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「エモい」の歴史を辿れ!#2

そんなわけで早速「エモい」の歴史を辿っていきましょう。

「エモい」の初出

あくまで予想ですが「エモい」が初めて使われたのはネットなのではないかと考えました。自分が作り出した単語を会話の中で使ったとしたら相手に「何その単語?」と突っ込まれることは間違いないですし、本などの出版物の中で使うというのも非常に曖昧な「エモい」を定義しなければならないため考えにくいのでは、と思います。

まず、ネット以外で「エモい」が使われていた場合、一大学生の私には調べる手段がありませんので、今回はネットを主に対象として調べていきます。

Twitter初の「エモい」

まず、Googleで2000年以前に期間を指定して検索してみたのですが、「エモい」が含まれている最近の記事が2000年以前からあるページに埋め込みなどで表示されていたり、2000年以前からあるページが更新されて「エモい」を含むようになっているサイトばかりが引っかかってどうしようもないという事態が発生。2008年からサービスを開始しているため、それ以上は遡れないのですが、おおよその見当がつけばとTwitterのツイートで「エモい」を検索してみることにしました。

なんとTwitterが日本でサービスを開始する前から「エモい」を使っていた人がいる模様。これは困ったことになりました。

Twitterがサービスを始めた日から2008年12月31日までにツイートされた「エモい」を分析してみると、「人」や「少年」などの「人物」と「音楽」についてが大半を占めました。しかしながら、ツイート数がとても少なく、同じ人によるツイートもあるため、参考程度にしかなりませんね。

また、2008年11月の3年ほど前、つまり2004年頃に「エモい」が流行ったのではないかと思われるツイートを発見しました。

どうにかしてもっと遡る必要がありそうです。

Webに存在する「エモい」

ツイートなどを参考にして、だいたい2003年ごろには使われていたと予想しました。パソコンに強いわけではないので、ひたすらネットの海を泳ぎまわっていると、2003年の銀杏BOYSのHPで「エモい」とやっと遭遇することに成功しました。

ライブなんか激情系で
エモいから。逆に陽はエモじゃなくてエロだから。アルバム最高なんだからもっと雑誌でとりあげろー!!

また、5chのHawaiian6のスレでも「エモい」を発見しました。

エモいて…

知名度があるバンドマンや掲示板の書き込みに使われていることを見ると、2003年には「エモい」という言葉が定着していたようです。

では、2002年はどうなのか。いろいろ探しましたが、こちらのサイトを見つけるので精一杯でした。しかし、これが2002年に書かれたものという証拠は見つけられませんでした。

そんなとぼけた愛すべき3ピースギターロックバンドがCD 初登場!!どんなエモよりエモい。

いろいろ探していると、こんな記述を別のサイトで見つけました。この記述を信用するなら、「エモい」はある程度は2002年には定着していたのではないかと考えられます。

そのあとに調べたのですが「エモい」という単語は辞書には載っていなくて(俗語ですし)、「エモい 意味」で検索しても一番上に出てくるものは2002年に書かれたものだしアテにならない。

「エモい」の検索ヒット数の推移

これ以上この方法で調べるのは困難であると判断し、Googleで1999年から2019年の「エモい」の検索ヒット数を1年ごとに調べて、その推移で考察してみることにしました。

まず比較しやすいように2014年までのグラフです。
2000年まではほぼ0に近かったのですが、2001年で一度増えています。その後は停滞していますが、2006年で急に増加し、その後増減を繰り返しながらどんどん増加していきます。

こちらが2019年までの全体のグラフです。2016年で急激に増え、その後2019年で今までとは比にならないほど急増します。

マイナビが運営する10代女子向けメディア「マイナビティーンズ」が発表した2018年の10代女子が選ぶトレンドランキングのコトバでは、「エモい」が一位にランクインしています。

この影響なのかはわかりませんが、2018年から2019年にかけて「エモい」がJKを中心とした若い層に広がっていったと考えられます。

結局「エモい」の初出は?

長々書きましたが、「エモい」の初出はこれだ!と言い切れるようなサイトは私の力では発見できませんでした。ただただ力不足です。申し訳ありません。

ネットでの記述や検索数などを考慮してみると、2001年ごろにはすでに使われ始め、2002、2003年ごろには「エモい」という概念が音楽シーンを中心としたある一定の界隈には広まっているというのは確実でしょう。

1999年に「エモい」の初出があるという記述も発見しましたが、親となるサイトを確認できませんでした。もしこれが正しければ、1999年からごく一部の人に使われ始め、2001年何かの拍子に誰かの目に留まり、そこから少しづつ拡散されていったのではないかと思います。

次回は、「エモい」の使われ方の変遷について調べたいと思います。が、ものすごく膨大な労力と時間がかかりそうなので、何かいい方法はないか試作してみます。
学校のレポートもこれぐらい労力をかけるのを惜しまないでいたいんですけどね……!

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