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テレビ業界

※日本放送協会以外の民間放送にエントリーしなかったため、民放については浅い内容です。ご了承ください。

業界の概要

公共放送である日本放送協会(NHK)とTBSやテレビ朝日、フジテレビといった民間放送(民放)の二元体制で成り立っている。

ビジネスモデル

NHK:
国民が納める受信料が財源の90%以上を占める。よくNHKの集金がネタにされているのを見受けるが、実は「放送法」という法律でテレビ設置者は受信契約の義務付けられている。つまり国民全員がNHKのスポンサー。
「放送法 第六節 受信料等(受信契約及び受信料)
第六十四条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。」

民放:
企業等のスポンサーからの広告収入を主な財源としている。国民をスポンサーとしているNHKと比べると視聴者の反応や消費意欲を損ねる番組は放送しづらいと考えられる。

現在の課題・現状

テレビ業界そのものがインターネットにとってかわられる傾向にあるため、「いかにテレビを見てもらうか」「いかに『テレビ離れ』に歯止めをかけるか」は共通の課題と言える。特に民放は広告収入、つまり視聴率がその後の番組のクオリティに直結するため、テレビ離れはより喫緊の課題と言えるだろう。
それに加え、NHKは受信料未払いをいかに減らしていくのかも重要な課題である。

将来性・成長性(トレンド)

各社、見逃し配信やサブスクリプションサービスなどに力を入れ、コンテンツをリアルタイム以外でも視聴してもらうための工夫をしている。また特にNHKは、今後も必要とされ続ける(すなわち受信料を払い続けてもらう)ために情報の速さと正確さが求められる災害報道という点において、公共放送の意義を国民に理解してもらえるよう尽力している。


私が感じたNHKのメリットデメリット

デメリット
・業界そのものの将来性に不安を感じる。

メリット
・公務員的安定
・世の中に形として残るものの制作に携わることができる。
・社会貢献ができる。

職種と働き方

全国転勤のある「全国職員」と、地域に根ざして働く「地域職員」の二種類、そこからさらに
・ディレクター
・アナウンサー
・音響デザイナー
・映像デザイナー
・記者
・ニュース映像制作
・報道カメラマン
・放送管理
・営業企画
・コンテンツ制作技術
・放送システム開発・運用
・放送技術研究
・情報システム技術
・建築技術
がある。これまでは職種別採用で、やりたい職種が明確な人は必ずその仕事に就けていたが、人員削減のため22卒から職種別採用を廃止し一括採用となった。しかし、職種を明言しない形で、エントリーシートの時点である程度の希望は出す。

キャリアステップ

まずは地方配属から始まる。成果主義のため、3−4つの局に3−4年勤務することを経て東京局勤務になっている人が多い。10年前後かかると思われるが、桑子アナウンサーのように5年で東京勤務になることもある。

選考フロー

ES→テストセンター・1次面接(オンライン、1:1)→論述試験・2次面接(オンライン、1:1×2回)→2.5次面接(対面、1:1)→最終面接(対面、1:3)
※アナウンサー職にはカメラテスト、というように職種によってフローに多少の差がある。
テストセンターのSPIは私はボロボロだったが通過したのであまり重要視されていないと思う。論述試験は昨年度から時事問題がなくなり、作文800字を1時間、自宅でウェブ受験。面接は、公式では3次面接までとなっているが、2.5次面接が存在し、それも面談ではなくしっかり選考がある。どの面接も20−30分程度の雑談形式で、ESに沿った内容。

NHKの選考を通して私が感じたこと

「映像系のサークルに所属していた」「アナウンサースクールに通っていた」「卒論はコンテンツ系の話」「学歴がある」「GPAが高い」希望の職種にもよるかと思いますが、関係ありません。NHKは人柄採用だと感じました。計5回の面接がありますが、その全てが穏やかで学生の素をを引き出すような面接でした。人柄採用ということは、自己分析が肝になります。自分が今持っている価値観、考え方、思考回路、全てを原体験に紐付けて語れるくらいになるといいと思います。
最低限抑えておきたいポイントとしては唯一無二の公共放送として、他の民放との違いを明確にできるか。また全国転勤への理解と社会貢献の心意気があるかどうか、です。
テレビ業界に限った話ではないですが、面接官は過去の話から私たちの未来を想像してい(るらしい)ます。自己分析をしっかり行うこと、そしてそれを表現し相手に伝えることができるかが重要だと、就職活動を通して思いました。

参考文献、おすすめの引用サイト

NHKよくある質問集 https://www.nhk.or.jp/faq-corner/2jushinryou/01/02-01-02.html
NHK放送法と公共放送 https://www.nhk.or.jp/info/about/broadcast-law.html
e-GOV法令検索放送法 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000132
ワンキャリア業界研究 テレビ局 https://www.onecareer.jp/articles/222

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