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続ける!毎日掌編小説

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プロの小説家になるために毎日掌編小説を投稿します! 正確には毎日(00:00までに)必ず一つ投稿します。 もし投稿が過ぎた場合は、勉強も食事も睡眠も無しでその日に作品を5つ出しま… もっと読む
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#地雷系

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《最終話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《最終話》

 緑色の芝生を紫色の鈍い空が照らしている。そんな、紫色に濁った芝生は、不思議で奇妙なオーラを漂わせていた。

 寒くも暑くもない、かといって普通でもない。背筋に鈍いスライムが垂れているような、気持ち悪さを感じる。

 愛音は闇葉の精神世界を体験することによって、その彼女の過去を知ることができたのだった。彼女の過去はあまりにも残酷で、救いのないものであった。

*人物紹介*
愛音
料理がうまく、女

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第七話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第七話》

 プロローグ

 地雷系。それは、逆鱗に近しいものであるが、いつ何時に怒りが爆発するのか全くわからないという違いがある。

 性格、感性、趣味に至ってまで、一般人と比べれば変人と言えるだろう。しかし、その吐出した魅力的な個性が多くの目を惹くこととなる。地雷系が得意とする共依存テクニックは一度心を奪われた人を決して離さなかった。

 これがまた厄介で、地雷系が忌み嫌われる理由である。当然だ。なぜ

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第六話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第六話》

プロローグ

 緑色に輝く塔へ、世界一危険な芝生を歩む。

 ここは闇葉の精神世界。一体何が起こるのか、それを知っている者は本人の闇葉でさえ、知り得ないことであろう。

 永遠と続くような芝生には飽き飽きだ。

「かれこれ、1時間は歩いたよね。どうして塔はまだあんなに遠いのかな」
 愛音は、深いため息をついて、朧げに見える縦に細長い緑色の塔を見つめた。同時に耳鳴りまでする。なぜだろうか。

「でも

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【連載小説】スピリット地雷ワールド《第三話》

【連載小説】スピリット地雷ワールド《第三話》

________プロローグ_________

 鈍いタールのような臭いが漂っている。異色のパイナップルがこちらを睨め付けているようだ。

 キッチンの壁にかけられているシンプルな時計は午後1時を指している。

 愛音はただキッチンの前で茫然としていた。この先の幸せを想像できないでいたのだ。ゴミ箱の闇を見つめて、彼は一体何をするつもりなのだろうか。

 彼はあろうことか、ゴミ箱に手を突っ込むと異臭

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【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第二話》

【連載小説】『スピリット地雷ワールド』《第二話》

プロローグ

「付き合う前からずっと我慢してきたのにひどいよ」

 闇葉はまた自分勝手なことを言った。この性格にクラスの同級生は、みんな揃って頭を抱えていた。彼女は人を困らせることになんの躊躇もないのだ。

「私は愛音の1番じゃなぁいんだ……?他の人の方が大切なんだァ!」

 彼女の声は、教室の隣の隣にまで聞こえる勢いだ。すると、それを聞いていた一人のクラスメイトは我慢の限界を迎え、果たして口を挟

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