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日本人と切り離せない陰陽五行とは

みなさん、陰陽五行思想(いんようごぎょうしそう)という言葉を聞いたことはありますか?

陰陽五行思想 実は私たちの生活にめっちゃ入り込んでいます

今回は陰陽五行思想とはどんなものなのかを紹介していきます


陰陽五行思想というのは2つの考え方がコラボしているものです

それは【陰陽思想】【五行思想】の2つです

私たちの生活や今の人気アニメにもかかわってきているのですごく楽しいですよ!

【陰陽思想】

陰陽思想というのは、森羅万象ありとあらゆるものを陰と陽にわけて考えちゃえ!!というものです。

そして、この対立する二つの気のバランスによって万物の変化が起こされるという

古代中国の思想

人間陰陽でわけるとすると陰キャ、陽キャとかそういったものでしょうか。

陰陽説の世界では、神様がいるよりもはるか昔

世界は混沌としていた状態だと考えられていました

そんな混沌とした世界の中にあった澄み切った明るく白い気、これが陽です

この気が上昇して天となりました。

一方で濁った暗く、黒い気、これが陰ですね

この気が下降して地となりました。

この考え方、720年に作られた日本書紀にも反映されています

日本書紀の冒頭にも同じようなことが書かれているので、かなり古い思想であるということは間違いありませんね

さて、この陰と陽は2つのものに分類できると言いました。具体的にどのように分類されていくのでしょうか

考え方は能動的な性質か受動的な性質かにわけられます

能動的な性質 陽

陽、光、明るい、昼、動物、夏、男、奇数、火

受動的な性質 陰

陰、闇、暗、柔らかい、水、冬、夜、植物、女、偶数

陰が悪くて陽がいいというイメージを持たれがちですがそんなことはありません。

今例えたものでも、一方がなければもう一方も存在することがないということがわかったと思います。

つまり、陽が善で陰が悪というわけではないんです。

陰が悪なら、地面に根差して生きてる私たち全員悪!!悪者!!
そんなことありませんよね?女性が全員悪いですか?

これは、あくまでもこの世のすべてを構成する要素に過ぎないですからね。全てはバランス。陰と陽には5つのバランスがあります


ここで陰陽の関係についてご紹介

①陰陽互根(いんようごこん)

陰があれば陽がある。
お互いが存在することで自分自身が成り立つという考え方です
どちらか一方では成り立たないですね

陰陽では太極図というものが使われますが、まさしくこの太極図のことではないでしょうか

②陰陽制約
陰と陽がお互いにバランスをとるように存在している
お互いに依存し合いながらも、お互いが過剰にならないように
抑制しあっているということ

白い陽の中にも少しの陰がある
黒い陰の中にも少しの陽がある

お互いにバランスをとりあっているように見えますね

③陰陽消長

陰と陽の量やリズムの変化のことです
陽が少なくなれば陰が増える。陽が増えれば陰が減る
どちらかのエネルギーが強くなれば反対側のエネルギーは弱くなると考えられます

④陰陽転化

陰が陽に変化していくことですね
例えば季節。夏至や冬至は陰陽転化の象徴ですね

夏至は夏である陽から陰である冬へ
冬至は陰の冬から陽の夏へと転換していきますね

それに対して春分や秋分は陰陽のバランスが1:1の陰陽制約というイメージですね

最後に5つ目。陰陽可分
陰陽の中でもさらに陰陽にわけられて…みたいな無限ループみたいなこともあります
ここまでくるとだいぶ沼にはまって抜けなくなりますね。

先ほどの繰り返しになってしまいますが、
陰と陽って善と悪ではないですからね。
ここは勘違いしないでほしいなと思います

この2つが常にそろっていることが何よりも重要であり、世界を構成する一つの要素になっています
光があれば闇がありますね?
この光って闇がないと存在に気づきませんよね

一方で闇という存在も光がないと気づかない
お互いが必要なんです

陰と陽はもともと天候と関係する言葉でした
陽は日差しや日向、陰は曇りや日陰という意味で、

中国最古の書物、詩経にも出てきます
後の書物では、季節に関わる気候として扱われ

四季の気を統括する概念へ形を変えて、現在の万物の変化やバランスを表す概念になりました

古代中国の書物 易経にも陰陽は使われています
易経は占いとしても非常に有名です。

占いと言っても私の人生の占い♡などと軽いものではなく、国家安泰のために使われていました

聞いたことがある人もいるのではないでしょうか

八卦、六十四赴にも陰陽思想が使われています
東洋における思想の代表格なんです。

そして代表格のもうひとつ!それが五行思想です

五行説も古代中国からくる考え方です
この世の全てのものは 木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)の5つの元素から成り立っているという思想です

この5つの元素は互いに影響を与えあい、バランスによって万物が変化して循環していくという考えがあります
この元素を5つとしたのは、当時中国では5つの惑星が観測されていたためだと言われています

では、その5つどんなもんやということですよね


1つ目は木(もく)
「春」の象徴で樹木の成長・発育する様子を表します

2つ目に火(か)
「夏」の象徴で火のような灼熱の性質を表します

3つ目に土(ど)
季節の変わり目、「土用」の象徴です
万物を育成・保護する性質を表します

4つ目に金(ごん)
「秋」の象徴で金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表します。

最後5つ目に水(すい)「冬」の象徴です
命の泉と考えられ、胎内と霊性を兼ね備える性質を表します。

気づきましたか?四季の変化は5行の動きで変わってくると考えられているんです
現代でも使われていますよね
さらに五行は色や方角、暦ありとあらゆるものにあてがわれています

全てのものが5つの属性を持っていると言われています。
そして五行には5つの性質があります

相上(そうじょう)、相剋(そうこく)、比和(ひわ)、相侮(そうぶ)、相乗(そうじょう)

1つ目は相上
順番に生み出していく関係性です
木は燃えて火を生み、燃えた後には灰が残り、土へと還える
土を掘ることにより、金属を得る。金属の表面には気体が液体となった水が生じる
そして、木は水によって大きくなってゆく

それぞれ別の性質をもっているものが循環し世界が作られていくという考え方です
いいサイクルですね。

2つ目は相剋(そうこく)
相上と反対の性質をもちます
木は養分を吸い取って土を弱らせる
火は金属を溶かす
土は水を濁し、水をせき止める
火は金を溶かす
金は金属で木を傷つける
水は火消し止める
少しややこしくなったかもしれませんが、ポケモンバトルの相性を考えたらわかりやすいですね

3つ目は比和(ひわ)
同じ気が重なるとその気はますます盛んになるということです
その気がいい場合はますますよくなるけど、一方で悪い場合はどんどん悪くなってしまいます

木と木火と火
比和という文字から平和、中間地点というイメージをとられがちですが、そんなことはありません。
わりと吉凶激しめ、メンヘラちっくな相性なんです

4つ目 相侮(そうぶ)
2つ目の相剋と反対する関係です
弱いものが強くなり、強いものを抑制してしまいます
木が弱すぎて土をけん制できずに負けてしまう
火が弱くて金属を溶かせない
水が弱すぎて火が消せない
火が強すぎて、水がまけてしまう
1つの元素が強すぎたり弱すぎたりして本来勝てるはずのものに負けてしまうということです

圧倒的なレベルの差があって、火ポケモンが水ポケモンに勝ってしまうというイメージですね

そして、最後5つ目 相乗(そうじょう)
2つ目の相剋が行き過ぎて過剰になっているということです
相剋は相手を弱らせますが、防御しすぎ!!みたいな状態です

火が強すぎて金を完全に溶かしてしまう
水が強すぎて完全鎮火みたいな状況です

五行説は中国の王朝にも使われてきました

王朝が滅び新しい王朝が立ち上がるときに五行が関係しているからだぁぁ!と考えられた時代もありました。

そんな陰陽説と五行説が見事コラボ、融合したのが陰陽五行思想です

元々別だった思想が融合したらどうなるか!一言でいうと、複雑になります(笑)
そして、複雑になるからこそ複雑なことの説明ができるんですね

成り立ちは、五行の木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)

にそれぞれ、陰陽をつけます。

甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸 です 


こう、おつ、へい、てい、ぼ、き、こう、しん、じん、き、と読みます

ところがどっこい、これを訓読みに変えたら
きのえ(甲)、きのと(乙)、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと

と読めちゃいます!
陰陽は語尾の【え】が陽、【と】が陰です

そうなると きのえ は木の陽 という意味で
きのと は 木の陰 ということがわかりますね
なんか意味がわかったら急に理解できちゃいますね、これ!!

日本にある、ね、うし、とら、う、たつ…の干支の呼び方の由来はここからなんですね
もちろん、干支も五行と陰陽が配置されています
季節にも五行があります
春が木(もく)、夏は火(か)、秋は金(ごん)、冬は水(すい)
土(ど)は四季のそれぞれの最後です

うなぎを食べるので有名な土用丑の日もこの五行を使って表現されています

陰陽五行思想には暦もあります
二十四節気も陰陽五行思想から考えられたものです

陰陽五行思想は現在にも引き継がれていますよね
四柱推命、風水は占いと捉えられますが、陰陽五行思想の実践です
しっかりとした学問なんですよ

また、医療分野では漢方や鍼灸にも使われています
以上が陰陽五行思想、中国の考え方が最強タッグを組んだものですが
さらにパワーアップさせたものが日本にあります

それが陰陽道です

陰陽道は陰陽五行思想を基にして、さらにアレンジを加えていきます
そこにプラスアルファされるのが、天文学と暦の知識です
さらには神道や仏教、道教など様々な影響を受けて発展しました
平安京の街は陰陽道で護られていると言っても過言ではありません
陰陽道は技術を指すものなので思想や宗教ではありません
道ですからね、考え方からして非常に日本らしいですね


安倍晴明

加茂忠行や安倍晴明が陰陽師として非常に有名です
みんな大好きなのではないでしょうか
式神を使い、様々な呪術を使って敵と戦ってきたというイメージをお持ちの方も多いでしょう

しかし、かつての日本では国家公務員の扱いを受けていた立派な職業です
貴族や武士のブレーンとして活動していました
エリート中のエリートが集まる集団でした
安倍晴明も陰陽師と一言で言っても国家公務員です
その中のトップの天文博士でしたからね
天文道は陰陽道の中でも最も難しいと言われていました
そこの博士とはつまり天才ということでしょう
安倍晴明と時代は変わりますが、江戸の街も陰陽道が活用されています

陰陽五行思想と陰陽道が別物であるということは神様にも関係してきます
中国の思想では、神様の話は出ていませんでしたが、
陰陽道は神様がたくさん出てきます
神道や仏教の影響がここに出てきますね
代表的なのが泰山府君(たいざんふくん)という神様です

人間の寿命を決める神様であり、陰陽道の主祭神です

他にも祇園祭でも有名な八坂神社にいる牛頭天王は方位神
星神には、大将軍神
これらは現在は素戔嗚尊と習合しています
陰陽道は方角にそれぞれ神様がいると考えられています
その方位にいる神様の吉凶によって判断することも多いそうです
まさしく日本独自の世界観ではないでしょうか

古代中国発祥の陰陽五行思想を理解したら、哲学的な考え方だけでなく、
私たちの生活に根付いている文化もより身近になったのではないでしょうか

日本の漫画やアニメにも陰陽が使われていたりするので
そういうのを探してみても楽しいかもしれませんね

今回は、陰陽五行説、陰陽道についてお話しました
最後まで読んでいただだきありがとうございました。

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