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読書記録 │ ぎょらん / 町田その子
ぎょらん / 町田その子
前感想文、「アリアドネの声」の前に読んだ、
新潮文庫の100冊の中の1冊。
なんかで紹介されてて(覚えてない)
タイトルをめちゃくちゃ覚えてたので購入。
感想よりなにより先に書くのですが、2023年読んだ本で1番好きな本だと思います。あと5ヶ月あるけど、超えないと思う。そのくらいすきな1冊です。
さて、読書感想文をなるべくネタバレ無しで。。
あらすじはこちら。
人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」。
それを嚙み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだという。
地方都市の葬儀会社へ勤める元引きこもり青年・朱鷺は、ある理由から都市伝説 めいたこの珠の真相を調べ続けていた。
「ぎょらん」をきっかけに交わり始める様々な生。
死者への後悔を抱えた彼らに珠は何を告げるのか。
傷ついた魂の再生を圧倒的筆力で描く7編の連作集。
めっちゃ泣けます。
「死」を題材にしてるので、そりゃもちろんそうかもしれないんですが。ほんとに泣けます。全編。
人はいつか死ぬ。それは逃れられない事実です。
生きていると親しい人を見送ることもあるし、もう一生会うことの出来ないその人に悔やんでも悔やみきれない罪悪感を抱くこともあると思います。
そんな時、残された人はどのようにしてその死を受け入れ、生きていけばいいのでしょうか。
そんな人生の命題を一生懸命模索するお話です。
その答えは人それぞれで…
この短編集、それぞれ別々の世界線の話ではなく、同じ世界線のお話で、しかも前後章の登場人物もでてきて、話が繋がっている連続短編集なんです。
それぞれ色々な悩みを抱えていて、死者との関係性もバラバラです。だからこそ、向き合い方も命題に対する答えも人それぞれ。
この世に後悔のない別れなんて、あるんでしょうかね。
「明日死んでしまうかもしれない」って思いながら、後悔のないようにすごしたり、相手のことを思って行動するって、めっちゃ難しくないですか?
仮に、余命宣告されて、終わりに向けてゆっくり準備ができたとしても、少なくとも残された側には、後悔する部分が絶対出てくると思います。
だからこそ、死とどう向き合うか。生と死について考えさせられる1冊だったなと思います。
全体を通して、希望感あるキラキラした物語って感じではないです。なんならちょっと暗いし、ツラい部分もあるし、なにより「ぎょらん」の設定が不気味と感じる人もいると思います。でも、救いのあるお話だなと。キラキラはしてないけど、一筋の光が刺すような。そんな感じです。
あと、めちゃくちゃいい本で、めちゃくちゃ読んでもらいたい1冊なのですが、
一点だけ言わせていただくと、
登場人物の名前がちょこちょこ特殊でマジで覚えにくいです。すみません。何でこの本を紹介されてたかも、ぼんやりと思い出せない私には読めずに数ページ振り返ることが数回ありました。笑
でも、個人的にはそこくらいしか気になるところが無いくらい好き。ネタバレ有りで感想語り合いたいから、全人類読んでほしい。と思う1冊です。
あと、こういう短編連続小説大好きだし、なにより町田その子さんの描く登場人物が、皆繊細で不器用で人間らしくて好きなので、また町田その子さんの本を買おうと思いました。
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