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続ける!毎日掌編小説

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プロの小説家になるために毎日掌編小説を投稿します! 正確には毎日(00:00までに)必ず一つ投稿します。 もし投稿が過ぎた場合は、勉強も食事も睡眠も無しでその日に作品を5つ出しま…
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#負のスパイラル

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第七話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第七話》

 プロローグ

 地雷系。それは、逆鱗に近しいものであるが、いつ何時に怒りが爆発するのか全くわからないという違いがある。

 性格、感性、趣味に至ってまで、一般人と比べれば変人と言えるだろう。しかし、その吐出した魅力的な個性が多くの目を惹くこととなる。地雷系が得意とする共依存テクニックは一度心を奪われた人を決して離さなかった。

 これがまた厄介で、地雷系が忌み嫌われる理由である。当然だ。なぜ

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第五話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第五話》

プロローグ

 大学生や高校生が住むような、1R。その場には異質な黒い渦のようなものが漂っているようだった。何かがいつもと違う。違和感がその場にはある。

 違和感を感じながら、今作の主人公、愛音は自分の部屋を見渡した。彼の意識が朦朧としている。体がふらついてしまい、倒れる方に足をすぐに持っていかないと立っていることができなかった。

 最後に覚えているのは、パイナップルを食べていた時のことだ。そ

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『沈む星、昏い未来(Sinking Star, Darkened Tomorrow)』続ける!毎日掌編小説第20回

『沈む星、昏い未来(Sinking Star, Darkened Tomorrow)』続ける!毎日掌編小説第20回

 [1200]

 カビと生ゴミが混じった匂いが、喉の方で痞えているように臭った。これは私が小学校に入学して半月してからの話だ。

 凍りつくほど冷たい何かが足先から腰まで、腰から手の先まで登ってきた。

 祖母に買ってもらった赤いランドセルはその時すでに鮮やかさを失っていた。

 視線をほんの少し下に落とすと、赤と白のボーダー柄の子供用テーブルに置かれた、三百円が目に入った。ジリジリになっている

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