目指せ年間100本鑑賞!~Z世代のための名画座入門

前書き

映画について語りたいなら年100本は見ないといけないらしい。そういうツイートが流れてくる。
なのでこの記事では年間100本の映画を映画館で鑑賞する方法を紹介する。タイトルにある通り、名画座へ通え、というものである。最初から映画館へ通うつもりだという人は2から読んでもらって構わない。映画館で見る必要はないのでは?と思う人、その通りである。しかしこんな記事を書くのでなぜ映画館で見るのかという理由も1で上げてみた。興味があったら読んで欲しい。
また著者が住んでいるのが東京近郊なのでそういう話になっているのは申し訳ない。

1.映画を見る方法(そもそも年100本見るのは簡単であるということ)

映画を見ることの難しさについて考える

映画を100本見るというが、実はこの数字から受けるイメージほどその難易度は高くない。1年は約52週なので1週間に2本見れば100本は達成できる。さらに言えば土日に1本ずつ見れば達成可能である。

では映画を見ることの何が難しいのか?以下のような理由が上げられる。

・お金がかかる→映画鑑賞するにせよストリーミングサイトを利用するにせよいいお値段である
・時間がかかる→1本みるのに1h30m~3hくらいかかる。他にもやることがあり、そんな時間は捻出できない
・探すのが大変→なんの映画を見ればいいか分からない
などなど

映画を見ることのハードルを下げる

このような映画を見る難しさにはまっている人はおそらく映画を見るということに対して理想を掲げている。だから映画を見ることのハードルを下げてやればよい。

映画を見ると一口に言うが、その方法はさまざまである。自宅にテレビがあればテレビ東京では月曜~金曜のお昼に午後のロードショーが流れている。週1回金曜ロードショーもある。
時間がかかるという問題に対しては早送り視聴やファスト映画もあるにはある。
探すのが大変であればテレビで流れている映画を見ればよい、ということになる。

いや、そういうことではないのだ、と言われればそうなのだが現代は喜ぶべきことに映画鑑賞は多様化している。ストリーミングサイト、動画投稿サイト(違法視聴でなく公式に上げられて無料で視聴できるものもある)、テレビ、そして映画館。

だから映画を見るハードルは上げようと思えばいくらでも上げられるし、下げようと思えばこちらもまたいくらでも下げられる。
このように鑑賞体験が多様化する時代に映画を見るときに重要なのは自分なりの基準を持って映画を見ることである。家ではながら見オッケーだが鑑賞本数にはカウントしないとか、スマホで飛ばしながら映画鑑賞してオッケーとか。なんでもあり、ということにしてしまうと自分でも映画鑑賞に達成感がないだろうから自分なりに縛りをつけることでやり切った感が出ると思う。

元も子もないことを言えば鑑賞本数など自己申告で誰もそんなこと気にしない自己満足的指標なのだから100本見て語れという人には100本見たと言ってやればいいのである。
しかし、良心的な人は心が痛むだろうから100本見るというのは簡単だというのを説明してみた。
私も映画を縛りを持って最初に見たのは午前十時の映画祭を全部見る、というようなことだったので月一本で年十二本のような簡単なところから始めてもいいかもしれない。

2.名画座で見よ

ここで本題に入る。ハードルが云々という話をしてきたが、実際には映画は映画館で見るべきだという意見は根強い。だとすればいかに効率的に映画を映画館で見るか、という話になる。
そこでお勧めしたいのが名画座である。名画座は映画を見るうえでの難しさ「お金がかかる」と「選ぶのが難しい」をやや解決する。

安い×セレクトショップとしての名画座

普通シネコンで映画を見ると大人は一本1800円くらいする。だが名画座だと二本立てという上映形式をとっている劇場がある。例えば高田馬場の名画座「早稲田松竹」では入場料1300円で二本の映画を続けて鑑賞できる。(なお一本しか鑑賞しない場合も1300円なのでそこは注意)一本当たりの金額が新作の半分ほどの値段で見られる。
もちろんそこには理由がある。名画座で流れる映画は最新作でなく、シネコン等で上映が終わった準新作や旧作などである。だからこそ安価な鑑賞が実現できている。しかし侮るなかれ上映環境はちょっとしたシネコンには劣らない。それに今では比較的貴重になりつつあるフィルム上映も実現できる名画座も少なくない。

安価なのに加えて名画座では選ぶ苦労がない、というメリットがある。先ほど名画座には二本立てを取っている劇場があると書いた。これは何も適当に選んでいるわけでなく(そう見えることもあるが)同時代にできた似た映画であったり、同じ監督や俳優の映画だったりする。つまりその二本が続けて上映されることには何かしらの意味があることが多い。だから二本続けての鑑賞が意義深いものになるのである。ときには自分で選んだ映画を見るときよりもよい鑑賞体験となる。
また、上映される映画が選ばれたものであるからこそ、質的に優れたものが多いことも確かである。つまらない映画は見たくないが、いつもと違う映画を見てみたい、偶然の出会いをしてみたいと思う人にはうってつけである。信頼できる劇場での鑑賞はさながらセレクトショップでの買い物のようなものである。ここにも名画座がお勧めできる理由がある。

3.おすすめの名画座三選(東京限定)

最後にお勧めの名画座を紹介する。東京限定で申し訳ないのだが興味を持った人はぜひ行って欲しい。

①早稲田松竹

東京の高田馬場駅近くにあるザ・名画座。映画『花束みたいな恋をした』に登場したことでも有名。基本的に二本立てで指定席制。準新作、旧作、洋画、邦画をバランスよく上映している印象がある。オリジナルのチラシと鑑賞マナームービーがある。癖が少なくスクリーンも大きいため最初に行くならここがおすすめ。

②新文芸坐

東京の池袋駅から徒歩5分のところにある。1,2階がパチンコ店マルハンなのでわかりやすい。最近上映設備を一新して音響、映像ともに強化されている。オンラインで予約できる点が魅力。レイトショー、オールナイト上映、イベント上映なども頻繁に行っており癖の強い映画、映画館でなかなか鑑賞できない映画を見たい人は行って見るとよい。

③目黒シネマ

東京の目黒駅から徒歩3~5分程度のところにある。指定席のときと自由席のときがある。自由席の日に2本目以降から見ると並んで入るのが醍醐味な気がする。自分が初めて行った名画座。

他にもシネマヴェーラ渋谷や国立映画アーカイブの上映企画なども安く見れるのだが今回は比較的新しめの映画が見れる名画座ということで割愛する。

最後に

最後になるが映画の見方は人それぞれなので、好きな方法で見ればよいと思う。だが映画を見るにはこういうところがある、ということで映画鑑賞のいち選択肢にしてもらえれば幸いである。
難しく考えず楽しい映画ライフを送って欲しい。


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