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顧客起点マーケティングの全体像 - 理解しておくべきフレームワークと分析手法とは?

〜顧客起点マーケティング Part 7〜

今回は、顧客起点マーケティングを行う上で、理解しておくべきフレームワークや分析の必要性について説明します。

「アイデア」 ― この言葉の意味が明確に定義されていないために、売上にも利益にも結びつかない無駄な投資が行われています。「アイデア」が一体何を意味しているのか不明なままクライアントが広告代理店にテレビCM開発やプロモーション開発を丸投げし、無駄な投資になってしまっていることが多くあります。顧客起点マーケティングを実践するにあたり、この「アイデア」が一体何なのか?を定義することが重要です。

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「顧客ピラミッド(5セグマップ)」 ― 顧客ピラミッドは、あらゆるビジネスにおいて、そのTAM(Total Addressable Market)となるターゲット顧客全体(既存顧客と今後の潜在的な顧客候補のすべて)を可視化、定量化する最も簡単な顧客起点マーケティングのフレームワークです。5つのセグメント毎に、顧客のニーズや心理と行動の関係を読み解き、それぞれのセグメントに適したマーケティング戦略の立案と運用を可能にします。売上や利益がどの顧客層に由来しているのかを把握せず、新規顧客の獲得に過剰に投資してしまう事態や、あるいは既存顧客にばかり目を奪われてブランドを将来的に先細りさせてしまう事態を回避します。

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「9セグマップ」 ― 顧客ピラミッド(5セグマップ)に、「そのブランドを次回も購買(使用)したいか?」という顧客の購買意思(ブランド選好)の質問を加えて、この購買意思(ブランド選好)が上がる活動をブランディングの成果として評価します。マーケティング業務上、曖昧かつ無駄な投資が繰り返される「ブランディング」への費用対効果を可視化、定量化し、統合的なマーケティング投資判断とその検証を可能にします。これは、世界で初めて「販売促進」と「ブランディング」への費用対効果を同時に可視化し検証可能とするフレームワークです。

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「N1分析」 ―  顧客の購買行動の背景には、必ず何らかの心理や認知の変化があります。それはログデータなどの行動データ(ウェブへの接触や購買などの行動結果データ)を追うだけではわかりません。顧客の行動を左右するのは、そのプロダクトに対する顧客の心理な変化であり、重要なのは、その心理変化を起こした「きっかけ」です。「行動変化」に繋がる「心理変化」、その「心理変化」を起こす「きっかけ」となる顧客が接した情報や体験との因果関係を、複数の不特定の顧客群ではなく、特定の名前のある顧客1人に着目して洞察する考えが「N1分析」です。

「オーバーラップ分析」 ― 自社ブランドと競合の顧客ピラミッド(5セグマップ)や9セグマップを重ねあわせることで、自社ブランドの顧客だけでなく競合ブランドの顧客の動態が定量的に可視化できます。自社ブランドのロイヤル顧客が競合ブランドに移行しているかもしれませんし、同時に使用しているかもしれません。自社ブランドの多くの顧客は特定の競合ブランドから獲得しているかもしれません。自社ブランドの顧客の流出入(動態)を定量的に可視化することで、どこに成長の機会があるか、どこにリスクがあるかを明確に特定でき、具体的な戦略や施策の立案が可能になります。競合ブランドの内部情報がなくても、その顧客の動きを把握するだけで、その強みと弱みを競合自身が発見する前に見つけることが可能になるので、競合が取り得る戦略を洞察することが可能になります。


【掲載のお知らせ】
サイバーエージェント執行役員の内藤貴仁氏と共に「変容し続けるマーケティングのこれから」と題して、前編・後編で対談しています。ぜひご一読ください。
・前編
これまでのマーケティングや広告宣伝の課題を、デジタルマーケティングとブランドマーケィングの両方の視点からひも解きます。 https://www.cyberagent.co.jp/way/features/list/detail/id=25742
・後編
前編の「現状の課題」を踏まえて、今後クライアント企業と広告代理店には何が必要で、何ができるようになるか等について議論しています。https://www.cyberagent.co.jp/way/features/list/detail/id=25745


書籍紹介
たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング(MarkeZine BOOKS)
1000人より1人の顧客を知ればいい。P&G、ロート製薬、ロクシタンを経て「スマートニュース」をアプリランキングで100位圏外からNo.1へ伸ばした著者が確立した「顧客ピラミッド」「9セグマップ」「N1分析」を全公開。

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