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ディグ・モードvol.9「チョポヴァ ロウェナ(CHOPOVA LOWENA)」

チョポヴァ ロウェナ(CHOPOVA LOWENA)は、エマ・チョポヴァ(Emma Chopova)とローラ・ロウェナ(Laura Lowena)が立ち上げた、ファッション レーベル。代表的なアイテムは、ブルガリアのヴィンテージ テキスタイルを登山用カラビナでレザーベルトに付けたプリーツ スカート。彼らは持続可能性を核として、ずっと大切なものとなる服づくりをおこなっている。


卒業コレクションのスカートがベストセラーに

2023年春夏コレクション(Courtesy of CHOPOVA LOWENA)

米国でブルガリア人の両親のもとに生まれたチョポヴァと、イギリス出身のロウェナは、セントラル セント マーチンズの学士課程で出会い、すぐに意気投合。修士課程に入るまでに、自分たちの名前を融合させたファッション レーベル、チョポヴァ ロウェナを設立した。

2017年の卒業コレクションでは、ブルガリアの民族衣装と80年代のロック クライミングのディテールを融合させた、色鮮やかなカスケード プリーツ スカートを製作。チョポヴァのルーツでもあるブルガリアのテキスタイルとロウェナのクライミング愛のミックスについて、「作品にハッキリとした視覚的な二重性を作りたかったのです」と英国版『VOGUE』で語っている。

チョポヴァ ロウェナのスカートを着用したデュア・リパ(Instagram / @dualipa)

ハリー・スタイルズやデュア・リパ、チャーリー XCXなどのセレブリティに着用されるカルト アイテムとなった彼らのスカートは、ドーバー ストリート マーケットやマッチズ ファッション、エッセンスなど世界中の店舗で販売されている。

「当初、セールスに関するフィードバックの多くは、『スカートは売れない、うまくいかない』というものでした。それが成功して、とてもうれしいです」とチョポヴァは『AnOther』で語っている。

本当に愛しているものは、決して捨てない

2023年春夏コレクション(Courtesy of CHOPOVA LOWENA)

チョポヴァ ロウェナの核心にあるものは、サステナビリティだ。彼らは服づくりでデッドストックやヴィンテージの生地を使用し、それらはチョポヴァの母がブルガリアで調達している。エプロンや毛布などの伝統的なテキスタイルのデッドストックは、ブルガリアにあるチョポヴァ ロウェナ専用工場でアップサイクルされている。

「自分が購入するものについて人々が本当に理解しているなら、彼らが購入したものと深い感情的なつながりを持ってくれることを願っています」と『VOGUE』でチョポヴァは語っている。これについて、「本当に愛しているものは誰かに譲り、決して捨てることはありません」とロウェナも同意している。

ずっと大切なものとなる服づくり

エマ・チョポヴァとローラ・ロウェナ(Courtesy of Chopova Lowena)

チョポヴァとロウェナが関心を寄せていることのひとつは、ブルガリアの職人技を守ることだ。時間やコストの削減よりも、クラフトマンシップが長生きすることが、ブランドの哲学である。彼らはクラフトを通して豊かになり、購入した人にとって末永く大切なものとなる服作りをしたいと考えている。

「ただの使い捨ての服は作りたくありません」と『Harper's BAZAAR』で語るロウェナ。ずっと持っていたいものを通じて幸せを届けるという感性とデザインの特徴を兼ね備えたチョポヴァ ロウェナは、今後も注目に値するブランドだ。

この記事は、フリーランスで翻訳や海外アパレルブランドの日本向けPRをしている𝐡𝐢𝐫𝐨𝐤𝐨が、自身のファッション業界に対する見識を広める目的で書いたものです。

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