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Appleサポートのお兄さんの神対応に感激した話

タイトルそのままの話です。

先日私用のMac Book AirのOSをCatalinaからMojaveへバージョンをダウングレードしようとしたところ、ステップを誤ってMacが一時的に数日間使えない状態になってしまいました。

そこにさらに重なるように、リモートワークのために職場から送られてきた社用のMac Book Proも、軽微ながらやや仕事に支障が出るバグ持ち。

色々試してみたもののどうにもならず、最後の手段としてAppleサポートに電話したところ、そこで担当してくれたお兄さんの対応にいたく感激したのでこの記事を書き置いておきます。

私用Mac Book Air OSダウングレードの失敗

先日私用のMac Book Airが使えなくなってしまった。
HDがイカれたようで、通常の起動をすると真っ暗な画面にクエスチョンマークが点滅するし、取ってあったTime Machineバックアップから復元しようと試みたが、3〜4時間かけて作業しても全然ダメだった。頭が痛くなるほどググったりもして、あらゆる手立てを試してみたけど、ダメだった。

やっちまった...

頭を抱えた。父に相談すると「もう使って5〜6年になるんだし、そもそもPCの寿命だろう。どこか故障したんだろうし、コロナ禍でAppleストアにも持ち込めないんだから、初任給で新しいMacを買ったらいい。」と言われた。

私は怒った。

ノートパソコン一台如きに何をそんな怒ることがあるだろうか。そもそもデータのバックアップは取ってあるので、新しいパソコンを購入すれば溜め込んでいたデータは多分見れるはずだった。だけど、私は今まで使ってきたMac Book Airを諦めきれなかった。

まあ、一言で言ってしまえば「愛着」である。私は学生時代の苦楽を共にしてきたこのMac Book Airに自分が思っている以上に大層愛着を持っていたらしかった。

このMac Book Airを持って、世界中を回った。インドへ行き、イギリスへ行き、中国へ行った。このMac Book Airを持って大学へ6年通い、制作をしたりあらゆる資料の作成をしてきた。徹夜でレポートや資料作成に勤しんでいた。辛い時も苦しい時も病める時も楽しい時も共にしてきた戦友みたいなこのパソコンが、突然なんの前触れもなく、バッテリーとか機器の故障の様子もなく、というかむしろ私の過失によって、失われてしまうことがとても嫌だった。

そう、そもそもなんでこんなことになってしまったかというと、私はOSのダウングレードをしようとしていたのだ。先日なんの考えも無しにMacのOSをMojaveからCatalinaへアップデートした。すると、型落ちのソフトウェアがどれもこれも使用出来なくなってしまったのだった。かなり使い込んでいたソフトばかりだったのでこれは困ったと思い、CatalinaからMojaveに戻す作業をしようとしていた。私はTime Machine(外付けHD)を使用して、Mojaveを使っていた頃にパソコンの中身をそっくりそのまま入れ替えて、過去の状態に戻そうとしていた。ググるとその方法についていくらでも記載はあったので、それらを元に作業していた。

だけど失敗した。原因が全然分からない。パソコンは全然起動してくれないし、起動しても「はてな?」と首を傾げるばかりで何も応答してくれなかった。

私は諦めきれずに3日ほどつきっきりでMacとにらめっこした。だけど何をやっても二進も三進もいかない状態になった。頭を抱えた。

終わった...かもしれない...

諦めきれないながらも、納得できないながらも、泣きそうになりながらも、もしかしたら私は新しい機器を迎え入れければならないのかもしれないと、Appleのサイトで、最近出たばかりだというMac Book Airの新型とその値段とを薄めで眺めていた。

社用Mac Book Proのバグ

私事だが、私はこの4月から会社員となった。だけれどこの事態で入社翌日から早々にテレワーカーへと切り替わった。新卒入社早々テレワークとなって仕事が出来るのか?と思われるかもしれないけれど、この会社には学生時代に半年ほどインターン生として働かせてもらっていて、おおよそ業務内容や仕事の進め方、組織体系を把握していたし、業種的にも比較的テレワークに切り替えやすい業種だったことが功を奏した。

斯くして、私は4月2日から今日に至るまで会社へ行かないまま仕事をしているのだけれど、仕事に必要な諸々のデバイスが会社から郵送で届けられた。

その中の1つにMac Book Proがいた。

のだけれど、送られてきたMac Book Proは何故かApp Storeに全くサインイン出来ないというバグ持ちだった。最初は会社による設定の都合の問題のようだということで、会社の人にリモートで設定を変えてもらったのにも関わらず解決しなかった。テレワークするにあたって、どうしてもApp Storeからダウンロードしなければならないソフトがあり、これが解決しないと担当業務が出来ないというような困った事態になったのだった。

これまたグーグル先生にひたすら聞きまくって、設定をいじってみたり、キャッシュが残ってる(聞き齧った知識なので、これが一体どういうことなのかは理解していないのだが)可能性からキャッシュを削除する試みをしてみたりしたのだが、これもまたどうにもならず、私は2台のMacを前に「なんで!!!!!」とひとり部屋で叫ぶなどしていたのだった。

餅は餅屋、MacはAppleサポート

コロナ禍でただでさえ薄っすらとしたストレスがミルフィーユのように積み重なっていると言うのに、バグバグしたPC達にここまで心乱されるのはもう限界である。

ということで、Appleサポートに問い合わせることにした。今思えば最初からそうしておけば良かったのだ。餅は餅屋。MacはAppleサポート。なんでも自力で解決出来ると思ってたのが愚かだったんだ...

日も暮れた頃、意を決してAppleサポートに問い合わせの電話をかけた。Appleの公式サイトには、あらかじめ問い合わせ内容について送信出来る画面があって、そこから送っておくと話がスムーズにいくよ。

まあしかし、これが結構気を長く持つ必要があって、電話が繋がるまで相当長かった。30分近く待ってたかもしれない。コロナ禍であることが関係しているのかなァなどと思いながら、ひたすら待った。Appleサポートへ問い合わせてみて初めて知ったことなんだけれど、待っている時間の間に音楽を選んで聞かせてくれるサービスがあった。J-pop・クラシック・ジャズの中からカテゴリを選ぶと音楽をかけてくれる。長く待たせる前提でこうなっているのか、Appleの優しい心遣いなのか...

そうこうしているうちに、音楽が流れていた電話から「プププ...」と通信音が聞こえてきて、ようやくAppleサポートの人に繋がった。声しか分からないけれど、えらく丁寧で腰が低く気の良い感じの、やや関西訛りが混じったお兄さんだった。

「大変長らくお待たせして申し訳ありません!」と開口一番、Appleお兄さんは言った。こちらは時間が惜しくないくらいバグに悩まされていたので、大丈夫ですよろしくお願いしますと電話口で頭を下げて、バグの話をした。

ユーザーのミスを責めない、そして褒める。

まず社用のMacのバグについて話をした。こちらの方が先決だった。私が状況を説明していくと、Appleお兄さんは快活な声で「かどかわ様...ありがとうございます、こんなに詳細を伝えてくださって!手に取るように状況が把握できました!」と言ってくれた。

要点が掴みきれておらずダラダラと長い話をしがちな私のこの話し方を褒めてくれてるの...?(トゥンク...)

という冗談はさておき、でもAppleお兄さんはまず私の状況説明について褒めてくださった。お手数お掛けする立場なので、褒められることは大変恐縮であった。「状況が把握出来たので、解決の手立てがいくつか思い当たります。なるべく最短ルートで解決できるよう尽力させて頂きます!」とのことで早速、トラブルシューティングに取り掛かった。

電話口でAppleお兄さんに指示を貰いながら指示通りの動作を行っていく。その都度私が「こういった状態になりました」と報告すると「バッチリです!ありがとうございます!」とAppleお兄さんは必ず言った。さらに「分かりにくい点があったらすぐにおっしゃってください」「もし嫌になってしまったら電話を切って頂いても構いません」などと言うのだ。Appleお兄さんの話し方・声のトーン・言葉遣いは、バグが治らなかったらどうしようと不安に苛まれていた私のモヤモヤをどんどんと取り払ってくれる、それはそれはすごいものだった。

いくつかの方法を確かめながら、なんとか最後にはApp Storeにサインインできない問題が解決した。私が半泣きで「うわーい!やったー!ありがとうございます!やりました!」とお礼を言うと、Appleお兄さんは「いえいえ、思いの外お時間を頂戴してしまって申し訳ありませんでした。もっと早く解決出来たら良かったのですが...反省しております」と言うのだ。

もう私は心底おったまげた。こちとらバグが解決できず数日ウンウン唸って過ごしていたのに、それをこの短時間で解決してもらって、心晴れやか極まれりというのに、Appleお兄さんはより良いサービス提供が可能だったのではないかと反省をしているのだ。Appleお兄さん...あなたって人は...(感動)

「サポートするのが我々の仕事ですから」

さて、ようやく社用Macの問題が解決して、この時点でまあまあ夜も更けてきていた。するとAppleお兄さんは「他にお困りごとはないでしょうか」と言ってくれた。私は一瞬迷った。

ある。困りごと。Apple製品、私用のMac Book Airの困りごとが...

正直サポートに電話をかけた時点では、優先順位的にも社用PCの問題のみを伝えていた。Appleサポートは21時までなので、トラブルシューティングにかかる時間を考えると先にやるべきは社用PCだと思っていたのだ。そしてこんなに親身になってくれているAppleお兄さんを思いの外長時間拘束してしまったので、これ以上の面倒をAppleお兄さんに掛けるのは気が引けてしまった。

翌日から連休だし、私用PCについては連休中に改めて連絡してトラブルシューティングするか...? 

いや...でも...

こんなに親身になってくれるAppleお兄さん、そしてトラブルを解決してくれた信頼のおけるこのAppleお兄さんに出来れば担当してもらいたい...!

私は気が引けながらも「実は...」と私用Macのトラブルについて切り出した。「でも長い時間お世話になってしまってこれ以上お願いするのも気がひけるのですが...」と正直に伝えると、Appleお兄さんは「とんでもございません!サポートするのが我々の仕事ですから!」ときっぱりと言い、快くもう1つのバグについてもサポートを請け負ってくれたのだ。

仕事として割り切ってやっているかもしれないとはいえ、こんな時間までかかってこんなに親身に寄り添ってくださるなんて.....と、私は感激に震え顔を覆った。

これまた状況を説明した。私がやらかしたあれこれについて。こちらに関しては私が踏んだプロセスに大きな問題があったとしか思えなかったので、もしかして「なんてことをしたんだ」と怒られたり呆れられてしまうのではないかと無意識に思っていたところもあって、説明する私の声は少々しぼんだ調子だったと思う。

ところが一通り話し終えたところでAppleお兄さんは、一言も私を責めることなく、呆れることもなく「かどかわ様...もしかしたらうっすらお気づきかもしれませんが、手順が間違っていたようです」と優しく言った。

「うん、状況をお聞きする限り、故障もしていないと思いますし、バックアップデータから復元可能だと思います!」と快活にAppleお兄さんは言い、私用Macの復元の手順と、考えられる原因について懇切丁寧に教えてくれた。

復元作業には時間がかかるもので、パソコンがバックアップデータを読み込み切るまでには数時間を要する。Appleお兄さんは、データ読み込みのところまで導いてくれて「ここからはお時間がかかりますので、気長にお待ち頂ければと思います。」と(顔はもちろん見えないのだけれど)にっこりそう言ってくれた。もしもこれでダメだった場合にはどうしたら良いか、という手立てについてもいくつか教えてくれた。

ここまでで既に2時間近くが経過していた。

長時間に渡ってお付き合い頂きありがとうございました!

先にそう言ったのはAppleお兄さんの方だった。私はまたひっくり返った。それを言うのは私の方だろう?!こんな長時間いちユーザーにかかりっきりでトラブルシューティングしてくれるなんて、どこまで優しいんだこのAppleお兄さんは...「それを言うのは私の方です!本当に困っていたので大変助かりました、本当にありがとうございました...!」と言葉に尽くせない感謝をどう伝えたらいいのか、ありがとうありがとうと私は繰り返すばかりで、しかしAppleお兄さんはにこやかに親切に腰低く「助けになれたのなら幸いです」と言ってくれたのだった。

一流企業に学ぶこと

Appleお兄さんの懇切丁寧な、そして気遣いに溢れた対応によって、この数日私の心を暗雲で満たしていた不安は全て払拭された。無事、私用のMacも今まで通り使えるようになり、社用のMacも問題なく業務の出来る環境が出来た。

これをいわゆる神対応というんだ...と私は改めてそう強く思った。

電話での対応で、ここまで感激した経験はそうなかったと思う。Appleお兄さんは一貫して腰低く、私を一言も責める事なく、苛立ちも見せず、懇切丁寧に対応に当たってくれた。そして問題を解決してくれた。

Apple製品は、デザイン性の高さや能力の高さによって広く利用され愛されているのかと思ってきたけれど、中の人たち、つまり今回のAppleお兄さんのようにユーザーを支えてくれる人たちの、プロフェッショナルと言えるその仕事の質の高さによっても、もしかしたら信頼を獲得しているのかもしれない。

製品も人もクオリティが高い、それが一流企業を一流たらしめているのだ。そんなことを思った。

私の心はすっかりAppleに魅了された。一人のサポートによって。

1つだけ悔いているのは、Appleお兄さんの名前を控えておかなかった事だ。出来れば直接感謝の気持ちを伝えたかったけれど、名前を控え損ねてしまったので、末筆にはなるがこの記事にて改めて感謝を述べたい。


Appleお兄さん、本当にありがとう。


ちなみにAppleお兄さんに伺ったところ、やはり想像していた通り、このコロナ禍、そしてテレワークの導入が進んだことによってなのか、Appleサポートへの問い合わせが増加しているらしい。Appleサポートに電話をするときは、時間のあるときにするのが得策だと思われる。

毎日営業しているAppleサポートの方々、この状況下で対応してくださって本当にありがとうございます。どうかお体にお気をつけて。

頂いたサポートは、かどかわの制作活動(絵画制作、展示、リサーチ、レポート)に活用させて頂きます。 ありがとうございます。