フランス人義母が驚く日本の妊娠あるある

昨日はフランスに住む夫の母へ妊娠報告のためskypeをした。

夫の母といえば顔を合わせると「孫はまだ?!」とすぐ聞いてくる人なのだが、英語が話せないのと、こちらもフランス語がほとんど話せないのとで夫の通訳なしでは意思疎通ができない。

そのため、 ”孫プレッシャー” への対応は夫に任せており、あまり「孫」「孫」と言われることもこれまでストレスに感じることはなかったもののすごく期待してるんだな〜ということはひしひしと伝わってきていた。

不妊治療を受けていることは伝えていたので、私たち夫婦にとって子を授かることが簡単でないことは理解してくれていることもあり

Skypeの前に送っていた妊娠報告メールの返信には

「感動した」「メールを読みながら涙が溢れた」と書いてあり二人で想像して笑ってしまった。


夫の母といえば典型的なフランス人らしく旅行といえば"ビーチでのんびりでしょ!"という人なので息子が住んでいる日本には全く興味がなく、今まで来日したこともない。

アジアに行くならタイに行きたい(ビーチが有名だから)という人なのだが孫の顔を見るために2021年日本に行く!!と息巻いていた。


そして、義理の母は妊娠・出産にまつわるフランスと日本の違いについて色々と驚くことがあったようだ。


義母が驚いたこと 1. 妊婦健診の頻度

フランスでは、2~3ヶ月に1度しか検診にいかないらしい。そしてエコーを取るのも4回だけ。

対して日本では、妊娠初期は2週に1回、中期は月に1回、後期は2週に1回ほど通うことになるのでフランスの検診回数の3~4倍の回数で病院に通うことになるのではないだろうか。

個人的には胎動も感じられない初期段階にいることもあり、日本式の細やかな検診頻度である方が赤ちゃんの状態が分かって安心する。

とはいえ、腹痛が酷い・出血が止まらない等トラブルがあれば日本であれフランスであれ検診のタイミングを待たず病院に行くことになると思うので、異常がなければ足繁く病院に通う必要性はないのかもしれない。

正直、働きながら妊娠していると貴重な土曜日はかなりの頻度で病院の検診にあてる or あまりにも土曜日は病院が混むので有給を平日にとって行かざるを得ないことになるので

日本の検診スケジュールはもしかして「専業主婦前提」ということなのかな?と思えなくない。


義母が驚いたこと 2. 妊娠の数え月

妊娠〜出産までの期間を十月十日というけれど、フランスでは9ヶ月と言われる。

日本の場合は最終生理日から数えるため、妊娠していない2週間も妊娠1週目として数えるためだ。

正直、初めはこの数え方で戸惑ったものの、妊娠に関するどの本やネット記事もこの数え方をしているのでそういうものか、と受け入れるしかない。

なぜこんな特異な数え方をするのかは調べても見つけることはできなかった。

フランスでは妊娠した週を第1週としてカウントするそうなので今9週目(妊娠3ヶ月目)だと伝えると8月に体外受精だったんじゃないのか?!とかなり混乱していた。


義母が驚いたこと 3. 体外受精の費用

体外受精と一口に言っても、投薬する薬の種類や頻度も違ってくるので、フランスではどんな治療をするのか詳細は分からない。

今回、1回の体外受精で私たちが払った総額は60万円だったが、フランスでは25万円(実質保険適用されるのでタダ)でできるのに・・!! と大変衝撃を受けていた。

日本では妊娠は病気ではないため検診は健康保険の対象外。

そして不妊治療ともなると完全に自由診療となるため、体外受精のためには利用できる補助金はあるものの、5~6割は自費負担。

そして、不妊治療全体で言えば人工授精やその他検査、薬代金など補助金でカバーできない診療がほとんどである。

フランスでは出生率が先進国であるにも関わらず上昇傾向と聞くけれど、妊娠に対するサポートが手厚いことは一役買っていると見ていいと思う。

これから私の妊娠が順調に継続し、無事子供を出産することができたら保育や教育についても日本の制度、ここがおかしんじゃない?!と思うことがポツポツと出てくるのかもしれない。

夫婦二人暮らしで今まで特に不自由を感じることなく日本で生活してきたけれど当事者にならないと見えない問題ってあるんだな、と改めて気づかされる。

フランスにはフランスで、失業率の高さや治安、移民問題など夫に聞けば色々と問題がある国なんだと言われる上、安定した仕事と生活がある以上はこのまま日本で暮らし続けることになると思うと無い物ねだりかもしれないが、

こと不妊治療に関してはフランスで施術していれば少なくとも経済的負担は軽かったんじゃないかと思わずにいられない。


義母とのSkypeを終了し、思ったことはやっぱり国際結婚って面白いなということだ。

日本では当たり前だとか、常識だとか、そんなものだとかで心の中で片付けていたり気にしていなかったことを 何で?どうして? と投げかけられるだけでも考えさせられる。

当たり前を疑うことで考えを深めたり自分の気持ちに気づくことができる。

貴重な体験をしたな、と感じた夜だった。



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