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サヨナラを #18

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新潮文庫「マイブック-2023年の記録-」に一月から日記を書き続けている。これは文庫本でページには月日のみで他は白紙、自分で一冊の本を一年かけて作り上げる。誰に見せるものでは無い。自分に向き合うための本。

三月三十一日の左隣のページには四月の文字。それがついに私の学生生活最終日だということを示している。実感が湧いてくるとはこういうことを言うのか。

週明けからは社会人として毎日会社へ通う新しい人生がスタートする。もうこの学生生活には戻って来れない。片道切符しか持っていない。分かっていたけれど、理解していたつもりだったんだけれど、いざ目の前にすると寂しいと同時に不安に襲われる。

もう学割は使えない。今までどれほど学生であるというステータスに守られてきたことか。学生だから大目に見てくれてたこと絶対あるよなぁ。大人が学生を羨んで、あの頃は・・・と語っていたのを聞いた。そのくらいキラキラした時間がもう終わってしまうのだ!あと数時間で。

決して優等生とは言えなかったし、友達が多くもない、眩しい可愛いカフェに行くことはなかったし、授業もギリギリまで休んでジャージ姿で行くこともしばしば、いい後輩でいれたともいえないし、良い先輩にもなれなかった。

それでも彼氏と飼い猫と過ごす時間は居心地が良かったし、沢山の本を読んで大事な作品にも出逢えた、一日の終わりにあてもなく散歩する時間は小さな幸せだった、いつも呑んでいた同期は優しく面白いし、ひとりで海外にも行けた、尊敬できる気の合う友達にもひとり出会えて、ひたすらボーッと過ごす時間も大切だった。

これから頑張ろうも大切だけど、今までの学生生活の思い出達にちゃんとサヨナラを言える一日に。

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