ディグ・モードvol.61「クイラ(QUIRA)」
クイラ(QUIRA)は、2021年に2 MONCLER 1952のウィメンズウェア ラインのデザイナーを務めるヴェロニカ・レオーニ(Veronica Leoni)が設立した、イタリア拠点のブランド。お針子である祖母のクイリナ(Quirina)にちなんで名付けられたレーベルは、芸術的な大胆さや遊び心のあるスタイルを特徴とし、女性をエンパワメントする作品を生み出している。
ローマで文学を学び、ロンドンで自己内省
子どもの頃からファッションに興味を持っていたヴェロニカは、常にデザイナーになりたいと思っていて、それ以外のことをするなんて想像もしていなかった。ファッションの世界に足を踏み入れる前、さまざまなことをインプットして自分の人生を豊かにするという目標ができたため、彼女はローマで文学を学んだ後、ロンドンに移った。
カルチャーのるつぼであるロンドンでの生活は、彼女にとって自分の考えや言動を見つめ直すきっかけとなり、ヴェロニカは周りに溢れる純粋なエネルギーを可能な限り吸収した。
2 MONCLER 1952のウィメンズウェア ラインのヘッドデザイナーを務める前、ヴェロニカはジル サンダー(JIL SANDER)、フィービー・ファイロ(Phoebe Philo)時代のセリーヌ(CELINE)で経験を培った。そこで彼女が学んだことは、女性であることをあきらめることなく、ブランドでリーダー、クリエイティブ ディレクターとして成功を収める方法だ。
「トップに立ち、女性として行動することには、ある種の芸術とエレガンスがあります。これはジルとフィービーの両者にとって不可欠であり、デザイン、スタイル、そして周りに集まった女性のコミュニティに完全に反映されていました。彼女たちの哲学に積極的に貢献したことを、私は光栄に思いました」とヴェロニカは『PUSS PUSS Magazine』で語っている。
男女平等を前進させるためのプラットフォーム
デザイナーはキャリアを通じて、自身が関心の深い社会的要因を前進させるためのプラットフォームとして作品を使用してきた。それは男女平等についてであり、彼女にとって全員が関与していると感じるべき戦いである。
「それはファッションではなく、文化の問題です。ただ見ているだけではいけません。30代の女性として、可能な限り変化を促進する責任を感じています」と彼女はオーストラリア版『The New York Times Style Magazine』で語っている。
彼女が自身の新しいブランドであるクイラを設立したことは、システム的に自分自身を肯定する方法だった。「スペースを作り、私とチームが行動し、私たち自身のルール、本能的な方法でファッションを実践し、志を同じくする仲間に手を差し伸べられることが非常に重要でした」とデザイナーは『ELLE』のインタビューで語っている。
女性のエンパワーメントが哲学の核心
ヴェロニカは、自身の作品を着用する女性たちにユニークであると感じてもらいたいと願っている。デザイナーは彼女たちを映画の登場人物に例えた場合、ニキータ(Nikita)、ジェーン・エア(Jane Eyre)、ビアトリクス・キドー(Beatrix Kiddo)、マチルダ(Mathilda)、ジョー・マーチ(Joe March)のようなマイペースなアンチヒロインの名前を挙げている。
女性のエンパワーメントは、ヴェロニカの哲学の核心にある。過去と現在において、彼女はあらゆる女性から影響を受けてきて、なかでも彼女が出会ったなかで最も象徴的で強い女性は自身の祖母と母だとデザイナーは説明している。ヴェロニカは女性たちから受け取ったパワーを自身の作品に反映させ、男女平等や機会均等の社会的問題に刺激を与え続けている。
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