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友人が創った合同会社Milkamoをブランディングするにあたって思うこと

こんばんわ。ありがたいことに、前回執筆したNoCodeツール『STUDIO』に関する記事がたくさんの方に読んでいただけて感激しました。

読んでくれた方本当にありがとうございます。

今回は、友人が立ち上げた合同会社のブランディングを一部依頼されたことに関して綴っていこうと思います。お役に立てるかは分かりませんが、そのストーリーの一部始終を、今この記事を読んでくれているあなたと少しでも共有できればいいなと思います。

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【執筆者】
Twitter:@YoinDesign
-2018 WEBエンジニア
2019-2020 グラフィックデザイナー
2020.5 活かすグラフィックデザインWEBマガジン『NineCe』を開始


友人M君と

まずは今回、友人の会社のブランディングに一部立ち合わせてもらうことになった経緯からお話ししようと思います。

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ここでお話しする僕の友人というのは、高校のときに初めて知り合ったM君のことなのですが、僕が大学に進んだのと時期を同じくして、彼は卒業後一般企業に就職しました。

M君はそこで時に深夜まで残業をしながら、真面目に業務をこなす中で、どこか今後の目標みたいなものを見失っていたのかもしれません。

学生の頃から仲が良かった僕は、彼が就職してからも将来の話や今後やりたいこと、なりたいものについてたくさん話をしていた気がします。

本当のきっかけは分かりませんが、その時彼と話していた『いつか一緒に豪華客船に乗りながら仕事とかしようよ、絶対楽しいよ!笑』みたいな一言が、今後何をしてどうやって過ごしたいかより深く考える分岐点になったのかもしれません。

きっかけはなんでも良かった

当時の僕らはまだまだ未熟で、お金を稼げばなんでも楽しいことができると考えていました。だから今後も大きな可能性を秘めたWebという分野について、いろんなことを話しました。

最初は個人のブログで広告収入を得るにはどうしよう、というところから始まり、次第にWordpressをはじめとしたWeb制作、プログラミングの分野にも浸るようになりました。

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紆余曲折を経てM君は所属していた一般企業を退職し、地元に戻ってWeb制作をはじめとした事業を持つ会社を作りました。お世辞にもまだまだ技術力が高いとは言えませんでしたが、熱意や彼の人柄にたくさんの人が力を貸してくれ、今は社員を数名抱える会社に成長しました。

反対に僕は、Webエンジニアという職種を経験した後、プログラミングのスキルだけあってもできることは限られているということを実感していました。上司から降りてきたタスクをこなし、技術力に関しては着実にステップアップしてはいたものの、自分で営業をかけて仕事をとることや見積もりの仕方など、根本的な仕事や価値の生み出し方を知らない事実は、僕をデザイナーという道に引き摺り込む十分な動機だったと思います。

違う分野で成長したこと

僕はその後グラフィックデザイナーに転職をしました。あえてWebの世界から少し距離をとることで、僕にとってWebの世界の外側にあるものをたくさん経験できています。そしてそれらは全て組み合わせることができるし、大きな価値に変換できることを学びました。

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M君は地方の若手企業家として必死に努力していました。技術よりも、どちらかと言えば人脈作りや提案、営業力、経営に関するお金の知識をたくさん学び、次の一手を毎日考える日々が続いているんだと思います。

ここまでで話をしたように、僕と友人M君は始まりこそ似た場所にいたけれど、違う分野で成長しているなと今更ながら思います。そして僕らは、『いつか一緒に仕事をしよう』という漠然とした約束をずっと持ち続けてここまでやってきました。

M君の会社のブランディング

ブランディングというと、小難しい感じがしてしまうかもしれませんが、長くなるのでここでは一旦ブランディングとは何かという概念については省略します。10人いれば10通りの考え方ややり方があると思うし、何を大事にしているかでここの定義は少し変わってくるとも思います。

幸か不幸か、M君の会社はこれと言ったブランディングをやらずにここまで順調に会社を経営できてきました。きっと東京で起業をしていたら、たくさんのライバルに差異化を強いられ、下手をしたら失敗をして挫折して立ち直れない状態になっていたのかもしれません。

地方起業という選択肢そのものが、彼の持つであり、実力であり、たくさんの感謝を心から感じられる状態を生み出したんだと思います。

そんな彼の会社も、この社会的情勢を受けて新しく一歩踏み出すタイミングにきていることに変わりはなく、培ってきたクライアントや仲間にもっと大きな価値を真正面から提供できるようにするにはどうすればいいのか、そんな話をしたのが今年の5月頃でした。

そこにはもう当時のような「ただお金を稼げばいい」という考えは僕らの中のどこにもなく、あくまでお金は提供した価値の対価であり、価値を生み出して喜んでもらえることそのものの面白さや楽しさを前提とした相談でした。

改めて何がしたいのか

ここまできてやっと彼の会社の名前に触れますが、彼が創った会社の名前は『合同会社Milkamo(ミルカモ)』といいます。会社のコーポレートサイトは現在リニューアル中で、彼の業務が忙しすぎてなかなか手が回っていないとのことでした。

※リニューアル済みです。

彼が月並みのスキルで創業当時に制作した会社ロゴは、お世辞にも整っているとは言えず、荒削りな箇所も残っている状態です。同様に会社としての見せ方もあまりまだ一貫したものが少なく、顧客からたまに不安に思われてしまうのではないかというのが現在の悩みの一つだそうです。

改めて何がしたいのか問うた時、やはりお客さんには安心して仕事を任せてもらえる状態を作りたいというのが第一声で、信頼感の醸成が現在は最優先ということになりました。

デザインの力と掛け合わせて

信頼感を構築していく方法は何通りもありますが、その中で僕が一番力になれるのはやはりデザインに関してでした。

しっかりと綺麗に整えられたデザインは、無意識に信頼感を与えることができます。見た目だけではなく、整えたデザインとその意図を正確に把握し、時には顧客に説明ができるだけで、いろんな声を前のめりに届けることができると思っています。だからここから、僕はデザインの力を少しばかり彼の会社に届けようと思いました。

ロゴの整形とマイナーチェンジ

会社の所有物でデザインすべきものの数は数え切れないほどあります。

ですが、まずは彼が初心の時に創った合同会社Milkamoのロゴを整えることにしました。

従来のロゴは以下のようなものです。イラストレーターで制作されていたロゴは、線と塗りの区別が曖昧で、バランスもどことなく不揃いなものでしたが、込めた想いや中核の概念は継承すべきだと思いました。ロゴに込めた想いや意図については、ここでは長くなってしまうので別の記事で追ってお伝えしようと思います。

【従来ロゴ】

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そこで、デザインを一新するのではなく、あくまでマイナーチェンジという形をとることにしました。例えるなら、『Cookpad』のようなデザインの変更具合でしょうか。

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あくまで誰が見ても同じ会社と認識できる範囲で、ロゴに変更を加える作業です。いろいろなパターンを作成し、M君には以下のようなものを提示しました。

【提示素案】

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一番上が従来のロゴ、下に向かうほど変更具合が大きくなり、どの塩梅がイメージに近いかヒアリングをしながら、ブラッシュアップを重ねました。

結果的に、上から3番目を選定することとなり、それを持って今後の合同会社Milkamoのブランディングを続けていくことになりました。最終的には以下のようなロゴパターンを一式制作し、ツールや媒体によって展開ができるように整理までを行いました。

【組み替えパターン】

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彼の会社のクライアントには、こちらのロゴにマイナーチェンジすることを話すととても好感を持っていただけているようで、デザイナーとしては一安心です。

まだまだやることは無限大

ロゴのマイナーチェンジはひと段落しましたが、これらを使ったビジュアルデザイン面からのブランディングに関わるポイントはまだまだたくさん残されています。

今後はひとまず名刺・封筒デザインを着手することが決定していて、そちらも完成次第皆さんに共有できればなと思います。

小さな積み重ねとしてのブランディング

今回は僕の友人の創った合同会社Milkamoのブランディングを始めるにあたって、経緯や思いを少しだけ綴らせていただきました。

ブランディングというとかなりスケールが大きなものに聞こえますが、1度やれば終わりというものではなく、日々継続的に小さな変化の積み重ねを続けていくことが一番のブランディング手法だと思っています。

まだまだ先は長いですが、デザインが組織というものに与える影響力というものを、今回のプロジェクトを通して少しでも皆さんにお見せできればと思い、この記事を書きました。

引き続き本件の進捗は定期的に更新していく予定なので、デザインを志す人や携わっている人、デザインを活用したい人に届けばいいなと思います。

長くなってしまいましたが、本当に最後まで読んでいただきありがとうございました。


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