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詩と死

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まつわる詩
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n.t.n.

n.t.n.

知らない夢を見た
知らない未来の誰かの話

中身をばらまけて話したあの日は
きっと嘘
お互いに重なって泣いたあの日も
きっと全部全部嘘
境目を越えてしまった代償に
問うことも祝うこともできなくなってしまった
好きだったあの気持ちは全部嘘
嘘なので
すべての過去が知らない誰かの話
すべての振動が知らない誰かの話
低いテーブルの上の充電器
サイズの合わないコンドーム
結露でびちゃびちゃのコースター

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システム異常

システム異常

あなたの人生を知らない
あなたの生活を知らない
きっともう二度と会うことのない
あなたの名前を忘れてしまいました
それでいいと思いました
きっと、
最初からそうだったような気がしている
離れた世界の離れたいきものだったんです
いつもふらふらと揺れる振り子人形の
顔は思い出せたことがありません
汚い布で縛って辛うじて生きているあなたの
その顔は思い出せたことがありません
夜行バスにはカーテンが掛かっ

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朝にみる夢

朝にみる夢

浄化した魂はもう
二度と還らないという
この世に傷をのこし
私はそれを
小さく舐めながら
ゆっくりと息を、
開かない窓に掛けたカーテンが
揺れることはない
意思を持たぬ妖精に
気づかれることもない
ぐおんと音を立て
部屋を巡る風に命などない
夜のうちに
消えていれば
消えられていれば
よかったのかと自問する
眩しさに閉じたこころの
奥の方で鳴る音が
その行く末を見守っている
風が吹いても
息を吸い

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すべて永遠の春

すべて永遠の春

濁った名前がとけてなくなるまで
きみのもとには帰らない

海に行きたいな
なんて夜があったとして
誰もいない海小屋の
さみしい窓枠が光らなくても
ちゃんと土を踏んで歩きたい
裏切られた後ろ姿が
たとえなくとも

壁にうつる数字は
映っては消え、消えては生まれ
時間が経つことは悪いことじゃない
だからきみのことは
もうみていられない
明日来るはずの朝が
逆剥けで気づかなくとも

春の魚がかえってくる

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numb

numb

すべてのしらないふり

読者でいたかった
画面の隔たりがある
人間と気付かないような
人間と思わないような
月の盤面を愛しいと思う
扉の向こう側の未知

今日は雨だよと言われても空は晴れていた

生徒でいたかった
知識の隔たりがある
存在の有無も証明できない
存在を怯えるような
眩しさを愛しいと思う
白を浮かすものは宇宙ではない

電車で3駅は何億光年の距離だ

信じていたかった
なにもしらないこ

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シーセイズ

シーセイズ

あかりをすべて消して
その先を見ている
これからのことを
全くかんがえない
だれもいないキッチンで
壁だけが雪のよう
散らばった氷も
ぬめったシロップも
彩りには程遠い
あのとき、電車のホームで
目の前のプレートが
行き先を示している
これから
そこにいくのだろうか
そこにいけるのたろうか
誰も変に思わないだろうか
名前も声もあるのに
存在しない君のもとへ
いきたかった
いけなかった
どこにいるの

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あかいいと

あかいいと

あかい まっすぐなせんをひきました
あかい みじかなせんをひきました
それは誰にもつながっておらず
それなのにまっすぐと続いているようでした

鏡の中の笑顔は私のものでした
誰かがくれる返信は私のものでした

まっすぐに白熱電球を見据えると
白の中に黒が見えました

私を覆っている全てのものが
私のために存在していましたが
そのどれもが私のためだけに存在しているわけではありませんでした

あかい

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接ぎ木

接ぎ木

煙草をやめた もうずっと前
覚えたてでかっこよくて吸ってた
誰かを見て羨ましいと思うのは
退廃的で劣悪ななにか
カップ焼きそばのちゃちな味で酔いたかった
生活を送るには厄介な場所に開いた、
穴の痛みで酔いたかった
野良猫の写真を撮り、決して関わらず
今日もカロリーと糖質ばかり摂る
いい加減泣くのは飽きて
怒りも悲しみも忘れてしまった
どうでもいいロッカーの位置に
少しだけ違和感を覚える様に

煙草

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命の隙間

命の隙間

傾いた視界を
真っ直ぐに正そうと
そればかり考えていた
不規則な命に
栄養を注ごうと
そればかり考えていた
色違いの生活に
同質などなく
歪んだ目前で
電車が滞りなく通り過ぎる
そこにあったのは
無機質な文字列だけだったが
隙間に入り込むには
十分な大きさだった
台所の狂気、或いは
寝床の隅、カーテンから滲む日
色彩を持たず
想像力を持たず
質量のない生活をしていた
黒い舌の上で
一喜一憂していた

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バンユーインリョクロックバンド

バンユーインリョクロックバンド

残りの人生ギセイにしちゃって
人前で鳴らす唄はどうだい
やになっちゃっても戻ってこないし
かっこよくもないけどさ

堕落だけが快楽の引きこもり生命
なんちゃって
怠惰な生活送るなら
寄付でもしたほうがよかったか
いいねもよくないねもいらないし
承認欲求は冤罪だ
縁側でお茶でも啜って
ラリってるのがしあわせなのさ
オルタナティブもエレクトロニカも
歌うな
厭うな
誰も僕の前で

残りの人生ギセイにし

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daylight

daylight

信号機の青
林檎の皮
しなびた百円

点々の窓
雪の溝
コインランドリー

親の足先
戻る犬
新潮文庫

枕カバー
切れた電球
溶けない冬季

メイド服
曲がったハンガー
全身鏡

大安と書かれた日曜
止まった時計

四日目で書かなくなった日記を読んで
僕のことをわかってたまるか

#詩

生命はくりかえす?

生命はくりかえす?

となりでねむるその心音に
息が止まりそうになる
久遠が止まりそうになる

やっぱりやさしさじゃないってばれてたみたい
いたいね
いたいね
一緒に

白い太陽が波打つ庭で
呼吸が分厚くなる冬景色で
句点だらけの換気扇の音で

やっぱり生きてみたいってばれてたみたい
いたいね
いたいね

偽物の安寧を届けて
色彩の心地よさを教えて
境内の豊かさを忘れて

ひび割れた日常を返して
目に映る瞬きを想像して

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ねこのうた

ねこのうた

神さまはどこにでもいる
ロックンロールみたいに生きてみたいのよ
こわがりはいまのうちになおすから

アンテナ 嗅覚 わたしのアイコン
エアコン完備 夜はつつぬけ
たんぽぽ ひげの根 わたしのおまもり
たまにはくさむら 朝はつゆほど

宇宙はどこにでもある
ミスタードーナツに攫われたいのよ
さみしがりはいまのうちになおすから

明日のことも考えられないのに
言葉なんかおぼえちゃいられないな
蹴り上げ

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惑星バスルーム

惑星バスルーム

話が弾んだ水曜日
なんでもできちゃう気がしたんだ
今夜の夕食はなにかしら
今夜の夕食はなにかしら

ライトが眩しい午前二時
なんでもできちゃう気がしたんだ
電柱の上で待ってるね
電柱の上で待ってるね

街頭演説もうきらい
ナポリタンも食べ飽きたし
お昼寝したら朝だったし
テレビで人が死んだ
窓の外で人が死んだ
心の中の人が死んだって
誰も気づいてくれないんだから

ペットの犬猫は立ち入り禁止
ミラ

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