味方は意外とすぐ側にいる
文化の日を翌日に控えた木曜日の夜7:00。
学生室には、私、外国人研究員の方、そして修士1年2年の計4人が残っていた。
各々朝から実験やら実験器具の不具合やらに追われ、やっと一息ついたかと思えばp.m.6:30。修士の2人はそこから未だ上手く行かない実験開始の前段階のどこに不具合があるかを議論し合い、万策尽きたような様子だった。しまいには突拍子もなく「あのさ、、ドーナツ食べる⁉️(ドーナツをひと口齧って)プラスミド‼️ははは‼️」と言い始めるその姿はまさに限界大学生そのもので、笑いが止まらなかった。
そんな、もーやってらんねぇよ!!な日だったので、研究員さん以外の3人で急遽女子会を開催した。
・
私の所属研究室はとても居心地が良い空気が流れている。
優しくて穏やかな修士の先輩方とよく笑う研究員さんと話しやすい同期に囲まれているので、私たちは単純作業が続く実験の合間に色んなことを話す。
今日もまた実験中に色々な会話を交わしていたが、いつもは先輩の彼氏さんのお話を聞くところに私が無意識にも”意味深”な質問をしたことで、私は最近の悩みについて先輩2人に打ち明けることになった。
友人と対等な関係を結べないこと。
他人から舐められやすいこと。
男女関係で下手に出てしまうこと。
これまで同期や友だちにはずっと隠してきた本音や弱い自分自身への葛藤、自分を正当化する自信のなさは、年上の先輩には不思議と打ち明けられた。
どこまで事実を話すべきか迷いながら、そして私主観で話していることが別の誰かを敵にしてしまっていることを心に留めながら、少しずつ情報を開示した。話し下手な私が断片的に時系列に沿わずに話す内容を先輩たちはただ静かに聞いてくれた。
そして全ての事実と私の本心とが先輩たちの頭の中で繋がった瞬間、彼女たちは私の頭を撫でて
「私たちはいつだってあなたの味方だよ」
「こんな優しい子、幸せになってほしい」
「いい人に出会えるといいねぇ」
と、優しく言葉をかけてくれた。
私はこれまで人から好かれようと何気なく行動しては来たけど、他人からこんなにも思いをかけてもらえて、笑いを分けてもらえて、味方と言ってもらえるほどに扱ってもらえているのだと実感して、なんというか、、、感動した。
希死念慮を長年拗らせながら、日々の生き甲斐に1日1善してきた結果が身を結んだのかな、とか、いやまて、先輩たちがもともと素晴らしい人格なんだ、とか色々思うことはあったけど、それよりなによりこんな関係の人たちと出会えたことに、これまでにない幸福感を覚えた。
私が彼女らに話した事実はどれもネガティブで、いつもだったら親しい人にこそ話すのが憚られるようなことばかりだったけど、彼女たちの寛大さに大いに甘えるという後輩特典で笑顔を取り戻すことができた夜だった。
先輩たちがその後オタクトークを炸裂させて私を何度も笑わせてくれたり、私の性格を「優しい」とか「そんなふうに思えるのすごいよ」とか褒めてくれたりしたあの空間が尊くて仕方なかった。
こんな幸せな環境下で私はへこたれてはいられないし、もっとこの人たちのために頑張りたいし、私も先輩みたいになりたいと思った。死にたいとか思ってる暇がもったいないと思った。
・
自己肯定感が低くても、私は確実にその場に存在していて何かしらの役割を果たしている。
後輩として同期として友だちとして
聞き手としてツッコミとしてゆるキャラとして
私は他人にポジティブを与える存在でありたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?