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ディグ・モードvol.57「マリアーノ(MAGLIANO)」

マリアーノ(MAGLIANO)は、2016年にルカ・マリアーノ(Luca Magliano)が設立したボローニャを拠点とするメンズウェア ブランド。ワードローブの基本に手を加えて、理想的な男らしさのステレオタイプをワイルドに皮肉ることがブランドの本質。デザイナーがブランドで達成したい夢のひとつは、デザインと生産をより高度な方向に実験することだ。


タオルは人魚の尻尾かもしれない!

(Photography by Pavel Golik)

イタリアのボローニャで生まれ育ったルカが子どもの頃によくしていた遊びは布遊びだ。「タオルは人魚の尻尾かもしれない」と思っていた彼は、布遊びを通して初めてファッションを感じた。その後、ボローニャのLibera Università delle Artiに進学し、ファッションを学んだ。

彼がファッション デザイナーになったきっかけは、メンターであるバーバラ・ネロッツィ(Barbara Nerozzi)の存在が大きい。ルカは彼女からファッションを知的なものとして教わり、ファッション デザイナーになるという考えに夢中になった。

他のデザイナーの下で働いた後、仕事を見つけることができなかったルカは、自分で仕事を作るというアイデアに賭けて自身のブランドを設立。イタリアのフィレンツェで開催されるメンズ世界最大のプレタポルテ見本市ピッティ・ウォモ(Pitti Uomo)が開催したコンテストで優勝した後、ミラノでショーをおこない始めた。

男らしさのステレオタイプを皮肉る服作り

2020年春夏コレクション バックステージ(Photography by Xinyi Zheng)

ブランドの本質は、クラシックなワードローブの基本に手を加えて、理想的な男らしさのステレオタイプをワイルドに皮肉ることにある。常にブランドの中心にあるものはイタリアの労働者のアーキタイプであり、デザイナーは作品を通して自身の生い立ちについて語りたいと考えている。

「もちろん、80年代や90年代の伝統的なイタリアのメンズウェアを多く参考にしていますが、私たちの真髄はプロビンシア・イタリアーナ(provincia italiana)のマジックリアリズムにあります。それは文字通りイタリアの州のことですが、ロマンチックで非常に特徴的な意味合いがあります」とルカは『VanityTeen』で語っている。

デザインと生産をより高度に実験していきたい

ルカ・マリアーノ(Photography by Pavel Golik)

ルカがマリアーノで達成したい夢のひとつは、デザインと生産をより高度な方向に実験することだ。「オーダーメイドとビスポークに関するアイデアは私をワクワクさせます。つまり、メンズのクチュールです。感情が極限に高まります」とデザイナーは『Metal Magazine』のインタビューで語っている。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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