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「あのね」 - 写真と言葉のこと

「あのね、今日こんなもの見つけたの」。
1日の終わりに、遠くに住んでいる家族たちへよく写真付きメールを飛ばしていた。

今となれば懐かしいカメラ付き携帯電話には、学校の屋上に咲いた花とか、受験勉強中に見えた虹とか、友達のブレッブレの笑顔とか…そんな何気なくて大切な写真がいっぱい詰まっていた。

子どもながら日常の中に色々なことを感じたり、考えたりしてはいたけれど、私は思考を言葉にすることがとにかく苦手だった。
(今思えば、しっくりくる言葉を当てはめるのに長い時間を掛けていただけだったのかもしれないのだけど…)

だからきっとあの頃、写真は「誰かに気軽に語り掛けるための言葉」だったんだろうな。と、先日、濱田英明さんの文章を読んでから感じていました。
春の光のように穏やかで温かい文章なので、是非一度読んでみて欲しいです。

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写真と言葉ってどういうものなんだろう。

改めて考えてみると、今の私にとっては
写真は、感覚をなぞるもの
言葉は、感覚をほどくもの

なのかもしれない。

写真は感じた光景を写し取ってくれて、言葉で上手く表現できなくても、その時の情景をまるでここにあるかのようにありありと語ってくれる。

言葉は記憶や感情とゆっくり向き合いながら綴ることができて、写真ではっきりと描くことの出来なかった感覚も語ることができる。

これから先変わってゆくかもしれないけれど、ひとまず私の写真と言葉は二人三脚で上手いことやってきたんだと思う。


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歳を重ねていくにつれ、時間が飛ぶように過ぎていくようになったと身に染みて感じる。
時間の経過と共に感じたことや考えたことは消えてしまったり、変わってしまったりするけれど、その速度も何だか早足になったような気がしている。

良し悪しはあっても、一時の感覚や感情ひとつひとつは嘘がなくて尊いもの。
その純粋さを、写真だけじゃなく言葉にも残してみたくなったことが初めてnoteに向き合ってみた理由のひとつです。
写真と言葉はふたりでひとつだから。

自己紹介らしいことを何もしなかったけれど、ご挨拶代わりの初投稿でした。
またこっそり「あのね」を言いに来ようかな…

読んでくれてありがとうございました。
それでは、またきっと。

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