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ディグ・モードvol.49「キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)」
キコ コスタディノフ(KIKO KOSTADINOV)は、2016年にブルガリア出身デザイナー、キコ・コスタディノフ(Kiko Kostadinov)が設立した英国拠点のファッション ブランド。彼は自身を「プロダクト ガイ」と表現し、シルエットとカッティングにこだわって制作している。2018年にウィメンズウェアのラインを立ち上げたことをきっかけに、事業はさらに飛躍している。
ITからファッションの道に進む
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キコはブルガリアのプロブディフ郊外にある小さな町で生まれた。16歳のとき、両親と一緒にロンドン南東部のフォレスト ヒルに引っ越して、地元の高等専門学校でITの初級レベルの資格を取得。その後、ロンドンのセントラル セント マーチンズ(Central Saint Martins以下、CSM)に入学した。
CSMでファッション デザインとマーケティングの学士号と、ファッション(メンズウェア)の修士号を取得した後、2016年に自身のブランドを設立。学部生のとき、スタイリストのステファン・マン(Stephen Mann)のアシスタントとして働き、撮影用にステューシー(STÜSSY)のトップスを再構築したカスタム コレクションを作成した。
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そのコレクションは、1980年代に設立されたInternational Stüssy Tribeのオリジナル メンバーであるミカエル・コペルマン(Michael Kopelman)によって注目された。その後、ミカエルはキコは、ステファンとデザイナーのタロウ・レイ(TARO RAY)と共に、ワークウェア レーベルのアフィックス(AFFIX)を共同で設立した。
キコは仕事の都合でレーベルから退いているが、彼とミカエルの親交は続いており、互いのスタジオは徒歩5分のところにある。「私たちは定期的に卓球をしています」とミカエルは『Fantastic Man』で語っている。
プロダクト ガイが作る服
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キコは自身をニッチなデザイナーだとは考えておらず、ニッチなデザイナーになるつもりもない。彼は基本的に自身を「プロダクト ガイ」と表現している。つまり、彼が実際に作っているのは服であり、それはファッション ショーのファンタジーから切り離されても、よくできていて、見栄えがよく、魅力的であることを意味する。
彼の全体的なアプローチは、パンツの作り方に最もよく表れている。キコのトラウザーは、構造やシルエットの実験を通して、彼が継続的にルールを書き直しているかのように、毎シーズン製作されている。明確なスタイルはないが、アイテムを見れば直感的にキコ コスタディノフだと分かる。
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ブランドを設立した直後は、英国の縫製工場で短い間製造していたが、現在はすべてのコレクションをブルガリアで製造しており、職人の手工芸と縫製工場を採用している。そのつながりを確立するうえで、重要な役割を果たしてきたのは彼の母親だ。かつて清掃員として働いていた彼女は、キコのアトリエで物流作業を手伝っている。
ウィメンズウェア ラインで飛躍
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2018年1月、2018年秋冬のメンズウェア ショーで、キコはウィメンズウェアのカプセル コレクションを発表した。ブランド設立からわずか1年半のタイミングだ。彼はそれが嫌いで、売りたいとは思っていなかった。そこで、独立したウィメンズウェア ラインを立ち上げることにした。
デザインはキコが自分でするのではなく、CSMで学んだメルボルン出身の双子の姉妹であるローラ(Laura)とディアナ・ファニング(Deanna Fanning)が担当。ディアナはキコのパートナーでもあり、彼らは学生時代、キム・ジョーンズ(Kim Jones)による特別ゲスト講義で隣同士に座ったときに初めて出会った。
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ウィメンズウェア ラインは、メンズウェアとは完全に異なるものの、共通の感性とテイストを通じて精神的な繋がりが感じられ、商業的でヒットしている。ふたつのラインは別々のチームを持ち、独立して作業しているが、同じアトリエを共有しており、正式なコラボレーションというよりも、近接性を通じて相互に影響を与えているのだ。
ウィメンズウェア ラインを確立したことで、ブランドが広く知られるようになるターニングポイントになり、事業は大きく飛躍した。彼は、米国のドーバー ストリート マーケットで初公開して以来、事業規模は2倍になったと『VOGUE』のインタビューで語っている。
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キコは、システムがどのように機能するかについて、いつも興味を抱く。「ディオール(DIOR)のように、メンズとウィメンズで異なるクリエイティブディレクターで運営する大きなメゾンがたくさんあります。なぜ小さくて若いブランドの私が、同じことをすることができないのですか」と『Fantastic Man』で語っている。
この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。
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