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大丈夫?より、大丈夫だよ

あなたはレストランで働くスタッフだとします。お客様がコップを倒してしまい、水が床や服にかかってしまいました。さて、近くにいたあなたは何と言葉をかけますか?

以前何かの本で読んだこのシーン。私はすかさず「大丈夫ですか!?拭くものお持ちいたしますね」と言葉をかけるだろう。けれどもその本の著者は言う、正解の言葉は「大丈夫ですよ」だと。

私がお客様側に立ったとき、やってしまった〜!と焦るだろう。そんな時に「大丈夫ですか!?」なんて言われても、大丈夫なはずがないけれども、「大丈夫じゃないです!」とは言いづらい。そして、なんとなく店員さんに対して申し訳ない気持ちを抱くと思う。

でもそこで、「大丈夫ですよ。拭くものをお持ちいたしますね」と言われたらどうだろう。多少申し訳ない気持ちが広がるだろうけど、店員さんが大丈夫って言っているなら大丈夫かな、という気持ちにさせられる。

2つを比べれば、「大丈夫ですよ」の方が、失敗してしまったことに対して「安心して、失敗しても良いんだよ。失敗するのが当たり前だよ」と肯定してくれているような気がする。お客様側のやってしまった!という感情を緩和してくれるような、魔法のような言葉だ。


なぜこの話を思い出したかというと、先日、友人に「大丈夫だよ」と言われたからだ。

それは友人と遊んでいるとき、私は強い腹痛に襲われた。立っていられないぐらいになり、車で友人の膝を借りて横たわっていたら、「大丈夫だよ」と背中をさすってくれた。

せっかくの楽しい日なのに、お腹を痛くして時間をとってもらって申し訳ない…といつもの私なら思っていたと思う。けれども、友人の「大丈夫だよ」を聞いて、ありがとうの気持ちでいっぱいになり、元気になるまでしばらく友人の膝を借りることにした。きっと、「大丈夫?」と聞かれていたら「大丈夫、ごめんごめん…」と作り笑いをしていただろう。

大丈夫?を大丈夫だよに変えるだけで、安心感がこんなにも違うものかと、ふと以前読んだ本を思い出したのである。

私も、ひとつでも多く「大丈夫?」を「大丈夫だよ」に変えたいな。

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