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夜逃げするときに持っていきたいドラマを選ぼう。

関西に住んでいる友人と、半年ぶりに再会して新年会をした。
サングリアを飲みながら5時間くらい語り合ったのだが、そこで好きなドラマの話になり、友人が「今までの人生で一番好きなドラマって何?」というすこぶる難しい質問をしてきた。

それはつまり、夜逃げするときに持っていきたいドラマのDVDは何かということで結論付けて考えてみた。

* * *

私は90年代後半~2000年代前半のドラマの影響を濃く受けている。
この頃が小学生~高校生にかけてなので、思春期を過ごした時代の影響はやはり大きいのだろう。

特に好きなのが「美女か野獣」と「恋のチカラ」だ。

「美女か野獣」は2003年に放送されたテレビ局の報道番組の話で、松嶋菜々子さん演じる鷹宮真というバリキャリチーフプロデューサーと、福山雅治さん演じる永瀬洋海という自由人ディレクターのW主演作。

「恋のチカラ」は2002年に放送された広告代理店の話で、深津絵里さん演じる本宮籐子という庶務課OLが、堤真一さん演じる貫井功太郎という人気広告クリエイターにヘッドハンティングされて独立を決意するお話(これがその後に人違いだったことに気づくんだけどね笑)

両方とも恋愛要素は入ってくるけれども、どちらも本筋はお仕事ドラマだ。

この2作をリアルタイムで観ていた頃、高校生だった私はとにかくこの2大ヒロイン・鷹宮真と本宮籐子に憧れていた。

性格は正反対のふたり。
鷹宮はまぁ負けず嫌いで人に弱みをみせることができず、目的の為なら手段を選ばない頭キレッキレのキャリアウーマン。

籐子はもともとクリエイター志望だったにも関わらずミスが祟って庶務課に左遷されてしまい、30歳で彼氏もいなければ仕事もダメで毎日遅くまでワインを飲んで朝はギリギリで出社するやさぐれOL。

タイプは全然違うけど、2人に共通しているのは「自分の信念を曲げず、決めた仕事に対して一生懸命」という点だと思う。

鷹宮は番組スタッフのカメラマンが飛んだ際に、それでも本番を滞りなく行おうと自ら現場に行ってほっそい身体でカメラを担いだり、籐子は貫井の仕事を成功させる為にあちこち駆けずり回ったり気が遠くなるような大量の雑務をやったりと、色々困難があるけど最後は仕事仲間と笑ってお酒飲んでるみたいな。

高校生だった私は、「いつかこんなふうに夢中で仕事をする大人になりたい」と思ったのだ。

友人の質問を聞いたとき、真っ先にこの2つの作品が浮かんできた。
これは、間違いなく私が夜逃げするときに持っていきたい2作になっているのだと思う。

今年、社会人13年目。

少しずつだけど、あの頃に思い描いていた自分に近付けている気がする。

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