ART-SCHOOL の『PARADISE LOST』を聴いてみた編

こんばんは、内山結愛です。

今回は ART-SCHOOL の『PARADISE LOST』を聴いてみた編をお届けします。

イギリスのグラスゴーでレコーディングされた『PARADISE LOST』。

人間味溢れる生々しい歌詞と、衝動的で幻想的なサウンド。「喪失感」をもポップに青くさく、時に残酷に歌い上げる一枚です。

心地よく緩急がつけられたアルバムの流れに注目して、是非読んでみて聴いてみて下さい!

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1.Waltz
逆再生のギターやキーボードの音が幻想的。アルペジオから始まって、神秘的なコーラス、ドラムが入り、静かに爆発。タイトルの「Waltz」通りゆったりとした三拍子の曲。優しくて、幽玄的。真っ白な雪景色が頭に浮かぶ。

2.BLACK SUNSHINE
前の曲と繋がって始まる。ギターがキュイーンと鳴いている。イントロの感じ好き…2本ギターの掛け合いが格好良い。2:00〜ノイジーな音が聞こえる。適度な疾走感がくすぐったい。最後の音が意外にも可愛い。

3.ダニー・ボーイ
アコースティックギターの音。バラード。泣きそうになるような、胸が締め付けられるようなイントロ。Aメロからずっと鳴っている小さな丸い点のようなギターの音が心地良い。柔らかなのにしっかりとした芯がある。サビの歌い方がグッとくる。

4.Forget the swan
一気に瑞々しい。若さと勢いとエネルギッシュさに圧倒される。キレキレ。パワーポップ全開で最高。生々しい歌詞でさえ爽やかで眩しく聞こえる。クリアすぎず、適度な籠もりがあるサウンド。ノスタルジック。

5.クロエ
…!!!!ART-SCHOOLの作り出すイントロというイントロに弱いのかもしれない。キラキラファンク。これまでの曲と雰囲気が全然違う。海が見える。夏。ドライブ。抑揚の付け方が自由自在かつ感情表現豊かな歌声。最後は幻想的。

6.あと10秒で
また新しい雰囲気。踊れそうな曲調。軽めのパーリーピーポーな感じ。「何もねぇ何もねぇ」の連呼が気持ち良い。2:00〜の輝きが凄まじい。勢いが最後まで止まらない。微かに感じるシューゲイザー。

7.欲望
重ためのリフが印象的。リフが消えてからはフワッと軽くなる。殺伐としていて悲壮感漂う雰囲気。誰も寄せ付けない一匹狼のイメージ。間奏が切ない。刺々しく歌っている。

8.刺青
冷ややかなギターの音。前の曲と同じくらいかそれ以上に、どうしようもなさや、やるせなさ みたいなものを感じる。サビのメロディーが高く、放たれる歌声が心に突き刺さる。アルトロのギターの余韻が沁みる。

9.LOVE LETTER BOX
前曲の雰囲気を一気にブチ溶かすポップさ。キタ…!パワーポップ!アルペジオからのジャカジャカギターの展開が爽快。暖かい。緩急を巧みに操っている終盤の展開がドラマチック。ポジティブで人間味溢れる。解放的。

10.PERFECT KISS
民族感ある始まり方。ギターがワウワウ鳴ってると思ったらワウギターという楽器の音らしい。ファンクさアップ。終始ノリノリなリズムに体が揺れる。二重歌唱。ファンキー。「MONKEY SMILE…?!」と驚いていたら「YOU MAKE ME SMILE」だった。絶対に「MONKEY SMILE」と歌っている。

11.PARADISE LOST
硬質的なギターの音がだんだんとほどけて幻想的になる。切迫感。サビは神秘的で壮大。神経質にむしゃくしゃしているような感じ。不思議な浮遊感もあって独特な世界観を持った曲。パワーを感じるドラム。

12.僕が君だったら
天国・天使。哀愁が淡く滲む。キーボードの音が神々しい。きっと季節は冬。張り裂けそうな気持ちを歌に込めている。終盤の裏声が切ない。ひたすらに美しい。

13.影
可愛いと思ったら、力強く地に足つけてズカズカ進んでいくパワーポップ。ゆったりなリズムへ変化するサビが格好良い。間奏のノイジーなギターソロから静かになって、シンセが小さく聞こえる一連の流れがドラマチック。楽しいけどどこか寂しい。フェードアウトして終わっていくのも、また寂しくて良い。

14.天使が見た夢
微睡のような、もうすぐ眠りに落ちるぽやぽやしている状態。子守唄。空間を引き延ばしていくように、反響するドラムやオルガン、コーラスが美しい。輪郭がぼやけた曖昧な音たちが心地良い。

〈初回盤ボーナストラック〉
1.Waltz (Dave Fridmann mix)
一曲目の別ミックスバージョン。女性のコーラスが無い部分がある。声は原曲より前面に出ている。ピアノがすごく目立っている気がする。そこまで大きな変化はない。

2. LOST IN THE AIR (Tony Doogan mix)
ピアノの音。1:15〜の静寂から激しい情動をぶつけるサビがエモーショナル。原曲ではここのブレイクにディレイがかかっていなかった。負のオーラを感じるけどたくましい。
(↓原曲ver. のPV)

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ART-SCHOOL は2000年に結成した日本のオルタナティヴ・ロックバンド。ジャンルとしては、オルタナティヴ・ロック、インディー・ロック、ポスト・グランジ、ニュー・ウェイヴ、パワー・ポップなど。

● グラスゴー録音:イギリスのスコットランド南西部に位置する都市で、『PARADISE LOST』はグラスゴーでレコーディングが行われた。

歌詞やサウンドはどちらかといえば内向的で、それなのに爽やかで。だけどちゃんと生々しくて…!

パワーポップが好きなので、「Forget the swan」と「LOVE LETTER BOX」が気持ちよかった〜

「PERFECT KISS」は絶対に「MONKEY SMILE」歌っているのではないかと思っているのですが、実際の所どうなんでしょう・・・気になります。

次回は 平沢進 の『救済の技法』を聴いてみた編をお届けする予定です。お楽しみに!

最後まで読んで下さり有難うございました。


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