The Jesus and Mary Chain の『Psychocandy』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は The Jesus and Mary Chain の『Psychocandy』を聴いてみた編をお届けします。

容赦なく垂れ流されるフィードバックノイズと、その中を気怠く泳ぐ甘美なメロディー。

徹底的なノイジーさとポップさの絶妙な黄金比。

是非読んでみて聴いてみて下さい!

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1.Just Like Honey

Rideの「Dreams Burn Down」が始まるのかと思ってびっくりした。こういう始まり方の曲大体良い曲…(偏見)。シャリシャリしたドラムの音。ノイジーな音を鳴らすギター。シューゲイザー感。深くかけられたリバーブが幻想的なボーカル。メロディーが温かい…そして甘い…。

2.The Living End

耳をつんざくような強烈なギター。音が割れんばかりにノイジーで硬い。金属質。ボーカルだけが深い霧の中にふわふわ浮いている。1:47〜の展開好き。火花散る金属がひたすらぶつかり合ってる。

3.Taste The Floor

またもやギターが異常にノイジー。この中に溶け込んでいる口ずさみやすいメロディーがもはや違和感。1:14〜大暴力のギター。金属音が容赦なく降り注いでくる。2:33〜耳を破壊しに来ている。ゆったりとしているが中身はハード。

4.The Hardest Walk

優しくメロディアスなボーカルが強調されている。ノイズにやられた耳の束の間の休息。そうは言っても、甲高いギターノイズが生き生きと音を掻き鳴らす。1:49〜ベースとメロディーが気持ちいい。

5.Cut Dead

アコースティックな雰囲気で今度は本当に優しい。このアルバム飴と鞭が絶妙だ…。冬の夜の暖かい家の中でぼんやり聴いていたい。鈴の音がクリスマス感。

6.In A Hole

アーーーーーー。ザラザラしたノイジーなギターがイントロから大暴れ。ノイズ、色んな質があって面白い。歌をかき消していく。ゆるやかな盛り上がりと高揚感がある。2:00〜歌もノイズも連動してテンション爆上がり。予想外の展開の仕方で次第にカオスを極め、獣になる。

7.Taste Of Cindy

前半ワイルドな雰囲気。0:33〜途中から鳴り出す甲高いギターの音が良い。間奏とても好き。演奏とポップなメロディーとのギャップが凄い。終盤のギターはこれでもかとキレキレになる。

8.Never Understand

リズミカルなドラム。軽快。耳に色々突き刺さってくる。キャッチーなメロディー。これだけノイズ大爆発なのにまとまりがあるから不思議。2:05〜放たれる輝き。絶叫なのかノイズなのかわからない。ずっと何かが発射されそうで発射されない。幻想宇宙空間に飛ばされて終わる。

9.Inside Me

歌だけが救いだったのに、歌さえも鬱々としている。「Hey Hey Hey〜」が全然「Hey Hey Hey〜」のテンションじゃない。耳を塞ぎたくなるような強烈なノイズ。生演奏聴いたら多分耳が壊れると思う。最後のプッシャーーみたいなノイズ面白い。

10.Sowing Seeds

一曲目の始まり方と似ている。憂いを帯びたメロディアスなボーカル。しっとりとしている。0:40〜のメロディーが本当に素敵、美しい。1:56〜何故か懐かしい気持ちになった。ちゃんと静かになったりもする。

11.My Little Underground

どの曲も本当にメロディーが良い…。落ち着いたテンションのボーカルだけど、自然と体を揺らしたくなるサウンド。爽やか。1:25〜ノイズの侵食が始まっていく。ピキピキノイズで終わる。

12.You Trip Me Up

空気を読まずに鳴っているノイズ、ここまで来るとなんだか愛しい。締まりなく垂れ流される。ギターのキラキラ感が好き。1:22〜少し雰囲気がグッと一瞬変わる。2:13〜ノイズの渾身の一撃が脳へ。最後のヒョロヒョロしたノイズ、沸騰したやかんの音みたいで気になる。

13.Something's Wrong

ポップ。10代な感じ。夜のキラキラしたネオン街をドライブしたくなる。リバーブがかなり深くかかっている。一番好きな曲調。降り注ぐノイズに星空を思い浮かべる。

14.It's So Hard

なんだかおぼつかないドラム。動物園みたい。スタートの合図をきっかけに、隠れていた獣が次々飛び出てくる感じ。ボーカルはもちろん、ドラムの音すら掻き消される。不穏にポップ。1:50〜ボーカルが最も邪悪になり、解き放たれる。最後の最後で化けの皮が剥がれる面白さ…


The Jesus and Mary Chain は、1984年にJim(弟)とWilliam(兄)のReid兄弟を中心に、スコットランドで結成されたイギリスのロックバンド。ジザメリやJAMCと呼ばれる。1999年から解散状態だったが2007年に活動を再開。ジャンルとしては、オルタナティヴ・ロック、ポストパンク、シューゲイザー、ノイズポップなど。

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最後の曲を聴き終わって無音になった後、耳の中で微かに「キーン」と鳴っていました。

「イエスと聖母マリアの絆」というバンド名からは想像できないハードさ。

メロディーが素晴らしいから、ノイズが無くても良いんじゃないか…と何度か頭をよぎりましたが、強すぎるスパイスとしてあるべきですね。

その荒れっぷりにニヤニヤしながら聴くのがオススメです。


次回はEinstürzende Neubauten の『Kollaps』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに!

最後まで読んで下さり有難う御座いました。

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