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鎌倉の快挙

 などと偉そうに言ってしまって恐縮しちゃいますが『鳩サブレー』のことです。先日、外海で墓地探索をした日に、TKさんからお裾分けをしてもらいました。

 好きなんですよね、鳩サブレー。さくさくしてておいしい。この鳩のイラストのデザイン、パッケージに使われる、クリームを少し垂らしたレモンイエローの缶も、『鳩サブレー』の赤い文字も、目をひきます。
 好きといったってわざわざ取り寄せたりもしないし、グッズみたいなものも進んで購入したりはしないんですけどね。でもだからこそというか、思いがけず手元にやってきたらほくほくしちゃうもののひとつです。

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 と、いいつつ図々しく、缶に入っていた切り抜きコースターと『鳩のつぶやき』なるパンフレットももらってきました。『鳩のつぶやき』は豊島屋のホームページにも載っていましたが、缶入り印刷物の文のほうが長いです。
 初代が異人さんにもらった大きなビスケットには、ジャンヌ・ダルクが馬に乗り槍をかざしている図柄が刻まれていた、と書いてあって、先日会話のなかでジャンヌ・ダルクが出てきたものだからちょっと反応してしまいました。共時性か、はたまた布置か(どうでもいいですね)。

クッション紙のコースター(実はもうコーヒーのシミをつけた)

 『鳩のつぶやき』によりますと、異人さんにもらった今までにない味のビスケットを食べた初代が、掌に近いほどの大きさとその味に「これからの日本の子供たちに喜ばれるのじゃないか」、そう考えて試行錯誤し「豊島屋の鳩サブレー」に仕上げたのだそう。明治30年ごろのことで、試作はまだ鳩のかたちにはなっておらず、丸い抜き型のお菓子だったとあります。
 まずは友人に試作のビスケットを食べてもらったところ、欧州航路から帰国したばかりの船長だったその友人が「フランスで食べたサブレーという菓子に似ている」と言ったことから、初代はサブレーというものを知ることになります。
 次に、以前から頭にあった「八幡様(鶴岡八幡宮)にちなんだお菓子を創りたい」といった思いとつながり、八幡様の掲額に鳩が使われていることから鳩をモチーフにすることなど、次第に鳩サブレーのデザインが決まっていったということです。現在も親しまれている鳩サブレーの抜き型は、このとき初代が創ったものそのままだと書いてあります。

 この鳩は「鳩三郎」という名をもつ(あだ名かもしれない)というのは以前どこかで見たことがあったように思いますが、どうして三郎なのかはあまり気にしていませんでした。『鳩のつぶやき』にはこのあたりのことも書かれているけれど、「サブレー」と「三郎」の語呂が似ているとか、それから唐突に源九郎義経が出てきたりして、いきさつがちょっとよく理解できなかった(頭が悪いですね)。

 最近お菓子への興味が薄れてきたせいもあって、なかなか記事にするようなネタもなかったんですが、豊島屋の鳩サブレーをもらったことから、久しぶりにお菓子のことを書いてみました。
 最後にもう一度言っておきますが、これは鎌倉の快挙です(えらそう)。

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今日の「サブレーといえば」:博多には株式会社ひよ子のひよ子サブレーがあります。あるのは知っていたけれど、食べたことがない。鳩ばっかり贔屓していないで、こんどひよ子も食べてあげようとおもいます。

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