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国際シェアハウス

山梨のリゾバで50万程貯金が出来た頃、
ここで働き続けるのは精神的に限界を感じた。

元々大阪出身なこともあり、
車無しではどこにも行けない
田舎生活に慣れなかったから東京に出て、
留学の代わりに品川あたりの
国際シェアハウスの3人部屋住んだ。
家賃は光熱費込みで5万円だった。

国際シェアハウスには日本人は私と
もう1人東京出身の社会人の男性だけ。
あとの7、8人位は全員外国の方だった。
と言っても、ほとんどの方は日本語が話せたから
あまり意思疎通には困らなかった。
色んな国籍の方がいたが、皆複数の言語が話せて
英語だけでなく中国語やスペイン語等が飛び交った。
日本人の私達2人だけ、日本語しか話せなくて
とても劣等感を感じた。

「英語で話しかけて!」と言っても
外国の方は、最年少未成年で
大阪から出てきている私の関西弁や、
家を出たきっかけに興味を持ち、
結局日本語で話してしまい、
英語の勉強にはならなかった。笑

皆優しく接してくれたが、
定期開催されるホームパーティが
楽しみでワクワクしたのは最初だけ。
次第に言葉も文化も違う外国の方と
同じ部屋で過ごすのは、想像以上にストレスになった。
今までひとりでいることが当たり前で
気付いていなかったが、
私はひとりの時間が無いとダメなタイプだった。

そして、もうひとつ壁にぶつかった。
就職活動の仕方が全く分からなかった。
ネットで探した求人に応募してもことごとく落ちた。

そんな時、山梨で唯一仲良くしてくれた
ちょっと怪しい匂いのするおっさんが
用事で東京に出てきたらしく、連絡が来た。

ニート生活をしていたので
久しぶりに予定が出来たのが嬉しくて
一緒に渋谷、新宿あたりを観光した。

おっさんには離婚経験があり、
子どもが2人いるらしい。
おっさんより、私と子どもの方が歳が近く
娘みたいだと可愛がってくれ、私も気を許し
おっさんが泊まっていた
ビジネスホテルに一緒に泊まった。

「付き合って欲しい。」と突然告白された。
え?娘みたいでしょ?なんでそうなるの?
疑問しかなく、急に怖くなって
その日は返事を濁した。

その後も何度も連絡があり、私は押しに負けた。
優しかったけど、強面で短気。
身長も低く、顔も決してタイプではなかった。笑
19歳になってずっと彼氏がいないのも寂しいし
頼れる存在がいない私にとって、
15歳上の人生経験豊富なおっさんも
いいじゃないかと思って付き合うことにした。

3ヶ月ほど東京でニート生活を楽しんだころ、
そろそろ貯金だけでの生活は厳しくなってきた。

おっさん彼氏の友達が
静岡にラーメン屋さんをオープンすると聞いた。
おっさん彼氏はそこで、店長を任された。
一緒に静岡で働かないかと誘われた。
静岡での家賃は会社持ち、
車も支給してくれるという話だった。

お金に困っていた私は、悪い話じゃないなと思った。
今度は静岡に引っ越したのだった。

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