読書記録 │ 神様のパンケーキを頬ばるまで/綾瀬まる

神様のパンケーキを頬ばるまで / 綾瀬 まる

神様のケーキを頬ばるまで (光文社文庫)

ちょっとぶりの更新ですね。
お盆はRSRに行ってきました。
そして疲れからダウン…歳を感じますね……
とは言いつつ、本も買ってきちゃいました。
積読をひたすら増やしてる…そろそろ一旦買うのやめない？私

私の近況はさておき、
今回は初めて綾瀬まるさんの本を読みました。
noteで、綾瀬まるさんの本を読んでる方を見かけ、初めて見かける作者さんだな、面白そうだなと。
探してみたら、自分の店には同じタイトルのものが無く、ただ表紙が可愛いからこれでもいいか(?)と買った1冊でしたが、超大当たりでした。

読書感想文をなるべくネタバレ無しで
まず、どんな話かと言うと
同じ雑居ビルで働く人・近くに住む人々が
目を逸らすほどの悲惨な出来事こそないけど
それぞれ日常の中で思い悩み
感動するような出来事があるわけじゃないけど
それでも前を向く気持ちになれる5編の(連続？)短編集です。

いやぁ、冒頭(?)でも伝えましたが
めちゃくちゃ好きな感じの1冊でした。

皆それぞれコンプレックスや悩みを抱えていて、小説内でそれが完全に解決する描写はないんですよ。

でも前を向いて1歩歩き出したような、ひとつ希望の光が刺したような、そんな終わり方をする所がいいですね。

あと、完全に別の短編集ではなく、同じ雑居ビルが関わってくる短編集で、前編の主人公を他の人から見たイメージや、どの章にも出てくる映画の感想が人によってそれぞれ違うところがリアル。

各主人公の心理描写が繊細で、主人公達に感情移入しながらどっぷり読んでしまいました。
綺麗事ばっかりじゃなくて人間味がある感じもすごく好き。

全編好きですが、あえて選ぶなら｢龍を見送る｣が1番好きですね。

書店員らしくどんなお客様に勧めるか、
・前向きになれる本を読みたい方
・連続短編集が好きな方
・人間味のある話が好きな方
(個人的には町田その子さんが好きな方にはオススメです。)
キラキラと明るい本ではなく、ちょっと暗めなんですが、すくいがあるような、心がザワザワしてる時に読み返したい1冊です。

読了後、チラッと読メを見たんですが、最近発行されたものの方が少し暗めだとか。
初めて読むのがこの本でよかったかもしれません。
また綾瀬さんの別の本を読んでみようと思いました。今度こそnoteで見かけた本とか。(積読は？)