見出し画像

初めての方向け。日本刀の種類について解説!(後編)

こんにちは、さらと申します。

前回の記事では、日本刀の三つの鑑賞ポイントについて解説しました。
今回は美術館に行った際に必ずといっていいほどある、この紹介プレートにフォーカスして、日本刀の種類や刀それぞれについた名前の見方について紹介していきます。

画像1

※なお、この記事はわかりやすさを最優先にして作成しておりますので、一部情報を取捨選択、自己解釈したうえで説明しております。

本格的に日本刀について知りたいという方は最後におすすめの本やホームページを載せておきますので、ぜひそちらをご覧ください!

・日本刀の種類


日本刀は、用途や大きさによって主に太刀(たち)、打刀(うちがたな)、脇差(わきざし)、短刀(たんとう)の四種類に区別されています。

①太刀(たち)

長さ:80㎝前後

画像2


これは室町時代頃までによく使われていた刀で、日本刀の中でも大きめなものです。

画像3

主に武士が馬上で馬を左手で御しながら使用することが想定されている刀です。
そのため、右手で簡単に刀を抜いてその勢いのまま敵を殺せるよう、刃が下になるようにして使います。(↓図のように刃が下だと、上方向に引き抜けばよいだけなので簡単)

画像4


美術館でも日本刀の中で唯一刃が下になるようにして飾られているので、一目で太刀だとわかるでしょう。
また、紐などを使って腰にぶら下げる(これを“佩く(はく)”という)ことで、足が持ち上がり易くなり、妨げがなく馬に乗ることができます。

②打刀(うちがたな)

長さ:60~70㎝

画像5


室町時代中期以降馬上での戦闘が減り、歩兵戦が主となってきたことにより急速に使われるようになった刀がこの打刀です。
馬を御す必要がなくなったことで両手で使うことが可能になったことと、歩兵戦でより素早く隙を見せずに抜く必要があることを考慮した上でできた刀となっています。

画像6

そのためまず、太刀のように刃を下にして腰につけることはなくなりました。

というのも刃が下だと、上方向に刀を引き抜くために必然的に腕を上にあげることになり、急所である心臓や腹ががら空きになってしまうからです。対面状態で刹那を争う歩兵戦において、これは大きな隙になります。よって打刀では↓図のように刃が上(刀を下方向に引き抜く)を向くようにして使用します。

画像7

また、馬に乗ることを考慮しなくていいため、刀をプラプラぶら下げる必要もありません。よって、上図のように帯の間に挟むようにつけて(これを“差す”という)使うようになりました。

③脇指・脇差

長さ:30~60㎝

画像8

こちらも同じく室町時代中期以降に多く使われるようになった刀で、武士は先ほどの打刀とこの脇指をセットで腰に差して使用していました。
とは言っても、打刀と脇指を同時に抜いて二刀流で戦うことはほぼありませんでした。両手での使用を想定されたこの二つを振り回しながら戦うのは相当難しかったためです。

本当に難しいのか気になる方は左手に脇指として2ℓペットボトル(約30㎝)、右手に打刀として500mlペットボトル(約20㎝)×3を繋げたものを持ち振り回してみましょう(重さは大体700~1000gくらいになるよう中身の量を調節してください)。
私自身が試したわけではないのでわからないですが、恐らくペットボトル同士がぶつかってしまったり、どちらかのペットボトルの動きに振り回されてしまったりして、まともに戦うことはできないと思います。

④短刀

30㎝以下

画像9

短刀は時代を問わず主に護身用として使われてきたため、女性や子供でも使えるよう小さくて軽いものが多いです。また女性や子供が懐にしまっておけるよう、ほかの刀と違いつば(持ち手と刃の間の出っ張っている部分)がついていません。

他にもお守りとして祭典に用いられたり、戦闘で敵が至近距離に迫った時の攻撃手段として使われたりと、他の刀に比べて様々な用途で使われてきたことも特徴といえるでしょう。


・もっと詳しく知りたい方

ここまで見てくださりありがとうございました!
こちらの記事で書かせて頂いたことは、刀の中のほんの一部にすぎません。
日本刀にはまだまだたくさんの魅力がありますので、興味を持たれた方向けに無料で見れる日本刀に関するサイトなどを紹介したいと思います。

〇刀剣ワールド
日本刀に関する情報が非常に詳しく載っている閲覧無料のウェブサイトです。挿絵や写真なども多いため、わからない名称や詳しく知りたい部位などが出てきた際にとても重宝します。また日本刀以外にも武具や合戦の歴史などについてもまとめられているので、ぜひそちらもご覧ください。

〇KATA-KOTO
Studioshikumi inc.さんから出ている100振り以上の刀を閲覧できるアプリです。
Apple Store, Google Playともに無料でインストールできるかと思われます。
刀の実物の写真(閲覧できない刀もあります)や細かい説明がついているため、日本刀に俄然興味がわいてきたという方は是非使ってみてください!


刀剣乱舞など様々なメディアの影響でどんどん関心を向けられてきている日本刀について、少しはわかっていただけたでしょうか。ここまでの解説をほんの少し頭の片隅に入れた状態で、日本刀の氷のような鋭い美しさを、美術館などで感じてもらえましたら幸いです。

面白かったという方はいいねを押して頂けると励みになります!

いただいたサポートは団体の活動費に使わせて頂きます。