書き殴り

共通テスト目前
年末年始の休み
去年の今頃も気分は低空飛行だった気がする。
ひとりになれなくて学校に居座っていたあの時は、友達、先生、そうやって誰かがそばにいた。
年末ギリギリまで共通テスト対策が行われていて、私ともうひとりはずっとそれを受けていた。
あの子がいたから越えられた。
もうひとり、私学一本の子が教室で勉強していて、共通テスト対策が終わると合流して勉強していた。

学校が閉まる2日前、教室でひとり勉強を続ける私に先生は
「最近話せてなかったから」
と会いに来てくれた。
「終わっちゃうね」
色んなことがね
寂しいと思ったのは年の瀬の空気から
そう誤魔化した。
次の日、職員室で慰められてカイロよりあたたかかったハグと励ましをもらった。
その後も年末年始のお休みだというのに定期的に連絡をくれた。
年始の教室で勉強をしていたら、先生が来てくれた。
少しだけ話してまた来てくれたその手にはほっとレモンとほっとカルピス
「どっちがいい?」
どっちも苦手なんだけど
冷やしカルピスは好きだからほっとカルピスをもらった。
家に居られないと言いながらも、4月になれば出られるんだと確固たる希望があった。
先生は自傷せずに家にいたことを褒めてくれた。
絶望だと思っていたこの頃は随分と希望だった。

あの頃夢見ていた一人暮らしの希望は打ち砕かれた。今の私が年末年始を乗り越えたところで抱きしめてくれる人はいないし泣きつける人もいない。
誰のいちばんにもなれないし誰かの生きてほしい存在にもなれない。
死んだら
「なんで死んじゃったの」
「相談してくれればよかったのに」
って言う人はいるのかも
でも誰にも変えられないじゃん今なんて
主治医は
「親との関係は諦めてほしくない」
って
でも
「生きてほしいって思います」
って
あ、生きてほしいと思ってくれる人は居たね。
書き換える気も起きないけど
こんなの無理だよ
どうやるんだよ
具体的なことは誰も教えてくれない

ちょっと冷静に考えてみれば、数年前までそれが当たり前だった。
泣きつける人もいなければ、抱きしめてくれる人もいない。
自傷も希死念慮も誰も知らない。
親だってあの頃から変わっていない。

優しさのシロップ漬けにされた私だけが変わった。

優しさは麻薬だ。
どんな嗜好品よりも
どんな薬物よりも
ずっとずっと依存性が高い。

「卒業したら生きられない」
ずっとずっと密かに胸にあったその思いは何も間違っていなかった。
優しさを、温かさを、手放して生きていけるほど私は強くなくて、シロップ漬けにされたままで生きていけるほどこの世界は甘くない。

もう手放したい。
明日が続くのが怖い。
これ以上、誰のことも嫌いになりたくないし
これ以上、頑張ることもできない

誰か救ってよ
って
教えてくれない
とか
ずっと他力本願だね

でももう自分で頑張るのは疲れた。
2023年が幕を閉じていくように
私も私の人生の幕を閉じたい。
このショーは終わり。
どうだった?つまらなかった?
劇的な面白みのある人生ではないもんね。
壮絶じゃなくてもささやかな街の灯りみたいな人生
それでも私はよかったよ。
十分に幸せだった。

さいごは華やかに空を飛びたいね。

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