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NHKスペシャル『山口一郎"うつ"と生きる』


いきなりですが、昨日は12時間も寝ました。
疲れていたのかなぁ...。笑


今日、義実家で、録画されていた、NHKスペシャル『山口一郎"うつ"と生きる』を観ました。

お義母さんは、いつも私に私の好みそうな(今回でいうと親和性の高い)コンテンツをおすすめしてくれます。


私は割とサカナクションを聴く方ですし、山口一郎さんがうつになったことも知っていたのですが、自分の中でフォーカスしたことは無く。

このドキュメンタリーを観て、色々と響く言葉があったので、書き留めておきたいと思います。
ささやかながら私の経験談を添えて。


【うつの症状】
私も、数年前から、うつの症状がある精神疾患を患っています。今はフルタイムで働けていますが、一時期はたくさんお休みをしました。その頃の自分の症状と、山口さんの症状は、やっぱりすごく近かったです。強いだるさで何も出来ない。朝起き上がれない。頑張った後に来る強力なリバウンド。何も好きになれない。興味が湧かない。すごくよく分かります。「普通のことが出来ない」無力さ。悔しさ。やるせなさ。


【うつになること】
山口さんは、「うつは誰にでもある」と表現されていました。その上で、自分のキャパシティを超え、"決壊"する感じ、だと。
私も同じ感覚で、私がうつ(を含む精神疾患)になった時、会社で、ふいにキーボードを打つ手が動きませんでした。涙が止まらなくて、そして翌日から会社に行けなくなってしまいました。
それまでは、自分のことを、騙し騙し、まだやれる、まだやれると、踏ん張ってきた。そのダムが"決壊"する感じが、確かにありました。
私は、人は全員が「うつになる可能性がある」と思いますし、それは急に、キャパシティを超えてやってくるのだと思います。
(人によっては、自分のキャパシティを把握していて、バランスをとりながら生活が出来ていると思うのですが、私は全くそこが下手くそでした)


【「昔の自分」への執着】
私が、このドキュメンタリー内で一番響いた言葉。それは、「昔の自分に戻るんじゃなくて、新しい自分になる。"うつ"と付き合っていく」というもの。
私が、うつ(を含む精神疾患)になった時、回復するまで、「昔の自分」に戻りたいともがいていました。でも、戻れそうにない。どうしたって戻れない。それが、悔しかったです。
一度病気になってしまえば、それはもう過去の自分ではないのです。完治するのが難しい病気です。それが現実でした。
その中で、「新しい自分」という概念は目に鱗でした。そうか、新しい自分になればいいのか、それが、昔の自分より良ければ良いじゃないか、と思いました。


【ライフスタイルの変化】
山口さんは43歳、独身だそうですね。初めて知りました。彼は、バンドメンバーとの溝も抱えていた。43歳になると、バンドメンバーの中にも家庭を持ち、子育てをしながら音楽をする人も出てくる。そんな中で、朝から晩まで音楽をする山口さんとのギャップは避けられない。その苦しみや孤独についても話されていました。
私もアラサーなので、周りとライフスタイルの差が目立つようになってきました。学生時代の友人との価値観のズレ、自分の将来を強く意識する年齢です。
その中で生じる一種の孤独感に共感しました。


【活動休止】
山口さんは、2年間、サカナクションとしての活動を休止されていたそうです。その中で、「世の中から離れることの恐怖」「圧倒的な孤独と不安」を訴えていました。
私も、計1年3ヶ月ほど休職をしました。その時、ものすごく世の中(社会)から離れた感覚がありました。それがとてもつらかったのを覚えています。どんな内容でもいいから働きたい、と思っていました。
それだけ、人というのは社会との繋がりが大切なのだと思います。


【うつを支える周りの人】
ドキュメンタリーでは、山口さんを取り巻く周辺の人々の言葉も存在します。
山口さんがうつになった時の周りの言葉で、「(山口さんの)本当の弱い部分が出てしまっている」「緊張の糸が切れた感じ」は、すごく本音というか、そうなのだろうなと思います。
私も、うつ(を含む精神疾患)になる前後で、自分の弱さがダダ漏れていたと記憶しています。誰に対しても(関係性の希薄な人にさえ)、感情が溢れかえって、止まらなくて、何でも気にせず言ってしまっていました。我慢が出来なかったと思います。誰かに弱さを受け入れてもらいたくて、必死でした。

山口さんがうつになってから、小樽(ご出身なんですね。これも知らなかった)の頃のバンドメンバーが、ずっとそばにいてくれたそうです。何をするでもなく。
私がうつ(を含む精神疾患)になった時も、ずっとそばにいてくれた人がいました。私はそういう人に恵まれていました。だから、回復出来ました。絶対に周りの人のおかげです。断言出来ます。
これまで生きてきた中で、傲慢で高飛車だった私ですが、病気を通して人への感謝を覚えました。

うつは、うつになった自分自身はもちろん苦しいですが、周りの人も苦しい病気です。
特に、私の母が顕著でした。付き合っていく中で、私に余裕が無く、彼女へ多くの心ない言葉をかけ、傷付けました。その度に喧嘩をしました。これまで、親子喧嘩などしたことも無かったのにです。一時期は、母から、「もう縁を切りたい。こちらまでうつになる」とすら言われました。それでも、最後には受け入れてくれました。受け入れてくれましたし、母自身も変わろうとしてくれました。

当時の彼氏も、親友も、みんなが、私が「死にたい」と嘆いたことをただ受け入れてくれました。
金銭的に援助してくれる親戚もいました。
私はものすごく恵まれていました。

ここに書いても仕方がないのですが、あの時大切にしてくれた人のことは、一生大切にしたいです。

ちなみに、山口さんは、最後に、バンドメンバーに「申し訳ない」というのですが、これについては難しいなと思うことがあります。

というのも、うつになる原因はとても複合的なものです。育ちから当時の環境まで全て含めてキャパシティを超えるので、一概には言えません。原因は周りの人にもあるわけです。

私も、先ほど周りとの関係性について書きましたが、では、例えば、母が私のうつに影響していないか?と言われたら答えはNOです。




さて。


元彼が、サカナクションが好きでした。
彼は小樽の人だったので、そういうことかぁ〜。
「夜の踊り子」を聴くと彼を思い出します。


終わり

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