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26歳OLがぬか床の世話をしながら海外大学院を受験してみた話

8月末で3年半ほど所属していたリクルートを辞めてコペンハーゲンの修士に2年間通うことにしました。コロナ禍で予定のない週末が増え軽いノリで研究計画を書き始めたところから始まりましたが、最終的には仕事との両立や諸々ですんなり行くわけもなく、もがいた結果なんとか大学院からの合格と給付型の奨学金をもらうことができました。

今回自分ではこの一連の受験の事を「全集中 綱渡りの呼吸 運柱」と呼んでおり、受かってよかったもののかなりの手荒い運用だったなと反省している点がいくつかあります。
社会人と両立しながら受験をする際のしんどいポイントはなかなかネット上にも無く、受験中は手探りで進めていた感が否めなかったので今回は参考までにその辺りを書いてみました。

そしてタイトルにあるぬか床ですが、東京で一人暮らししていた平屋で何回か世話に失敗したのち現在は渡航先のデンマークの部屋で元気にしています。今度機会があったら発酵についても書いてみようかなと思っています。

この文章の目的

・社会人の人が今後大学院や博士受験をする際のアンチパターンとして参考になれば嬉しい
・海外受験で一番時間がかかると言われる英語要件があまり問題では無かった自分がそれ以外で特に躓いたポイントを振り返ってみた

前提

通常、他の人は受験大学数も奨学金数も2~3倍は出願しています。
自分はリクルートでの仕事にもやりがいを感じていたし、興味のあるコースからの合格と学費全額カバーの奨学金合格という2つの条件が揃わなければ仕事をこのまま続けようと思っていたので極端に出願数が少なかった方でした。(正直そこまでの体力も無かった。。)
どうしても来年には確実に海外進学をしたい、という考えの方は私の出願数をあまり参考にしない方がいいかもしれません。

結果

最初に受験自体の結果からいうとこんな感じでした。奨学金は私の場合は学費を全額カバーできる金額でしたが、個別の学費にもよるので個別にチェックする事をオススメします。

大学院受験
Taught Masters (修士)
・UCL                                        ○
・University of Amsterdam     ○
・University of Copenhagen   ○ 

Mphil (修士と博士の間的な存在の学位)
・University of Oxford             未受験 

給付型奨学金受験
・伊藤国際         ×
・JASSO  大学院受験個人型  ○

アンチパターン詳細

ここからは結果丸く収まったけどくぅ〜やっちまった〜と思ってる事を書いていきます。私の失敗経験を供養するためにも役立ててもらえると嬉しいです。

失敗①休み方を間違えた

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年末体調を崩して自宅のハンモックでゆられている様子


これは社会人に限らず何かと同時進行で受験を行う人全員に対して伝えたいことNo1.です。

私の場合、仕事を中途半端にして出願に力を注ぐと大学院に合格しても気持ちよくないだろうなという謎のプライドがあり、仕事もこれまで通りにはやると決めて臨みました。繁忙期だったこともあり受験期間中の平日は平均で9時〜21時くらいまでなんだかんだ仕事をしているような生活でした。

当初自分なりに休み方も考えており、毎日最低6時間は寝ることを条件に土日含めたほぼ全ての時間を下記の5つの活動に注いでいました。(正直その期間は飲み会等の付き合いが一気に悪くなってしまったのも今となってはプチ反省事項です)

・仕事
・大学院出願
・奨学金出願
・任意で参加していた医療社会学系の院ゼミ参加
・その他勉強会

しかしながら、休み方を事前に決めていたにも関わらず一度過労で倒れて仕事にも穴をあけ、突然意識を失った衝撃でなぜか前歯を一本失うという失態を犯しました・・。26歳都内勤務のOLなのに前歯が一本仮歯なんて映えなさ過ぎて草も生えません。

倒れた時は本気で「一日6時間寝てるのに倒れるなんて意味わからん!コンサルの人とかもっとヤバイ働き方してるじゃん!なんでや!!」と自分の貧弱さにプンプンしていましたが、お医者さん曰く人間の身体は疲労タイムと回復タイムの繰り返しでメンテナンスされており、私の場合身体的にも精神的にも回復タイム(=休息)を一切持たなかったことにより疲労が解消されず自律神経のバランスが崩れ、ある日突然脳に血液が届かなくなり倒れたのだろうとのことでした。

皆さんも、休み方を設計する時必ず新しい事をしている時は自分の想定以上にストレスがかかっている事を理解した上で、睡眠とは別に休息の時間をなんとか確保する事をオススメします。


失敗②必要書類集めの時間見積もりを間違えた

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原本郵送
奨学金や大学への出願にあたり教授からの推薦状が必要になりますが、伊藤国際奨学金の場合、原本の郵送が必要でした。私の場合依頼した教授が全員学部でお世話になったイギリスの大学にいたので、出願に必要な推薦書原本をコロナ禍で海外から郵送してもらうにあたり想像よりも時間がかかり、前日までヒヤヒヤしたのが相当心臓に悪く後悔しています。
その他書類関係(IELTS/残高証明書など)
英文の口座残高証明は頼んでから実は郵送までに2週間を要したり、IELTSの結果は結果の原本を受け取るまでに3週間程度かかったりと推薦状の他にもリードタイムが意外と長いものがありこれもヒヤヒヤ案件でした。特にIELTSは金額も高いので無駄に受験回数を重ねないよう事前にプランニングしておくのが吉です。

また、IELTSは事前対策にも反省点がありました。結局2回受けたのですが1度目はオンライン受験の際のUIの変更点などをまともに調べておらず、事前勉強時に過去問だけ解いて臨んだ結果リスニングなど瞬発力が必要な問題において画面上のUIで混乱し、思ったように回答できませんでした。参考までにスコアも記載すると1回目はoverall 7.5、2回目は8.0でした。
推薦状の人選
そこまで親しくしてた訳ではない、あるいはもう自分の在籍していた大学から離れているなどの理由で心理的に推薦状を頼みにくいなと思った教授に関しては、依頼タイミングが後ろ倒れてしまいました。私の場合は幸いにも全員依頼OKをもらえたのですが、これでNGの人が出ていたら締め切りギリギリになってしまっていたかもしれないなと今になって思います。

依頼された側の気持ちが気になってしまう側の人は、最初に「書いて欲しい人」の他に「頼みやすさ」も加味した上で決めるのをオススメします。


失敗③挑戦校の出願時に自分にストレスをかけ過ぎた

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出典:行きたかったOxford所属の教授の研究内容

Oxford に研究分野上興味のバッチリ合う教授がおり、その下にいる博士学生のテーマもドンピシャだったので出願を検討していました。領域がニッチすぎてイギリスのコースワーク中心の1年間の修士制度では満足に研究できないと判断し、学部の成績だけで言えば応募条件を満たしていたこともあってそこだけはMphil(修士と博士の間的な存在。博士前期とも言われる。)で出願を試みました。

しかし、蓋を開けてみると2500wordsで研究計画とそれに対する実績を述べよという重めの課題がありました。興味はあっても実績が足りないことが自明だったので最後まで書こうと粘りましたがやはり満足いくSOPが書けず、結局は未受験に終わりました。修士をすっ飛ばして研究課程に進む、かつ研究分野を変えた状態で出願する難易度は思っていた以上に高く、今考えると実績もまともに無い興味があるだけの状態で説得力のあるSOPを書ける訳ないのに、当時は満足いくSOPを書ききれない自分への不満が募りストレスを必要以上にかけ過ぎてしまっていました。

チャレンジの程度にもよりますが、自分にとって難易度が本当に高い出願条件のところへは割り切って楽しく「今後の研究のネタになったらいいな」と言う気持ちで進めるのも最終的に受験全体の工程をスムーズに進めるための手としてありかもしれません。


おわりに

最初はコロナ禍で時間できたし研究計画でも書いてみるかな、と軽いノリで始めましたが、最終的には過去の自分が作った努力の貯金と色んな人の支えに助けられてギリ乗り切れたなと改めて感じています。そしてせっかく好きな事に思いっきり浸れる環境を運よく手にすることができたので、いい意味で後先を考えずに2年間ビッタビタに浸って溺れてこようと思います。

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