見出し画像

朝にみる夢

浄化した魂はもう
二度と還らないという
この世に傷をのこし
私はそれを
小さく舐めながら
ゆっくりと息を、
開かない窓に掛けたカーテンが
揺れることはない
意思を持たぬ妖精に
気づかれることもない
ぐおんと音を立て
部屋を巡る風に命などない
夜のうちに
消えていれば
消えられていれば
よかったのかと自問する
眩しさに閉じたこころの
奥の方で鳴る音が
その行く末を見守っている
風が吹いても
息を吸い込んでも
いないものには縋ることすら
できないと思っていた
幾度となく昇る朝日を憎み
なにもできないままの夜を呪っている
自分のことを、
ずっとずっと呪っている
もし
あなたも呪ってくれていたら、或いは

目を覚ましてもひとり
それでも微かに願っている

産声をあげた今、
逃げる場所などないことを知った

この世に明ける朝のすべて

#詩