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読書感想文『ライオンのおやつ』

インスタに趣味露呈アカウントと称して読書記録をつけ始めました。いつまで続くんでしょうか。楽しい限り続けます。

自分の言葉を残すって、日々の成長を感じられていいですよね。赤子の記録みたいなもんです。全く変わりない言葉たちもありますが。

よかったら調べてみてください。@okomekirakira

なんでこんな名前にしたんだろ。

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#読書記録

『ライオンのおやつ』小川糸

《雑記》
『とわの庭』に流れる空気が良くて、もう少し味わいたくておかわりのもう一冊。
母の好きな本は表紙がかわいい系多いな〜と思って聞いてみたら、絵本が好きなんだそう。昔は絵本を書く人になりたかったらしく、今でもだからこういう表紙が絵本っぽいの惹かれるんだと言っていた。こういう話を聞けたのは少し喜び。

所々、とわの庭に出てきた表現があってにっこりした。星が空に増えていくのとか、私には分からないけれど、きっと美しい景色に間違いない。素敵な空をわけてもらった。
私も空が好き。「ロゼワインの色」と表現していたのは本当によかった。私の地元ではまだそのロゼワインを見れていない、と思ったけれど、もしかしたらそれは私がサーモンピンクと名付けていたものかもしれない。今日の夕日に期待🥂

この人の本は、一行目から好きだ。前もそうだったけれど、今回も図らずしも一ページ目から背筋の伸びる素敵な文章で、温もりというか誠実というか、こんな丁寧な入りをされたら、私も真剣に読まざるを得ない。丁寧にページをめくり時間を過ごすことは、この上ない喜び。この人からいただいた幸せなのかもしれない。

この主人公の女の人は、私と違いながら少し似ているのかもしれないと思う。親近感というか、なんだか嫌悪感もちょっとありながら読んだ。いい人だな、とは思わずに、淡々と半ば感情を押し殺して読んでいたと思う。
後悔していたのかもしれない、私は人生に。というか、疑問なのか?自分もこうだろ、と迷いながら読んだ。言語にならない嫌悪感と、
「しーちゃんの優しさに、お父さん、ものすごく救われたんだ。お父さんにとっては、生きている意味そのものだったから。でも、その優しさに甘えていたのも事実だったんだ」
「本当にいい子だったよ。ずっとずっと、大人になっても、いい子のまんまだったんだと思う。思いやりがあって、相手のことをいっつも大事にして、わがままも言わなくて。でも、いい子過ぎて、実は本人は我慢したり、してたのかもしれないなぁ、って思うよ。とにかく、人の悪口を言ったり、意地悪したり、いじけたり、すれたところが全くなくてね。一緒にいると、本当に天使といるような気持ちになったよ」
という言葉に救われる私がいた。

「誰もが、自分で蒔いた種を育て、刈り取って、収穫します。」

蒔いたものって、自分では気づかないくらい一生懸命で、没頭したもの。
蒔いたもので人生は決まる、最初がどうであろうと、裕福な家庭だろうと貧乏な家庭だろうと、そうだと思っている。思いたい。

報われるために生きてない。与えられるために生きていない。
愛する時間が長いほど、私は幸せだと思う。その心を失わなければ空はずっと綺麗だし、周りは幸せになると思う。

私が幸せなことと周りが幸せなことは、生と死が同じ扉をどっち側から開けるかの違いなように、きっと大きな意味では同じなのだろう。マドンナの言葉を借りると。


気づかないくらい些細なものと、大事に想って誰かが植えたものとで世界は成り立っている。幸せな星だ。
大抵の人は気づかないが、"傲慢だ"と途中で言っていたそれに近いと思う。

RED chairの企画で(話は逸れるが(笑))、劇団ひとりさんとムロツヨシさんの対談があった、プライベートの目標。
「自分のためだけに頑張ることの限界ははっきり見えてきたので、自分の夢・目的だけで棺桶に持っていくものはもちろんそれであって、さらにそれを作るためにも必要なものは「僕を支えてくれる誰か」かもしれないし、「誰かを支えることで出て来る自分の何か」かもしれないし」
そのムロツヨシさんの言葉に、劇団ひとりさんは「それはあんまないんです」と返した。ハッとした。傲慢だなと思った、「下心だ」と彼は言った。「俺にはないです。俺にパワーをくれ!未来の家庭や子どもたちよ、でしょ?むしろ時間は減るし、自分の原動力になるとしたら仕事場の仲間の方が圧倒的になります。子どもはめちゃめちゃかわいいですよ、幸せ。」
そうだなと思った。甘えたいその瞬間に、私は崩れる。大事なものが崩れる。続けることがどうなるのかは分からないけど、私は私で、与えることを続けていきたい。それで、よくやったって死にたい。そのためだけに時間はあると思う。甘えるのはまだ早い。そうやって生きていく。

「本当にお疲れ様でした。ゆっくり、休んでください」

そう言って羽ばたくのが、悔いの全くない人生だろう。酸いも甘いもは、勝手にやってくる。


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