泡沫

理想と嗜好のおもちゃ箱

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午前2時43分32秒

好きな曲を歌っていたバンドが、知らないうちにいなくなっていた。 たくさんの言葉を1曲にぎゅうぎゅうに詰め込んで、絞り出すような歌声と前へ前へと焦燥感を駆り立てるリズム、ゲインを効かせたサウンド 詳しいわけではないけれど 間違いなく 彼らの紡ぎだす音楽が好きだった。 「大切なものは失くしてから気付く」というけれど、失くしたことにすら気付けていなかったことがあまりにも寂しかった。 どうしようもなく苦しいときの一曲目は、決まって彼ら tetoの"pain pain pain"を聴

    • 音楽、辞めないで

      ”アイドルを辞めたとしても ステージに立てなくなっても 音楽だけは辞めないで” 大好きな女の子に、私は昨日そう言った 一生続けたいと思っていた音楽を 私は辞めた 3歳から中学生まで続けたピアノ 小学生の頃3年間やっていたクラリネット 高校に入って始めたギター 人生で音楽に触れていない時なんてなかった 高校生になって3ヶ月が経つ頃 母親が亡くなり、休学を余儀なくされる程に精神状態が著しく悪くなった。起きたら電気もつけずぼーっとして 適当にコンビニで買ったご飯を食べて また少

      • 単に愛に触れていたい

        自分に向けられる「かわいい」が信用できない自分が嫌いだ。 いつからか、私という存在自体がコンプレックスの塊だった。 顔も 身体も 声も 性格も 本当は全部が気に入らない。 何でも笑って受け止めてしまうタイプだから、気が付けばいじられキャラの立ち位置で すごく傷つくことを言われても、空気を乱したくないし、1人になるのが怖くていつも笑っていたような気がする。 中学生の時、初めて自分で「学校に行きたくない」と思った。 嫌なことだって沢山あったけれど、小学校では6年間無遅刻無欠

        • 走馬灯の1フレームに

          輝く女の子にはなれなくても、誰かの人生に爪痕を残せる人になりたかった。過去も 今も変わらない。 記憶から消したくても消せないような、1人でいいから、誰かにとって忘れられない特別な存在になりたいと願っている。 思えばコンカフェの世界に足を踏み入れたのも、そんな思いを抱えていたからなのかもしれない。 優しいキャストさんたち あたたかい常連さんたち アットホームなお店 初めての仕事で右も左も分からない私は、沢山の人や環境に助けられてそれなりに楽しく働かせてもらっていた。 でも、

        午前2時43分32秒