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森美術館 未来と芸術展にてこれからの生き方を考える

~3/29まで六本木で開催している未来と芸術展に行ってきた。

展覧会は5部構成となっている。

1部 都市の新たな可能性
2部 ネオ・メタボリズム建築へ
3部 ライフスタイルとデザインの革新
4部 身体の拡張と倫理
5部 変容する社会と人間​

筆者は手塚治虫氏の火の鳥の大ファンである。

そして、夫の影響でBlack Mirrorやマトリックス、GHOST IN THE SHELL等SF映画やドラマをよく観る。(↓ SF好きは必見)


この展覧会はそんな私の興味をまたとなくそそった。

展覧会ではもう現代のテクノロジーがここまで来たのかという驚きと、
まだ映画でも描かれていない新しい世界の予兆にどことなくワクワクするような気持ちと背筋が寒くなるような不気味さを同時に感じた。

以下より内容を少し紹介する。

個人的にワクワクしたポイント:
砂漠や海上など、それまで人が住むのに適していないと思われていた場所がテクノロジーにより居住可能空間となる。(地球どころか、NASAでは火星への移住実験も勧めている。)

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より、環境との「共生」に重きをおいた、従来の建築概念にとらわれない建築・都市が表出する。

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一人一人の体型・趣向にあった独自の衣服が誰でも着られるようになる。ひょっとしたら「布」ですらないものを将来纏うかもしれない。

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不気味さを感じたポイント:

遺伝子操作により健康で特定の能力に突出した赤ちゃんが産まれるかもしれない(もしその能力が赤ちゃんの外見にも変化を及ぼしているとしたら抵抗感を覚えるはず。だがそれが見えない場合は抵抗なく受け入れられるかもしれない・・)

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亡くなった人と遜色ない姿形そして声帯、身振り手振りまでをAIで再現することができる。(美空ひばりさんのAIの紅白出場も話題になりましたが・・)

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個人の健康状態や趣向をAIが分析し、その人に合った寿司(本物の魚ではなく栄養素を人口的に加工し、寿司の味付けを施したもの)をロボットが提供するようになる。

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ここで全てを上げることはできないが、展示会の感想としてはワクワクするよりも来る未来を恐ろしく想う気持ちの方が大きくなった。

なぜなら、きたる未来は、自分で自分の人生の舵を取る意志がより、試される時代となるに違いないと考えるからである。

テクノロジーの発達により、私たちはより自由で便利な世界へ生きることになる。

選択肢が増え、一人ひとりの個性が尊重され、今までの世界の既成概念は少しずつ崩れていく。

一方で、自分の頭で考え決断をしなければ、機械が勧めてくれる「より快適で楽」な方へと流され、気付けば「他の誰かが決めた理想」に染められているかもしれないということである。

そして産まれてくる赤ちゃんの遺伝子を操作する・しないといった倫理的な判断も一個人に任せられる時代となっていくだろう。

自分はどんな人間なのか? 

何を目的に生きているのか? 

何を正しいと感じるのか? 

決断出来る自由に伴う責任と意志の強さが問われる時代の到来を実感した展覧会だった。

自分の人生の答えは自分で見つけないと。

そんな思いを胸に森美術館を後にした。

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