What on earth!ほつれまくった朝ドラ「まれ」の塩騒動を振り返る

前々回の英語のほつれに関する論考は、「Upside Down」にはひっくり返らなかった私が「What on earth!(一体全体)」にはひっくり返ったというところがメインポイントであったような気がする。今回はその流れを受けて、私がひっくり返ったWhat on earth!な朝ドラについて考えたい。

みなさんは2015年に放送された「まれ」を観ただろうか?これは全編がWhat on earth!に包まれた大変貴重な作品である。あまりのことに目を覆いながらも、指の隙間からなぜか毎日ウォッチしてしまう、そんな中毒性があった。

土屋太鳳演じるヒロインまれは、父親の事業の失敗でiターンし、能登の伝統的な塩田を営む祖父母の家で暮らすことになる。「まじめにコツコツと」というかわいげのないモットーをもつヒロインまれは、朝から黙々と海水をまく祖父がんじの姿に感動し、強く影響をうける。田中泯さん演じるがんじさんの存在感は抜群で、夕陽を浴びながら黙々と作業するがんじさんの姿はこのドラマ唯一の見所といっていい。

スイーツ作りが得意なまれは、がんじさんの妻文さん(田中裕子)が昔作っていた桜餅をがんじさんに食べさせようとする(理由は忘れた)。だが、同じレシピのはずなのに「何かが違う」。その「何か」は実は桜餅の皮に隠し味として使う塩であった。文さんの桜餅はがんじさんの塩を使っていたのだ!

…と、何となくいい話風に展開するのだが、ちょっと待て。まれよ、尊敬するがんじさんの塩をお前は普段使わず、わざわざスーパーに並んでいる「食塩」を買ってきて使っていたのか。わざとなのか?それとも天然なのか?純粋な悪意というやつか?これはいい話なんかではなく、朝ドラヒロイン史に残る一大スキャンダルだ。


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