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木漏れ日に泳ぐ魚/恩田陸

恩田陸さんの小説を初めて読みました。
ずっと読みたいと思っていた作家さんだったので、彼に借りてから最初のページを捲る時には本当にワクワクしました。

私は淡々と進む映画を好んで見るのですが、
そういう淡々映画を見終わった後の気持ちと、
このお話を読み終わった後の気持ちは、とても似ているなあと思いました。

なんというか、小説というより、映画を観ているような、そんな感覚を覚えました。

本を読む時は、次の展開を予想しながら読み進めていきますよね。
そして、とんでもないミステリーだったりしない限りは、大体自分の予想に近い展開になりませんか?

そんな気持ちでこのお話も読み進めていたのですが、読めば読むほど、あれあれ?え?そうなの?そっち?また新しい世界が広がったぞ?
と最後まで展開が読めないので本当にビックリしました。

そうなってくると早く最後が知りたい、、!と一気に読んでしまいました。

恩田さん作品は初めてでしたが、なんて焦らすのが上手い作家さんなんだと、そして最後まで全然結末を予想させてくれないじゃないかと、少し悔しい気持ちです。

人間の醜い感情を的確な言葉で表現するから、ぞっとなる場面が沢山ありました。
でも、自分にもこんなドロドロした醜い感情が絶対にあるし、気付かないうちに誰もがそれに蓋をして日常を送っているんだなあと、本当にそう思いました。

こういう、淡々としているようで、読み終わった後に尾を引くおはなし、好きだなあ。
ゾクっとがまた癖になる...。

恩田さん作品、もっと読んでみたいです。


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