◯ 葉々

文を残していきたい2023 kpopおたくです

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最近の記事

3.11

何も恨まない 命、財産、思い出、未来 この全てを奪ったこと 何も恨まない 何も恨まない やり場のないこの気持ち なまりのように重たい土産を 置いて行ったこと 何も恨まない 喉まで込み上げてきては みぞおちで熱く鎮静される言葉 何度飲み込んできただだろう あの夜の冷たく澄んだ空気 吸い込んでも吸い込んでも 生きている実感が沸かなかった どこを生きているのか どこに向かって生きていくのか 分からなくなった夜 何も恨めない どうか、ひと息つかせてくださ

    • 木の葉が揺れる

      実家の周りにはいろんな木があった。 桜の木、杉の木、銀杏の木、 梅の木、桃の木、豆柿の木。 名前の知らない木もあった。 春になると花が咲き、 花が散ると若葉が風に揺れた。 さらさら さらさら 葉と葉が重なる音が好きだった。 それは、 昼寝をしているとき わたしの頭を指先で撫でる 母親の手を思い出させる。 子どもの癖のない柔らかな髪が さらさらと指の間を抜けていく。 頭の丸みに沿って 優しく触れる指先の感覚は くすぐったくて、気持ちがいい。 目をつむっていても

      • できたら

        人との関わりの中で たくさんのしあわせを 受け取ってきたけれど、 たまに 本当にたまに 人との関わりをなくしたときの 気楽さを想像して そんな生活もいいな、と思う 傷つけたり、 傷ついたりしない世界にいる自分は のびのびしていて その姿を想像するだけで ちょっとこころが休まる 2023.02.19 仕事しながら思ったこと

        • 夫婦別姓

          ぽこぽこと泡を立てながら 水の中に沈んでいく 自分の名字を 夢で見た 少しずつ気泡が消えて すうっと沈んでいくのが見えたとき 名字も生きてるんだなぁ、、と思った 結婚して名字を変えたら 今まで馴染みのあったわたしの名字は どこへいくんだろう それこそ夢のように いとも簡単に ほいっと放りなげられて 手を伸ばしても届かない場所まで 沈んでしまうんだろうか、、 使われなくなり 息をしなくなったわたしの名字を想像したら ごめんね、と思った すきなひとと一緒になるの

          あなたはわるくない

          「あなたは何もわるくありません。  お疲れさまでした」 退職することを 担当していたコラムニストに伝えた時 こんな言葉をいただきました 適応障害、うつ状態、睡眠障害の トリプルコンボで休職、退職 その経緯を伝えていたわけでは ありませんでした 当時は、 自分の弱さや脆さにがっかりして 自信をなくしていたので、 (今も自信はないですが) そんな時に届いた 「あなたは何もわるくない」 という言葉にこころが救われました 至らない部分はたくさんあったでしょうが、

          あなたはわるくない

          鏡の中のじぶんへ

          どうして目を赤くしているの その手でじぶんを抱きしめてあげて 今日はもう それでじゅうぶんだよ おやすみ 22.02.07 しにたくなった夜 歯磨きをしながら洗面台の顔を見た時

          鏡の中のじぶんへ

          四つ葉に呼ばれます

          見つけると幸福が訪れると言われる 四つ葉のクローバー 原っぱの上にしゃがみ 目を凝らして探す人の姿を よく見かけますが わたしの場合は 四つ葉が生えている場所を 立ったままじっと見つめるだけで 時間をかけずに見つけることができます 調子がいいと 歩きながらでも見つけられます、、 姉も、わたしと同じように 見つけることができるようです ある日、姉家族とわたしで 芝生の公園に行きました こどもたちと義兄が おにごっこをしている間 動きたくないわれわれ姉妹は 別々の場所

          四つ葉に呼ばれます

          よるのひとりごと

          事情があって長く帰省した夏。 子ども部屋のオルガンには、浴衣のはぎれなのか、水色の布がかけられていた。母がたまに蓋を開けて弾くらしい。うちの家族で鍵盤を弾けるのは母だけ。そのオルガンは今、ちょっとした物置きになっている。 わたしも、祖母の家から見つけてきた形見のお茶道具を並べた。 その時の一枚。 冬の夜、携帯の中からこの写真を見つけた。 網戸から抜けてくる午後の風、日差しで暑くなったサッシのにおい、素足で廊下を歩くときのぺたぺたとした足音。 何気なく撮った一枚から

          よるのひとりごと