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東京チカラめしを訪ねて三千里

 誰かのnoteに東京チカラめしの話題が書いてあったので10年ぶりくらいに食べてみたくなってしまった。
 
 東京チカラめしをご存知だろうか。「焼き牛丼」を主力商品とする牛丼屋だ。
 
 かつては東京を中心に100店舗ほどあった。 今は新鎌ヶ谷と大阪日本橋しかない。

 もはや東京にはない東京チカラめしだが、私にとってのソウルフードだった。
 
 高校時代の夏休み、私は日吉駅のウラに先輩に連れられてチカラめしを食べていた。どんなことを話していたんだっけ。覚えてないが、焼き牛丼を作る重装な装置をよく覚えている。
 
  いちいち焼くから提供に時間がかかる。

 思い出では、しっかり焼肉が乗っていた。普通の牛丼とは別ジャンルだった。 少しノスタルジーに浸りながら今日、私は電車に乗り北へ向かった。

 思ったより遠かった。秒速5センチメートルの桜花抄を思い出した。

 船橋とかちゃんと降りたことなかったから新鮮だった。

 新鎌ヶ谷まで約800円。往復で約1600円。当然焼き牛丼より高くつく。それでも、チカラめしに会いに行きたかった。失われた時を求めて。 そして、

眼の前で男子高校生の集団が食券機を占領していた。男子高校生のイデアを見てほっこりした。

 特盛サラダ付きを頼んだ。せっかく遠くから来たんだからなるべく量は食おう。 味は……

 味、こんなんだっけ…… なんか肉がペラペラしている。牛丼チェーンで言うところの松屋の肉感。脂が多い。

 おれの感性が変わったのか?はてまた本当に肉が変わったのか?不味くはない、価格相応。

 そうだよな。久しぶりに会ったらそんなもんだ。10年で期待が膨れ上がりすぎた。思い出補正だ。

 久しぶりに会った初恋の女の子があんまり元気そうじゃなかったときの感じだ。

 この感情を言語化するのは野暮なんじゃないか。思い出は思い出として、しまっておこう。

 そんなこんなで帰宅する道中このツイッター随筆を書いているわけだがもう締めるとしよう。 ありがとうチカラめし。またな。

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