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特許事務所におけるCOO/CTOとしての仕事

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 本日はクリスマスイブですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 さて今日は知財系アドベントカレンダー2020の24日目です。ちなみに、超壮大な記事を書いている方もいらっしゃいますが、私はそういうの苦手なのでざっくりとさせてください。

1.はじめに

 私は、特許業務法人IPXという特許事務所を経営している、代表弁理士COO/CTOの奥村光平といいます。私にも代表弁理士という肩書がついていますが、本来はパートナー弁理士とか副所長弁理士とかいうべきかもしれません。相方押谷との公平性/対外的には共同代表制にしたいという意向から、私も代表弁理士を名乗っています。

 さて今日は、そんな私の肩書である「COO/CTO」の仕事についていろいろ書いてみたいと思います。というかそもそも、特許事務所でCEOとかCOO/CTOとか名乗っているところはほとんどないと思います(・・・これは言うまでもなく相方押谷の思想です)。

 いまでこそ、押谷も「代表弁理士CEO」という「代表取締役CEO」みたいな肩書を名乗っていますが、最初は単にCEOだけでした。私もCOO/CTOだけ。意外がられるかもしれませんが、私は結構コンサバな人間なので、これが恥ずかしくて、途中で、もう少しコンサバな漢字も取り入れたいということで、折衷案で代表弁理士CEO&代表弁理士COO/CTOという肩書に変更させました(爆)。変更後の肩書も、オリジナルで結局は我々だけでしょうが。最初は恥ずかしかったのですが、今は実は結構気に入ってたりしますね(笑)。

 CEOとCOOという名乗り方からもなんとなく伝わるかと思いますが、弊所内での分担として、押谷が対外的立ち回り(営業やらYoutubeやら執筆やら銀行との付き合いやら)をしているのに対して、私は事務所の中の仕事がほとんどだったりします。例えば・・・

- 所内の教育指導・チェック

- 採用・人事評価

- ツールの開発(といっても最近はかなり他の人に移管しています)

 たまにYouTubeに出たり、ラジオに出たり、イベントや外部講師なんかもしているものの、基本はインドア、陰キャなので、対外的立ち回りは苦手なんです・・・。

2.所内の教育指導・チェック

 COOというくらいなので、事務所内部のことは最終的に私が責任を負うことになります。当然にメンバへの教育やドキュメントのチェックは不可欠な仕事です。

 弊所には経験の浅い弁理士・技術者もいます。弊所では、経験よりもカルチャーフィット&本人の素質を重視しているので、経験が浅いのは教育指導でカバーできると思っています。なので、経験者の方でも、これらの条件を満たさないと判断した場合は、バンバン落としています。

 ちょっと話がそれましたが、所内の教育指導はとても重要です。教育指導といってもいろいろありますが、一番多いのが新規特許出願の明細書作成です。国内明細書は儲からんとか、英語ができないと駄目だとか言う人もいますが、私は国内明細書の作成が弁理士実務の基本だと思っていて、これが一番楽しいです。

 明細書作成に必要なのは、当然経験値だとは思いますが、書き方のメソッドがあって、ただ闇雲にやって、上司に赤字で直されてもなかなか上達しないと思っています。

 弊所で私が行っている教育指導では、明細書をこう書くと「かんたん且つ品質も上がる」というメソッドを共有しています。このメソッドでは、明細書を書くまでの下準備が重要になっています。弁理士の論文試験で例えると、書く前に答案構成をしっかりやると思うのですが、まさにあれですね。

 メソッドについては、知財塾の明細書作成ゼミでも一部共有しています。第2回は私が担当していて、動画購入も可能です。年明けから始まる第3回はIPTechの佐竹先生が担当されます。

 元々人に何かを教えるのは好きなので、所内の教育指導も、知財塾でのファシリテータも楽しくやらせてもらってます。アドベントカレンダーの参加者にも受講生がちらほら(笑)

3.採用・人事評価

 採用や人事評価もCOOの仕事です。人事評価についてはさすがにここでは書けないので、採用の話でも。

 採用は本当に重要なタスクです。世の中にはいろんな人がいて、性格も異なりますし、問題のある人だってたくさんいるわけです。問題のある人を入れてしまうとなかなか苦労します。士気が下がり私も疲弊します。。

 弊所は、従業員を仲間だと思っているので、上でも書いている通りしっかりカルチャーフィットし且つ問題のない人(いやこれが本当に重要)を採用したいと思っています。

 上記のようなことを考えると、弊所の採用プロセスはかなり重厚です。まず、技術系事務系共通で、

 算数&国語の試験(SPI的なやつ)

 性格診断

 ITリテラシー試験

 この3つを課しています。さらに技術系の場合には、実務関連の論述式試験があります。これをクリアすると、面接を2回以上経て、最終的に内定が出ます。

 私が担当するのは、論述式試験の採点と、面接ですね(他の試験はコーポレート系のメンバがやってくれます)。

 面接は非常に難しいです。最初のうちは、何を評価していいのかよくわかりませんでしたが、だんだん分かってきたような気がします。幸いなことに今は素晴らしいメンバに囲まれ、仲間には感謝しかありません。

 採用といえば、先日、知財実務オンラインの第2回ライトニングトークで、弊所の採用について少し話をさせていただきましたので、よろしければご覧ください(開始1時間35~36分から登場)。ライトニングトークとかいいながら喋りすぎで申し訳ない・・・

4.ツールの開発

 こちらはCTOとしての仕事。これも私の重要なお仕事です。奥村=VBAのイメージ(若しくは韓国語のイメージ?)は強いかもしれませんが、そんなに間違っていないかと思います。

 弊所では、自作ツールを使って、品質と速度を両立したドキュメントの作成に力を入れています。技術者は全員、弊所の自作ツールが使えます。

 また、事務系の作業も自作ツールによりかなり効率化されています。私はVBA中心にいろいろ作っているのですが、学生インターンの子は、PythonやUIPathでいろいろやってますね。技術者でも一人ツール開発が得意な者がいて、図面作成回りのプログラムをいろいろお願いしています。

 このようなツールを考えたり、自分で作ったり、あるいはメンバに作らせることが私の仕事です。

5.まとめ

 こんな感じで、特許事務所を経営すると、いろんな仕事があります。COO/CTOとしての仕事は、上記がほんの一部で、細かい承認やら相談もやまほどあります。さらに当たり前ですけど、私自身も実務をやっています。

 みなさんも、所長や副所長ではなく、CEOやCOO/CTOになってみませんか?(なんだそれ) 

→明日は特許の楽校(大学)のたまさんに繋ぎます。


 



 


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