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映画『BLUE GIANT』を見た感想

ジャズに心打たれた高校3年生の宮本 大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。

原作1巻の紹介文より抜粋

原作の漫画がとにかく熱い!

この作品は漫画の原作がとてつもなく熱い、、
「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」
現実で、このセリフを言い続けられる人はいるだろうか?
大抵の人が壁にあたり夢を諦めてしまう。

この作品の主人公は、言い続けられる努力をし続け、演奏をし続け、逆境でも歩みをやめない、愚直なまでに真っすぐな男。
そんな青年がJAZZに魅せられ、世界中で演奏を続けていくお話。

ストーリーも熱いけど、演奏シーンも熱い。音が聞こえてくるような迫力。
聞いてる人が心動かされる演奏。彼の才能に触れることで周りの人達が力になりたいと動いていく。

第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 大賞
第62回小学館漫画賞

など数々の賞を受賞しているのが原作の漫画。
映画になっているのは主人公が仙台から東京に出てきてバンドを組んで活躍するまでの東京編。『BLUE GIANT』まで。


漫画だとそこから欧州編の『BLUE GIANT SUPREME』、米国編の『BLUE GIANT EXPLORER』へと名前を変えて続く。(今も連載中)

僕は原作が好きで、全巻読んでた。(凹んでる時とかに読むのオススメ)
そして、映画化された東京編はちょうど連載をビックコミックで追っかけて読んでた時期なので、テンション上げて見に行ってきた!

音楽と正面から向き合った作り方

漫画の演奏が魅力的なだけにハードルが高い、、
だって主人公の演奏を聞いて、だれもが圧倒され、この人の力になりたい!とまわりが動いていくのがこの作品の肝なわけで、、

そんな演奏が実際あるの?

なんて悩みがいらないくらい演奏の音がひたすらいい!!
JAZZかっけぇ、、あ、ソロってこういうのなんだ!演奏シーンはほぼ1曲まるまる流してるので演奏が途中できれることもない。1曲の終わりがカット終わりになって次のシーンへ行く気持ちよさ。

この向き合い方えぐいなぁ、、
演奏の時間の長さをアニメで持たせるのは大分大変。演奏のたびに映画の中でMVを作って流してるようなものなのじゃない、、それが複数回あるのだから、、
演奏中、抽象アニメーションに切り替わる表現は演奏の熱さをより際立たせてる。(もうこの表現だけでの演奏シーンずっとみたいくらい好き)

たぶんこの方がやってたのかな?以前、中国のアニメMVをとてつもないクオリティで作って話題になってたアニメーターの方。

音楽の作曲、ピアノ演奏は日本の有名JAZZプレイヤー上原ひろみさん
「N.E.W」の音楽最高でした!

こういう才能を作品のために集められて、存分に発揮できたことに感動してしまう、、

モーションキャプチャーの3DCG


演奏シーンが曲をフルで聞かせてるような作りにしたらば、それを全部、作画でやるのは難しいわけで、、
モーションキャプチャーで演奏の動きを流し込んだキャラの3DCGを結構、いれてるのだけど、固さが目立ってしまって、上手くなじんでないとこがある。

スラムダンクの3DCGみたいに全ての映画がいくわけないよなぁと、、
それでも作品の面白さは損なわれてないと思う。この熱い漫画の音楽をその熱量のまま映画として形になってることが大満足だった。

原作で好きなシーン

せっかく好きな漫画なので、原作から好きなシーンを1話だけ紹介。
BLUE GIANT EXPLORER』で主人公とヒッチハイカーが、車の中でipodをカーステレオ代わりにつかっている。お互いの好きな音楽を交代で流しながら、米国の広い道路を走っていくシーン。

この話数だけセリフが一言もなく、ただお互いが好きな音楽のタイトルをipodの液晶で見せあいながら、車の中でリアクションしていくのみなのだけど。

キャラのリアクションとipodの音楽タイトルだけで頭の中で流れているであろう音楽がなるっていう。魔法みたいな回があるので、ぜひ探してみて!

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