鬱に狂奔する官能的なボーカルと、ジャケ写から吹き出る汗が雄々しい一枚。

是非読んでみて、聴いてみて下さい!

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1.Sato-Sato

怪しげで危なげなリズム。ドロドロした暗闇のトンネルの中に居る感じ。陰鬱なボーカル。タイトルを呪文の様に繰り返す。1:32〜黒い物体が蠢いてる。暗闇の中に鋭く響くタイトなドラム。切迫感と独特なグニョグニョ感が危険すぎる。最初から最後まで不気味。

2.Der Mussolini

アップテンポで、不気味にノれる。犬がキャンキャン言ってるような音が聴こえる。力強い低音のボーカル。ドラムが気持ち良い。シンセ・ベース…ヤバい…。大音量で聴くとかなり頭がおかしくなって良い。繰り返しの展開にどんどん引き摺り込まれていく。度々聴こえる「アッ…」にジワジワくる。
ナチ・ファシズムを連想させると度々非難を浴びた問題作らしい。

3.Rote Lippen

舌鼓で始まるの面白い。スローテンポ。不気味なシンセベース。聴いてはいけないヤバいものを聴いている。喘ぎ。指パッチン…?病的なボーカル。度々来る「アハン」にニヤニヤが隠せない。良いイヤホンで聴くと吐息がダイレクトにくる。強烈な低音。斬新で滅茶苦茶面白い。

4.Mein Herz Macht Bum

開始早々、喘ぎパラダイス。喘ぎが喘ぎを呼んでいる。ボーカルが危なすぎる。相変わらずダークな世界観。喘ぎのオンパレード。ヤバいものを聴いているはずが、ヤバいものが見え始める。2:42〜勘弁してください。電車で音漏れしたら困るだろうな…。中毒性のあるリズムにノリノリになってしまう自分がいる。一体彼は何をしながら歌っているんだ…

5.Der Räuber Und Der Prinz

可愛げだけどやや不協和音な電子音。寺が見える。様々な鐘の効果音。不思議すぎる。こんな曲聞いたことない。1:30〜鐘が反響。ボーカルはこれまでの曲と比べて薄らとした気配で、淡々としている。反復する変態的なメロディーが耳に残る。

6.Ich Und Die Wirklichkeit

勢い。迫り来るものを感じるイントロ。怖い。息切れしながら、何かに怯えている?逃げている?ようなボーカル。ずっと轟々とした台風のような音に包まれてる。2:44〜急に空気が変わる。

7.Als Wär's Das Letzte Mal

シリアス。疾走感のあるドラムが格好良い。繰り返しのリズム、繰り返しのメロディー。ジリジリとした緊張と焦りを感じる。ロック。声が小刻みに震えている不安定なボーカル。

8.Verlier Nichtden Kopf

スローだけど力強いドラムが一定のリズムを刻む。低音が響くシンセ・ベース。ボーカル常に呼吸が乱れている。変わらず「アッ…」が多発。掴み所の無い曲。ボーカル以外は物凄く安定感がある。そのバランスが面白い。

9.Alle Gegen Alle

兵隊みたいなハキハキとしたボーカル。勇ましい。弾むようなリズムとスピード感。「ハイッ!」の返事が良い返事すぎる。パンク。ドラムバシバシ。2:43〜様子がおかしい。「ハイッ!ハイッ!」が元気で、無駄に響いているのがツボ。

10.Alles Ist Gut

洋館のホラーゲームみたいな雰囲気。「青鬼」出てきそうなシーケンスフレーズ。怪奇。心が不安になる。悪い夢を見ている。喚き散らしている訳でも無いのに、妙な落ち着きがなんだか危なっかしいボーカル。後味がモヤモヤする。一曲目からここまで、一貫した統一感がある。

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D.A.F (Deutsch Amerikanische Freundschaft)は1978年に結成されたデュッセルドルフの音楽ユニット。独米友好協会というグループ名は、東ドイツの(独ソ友好協会)と西ドイツの過激派ドイツ赤軍 (R.A.F)のパロディ。ジャンルとしては、ノイエ・ドイチェ・ヴェレ、エレクトロ・ボディ・ミュージック、インダストリアルなど。

●ノイエ・ドイチェ・ヴェレ:ドイツ語で歌われたパンク・ロックやニュー・ウェイヴを指す、ドイツ語の表現のこと。特定の音楽スタイルによらず、非常に多様なものである。

●エレクトロニック・ボディ・ミュージック:ヴァイオレントな雰囲気とエレクトロニックな近未来感を融合したアンダーグラウンドなダンスミュージックを指す。


このアルバムのタイトルの意味は「すべて良し」という意味らしいのですが、決してすべて良しではないところが良い…

今回は言葉に形容しがたい音、歌が沢山登場したので頭を抱えました。面白かったな〜!!

あと、あのジャケ写見てると何とも言えない気持ちになります。

そんな汗ばみながら、何か言いたげな眼差しを向けないでくれ…



次回は Depeche Mode の『Violator』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに…!

最後まで読んで下さり、有難う御座いました。

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