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【4711パラレル】∅ヲダ先生とみずきっち∅

キャラ紹介

✻ヲダ先生
私立ドS高校の物理教師。
東大卒。IQ120。ムダな知識が多い。
ガムは板ガム派。

✻みずきっち
私立ドS高校3年生。
ヲダ先生への愛がアグレッシブ過ぎる女子高生。
処女ではない。



ψ クロレッツ ψ


「じ───────────っ」
 わたしは見つめていた。
 ヲダ先生の口元を穴があくほど見つめていた。
 しかし口はもともと穴だったので、これ以上穴はあかないかもしれない。
「じーーって、みずきっち、セミになったのか? セミは短命だと言われるがあれは間違いだ。日本にいるセミは種類によって1年から5年の幼虫期間を土の中で過ごす。そして地上に出たらひたすら交尾して、だいたい1ヶ月くらい生きている。5年以上生きる虫はあまりいない。つまりセミはかなり寿命が長い昆虫だ。だからセミは本来地中にいる昆虫で成虫なんて交尾をするためだけの最終形態だと思えば、かわいそうなんて言う気もなくなるんじゃないか」
「説明が長いです」
「で、お前はセミなのか? その姿は交尾をするための最終形態か?」
「あながち間違いではないですが」
「否定しろよ! いやらしい目で見ないでとか言えよ」
「そう言われた方がチンピク度が上がるのでしょうか?」
「やめろそういうオッサン週刊誌用語使うな」
「セミではありません」
「いきなり話戻ったな」
「目を見開いて凝視する時の擬音です」
「口で言ってたぞ」
「小説なので描き文字が入れられないのです」
「普通そうだな」
「ガム噛んでます?」
「うん」
「クロレッツですか?」
「そう」
「先生はいつもクロレッツですね」
「ミント味ならなんでもいいんだけどな。習慣で買ってるだけだ」
「そのガムわたしにください」
「はいどうぞ」
「違います。先生の口の中の」
「はあ? 唾液ほしいでしゅ系か? 俺はドSだがそっち系はドン引きだぞ?」
「違います。DNAを採取するのです」
「お前物理より生物派だったのか。理Ⅱ目指すか?」
「ガサガサ」
「また口で言ってるし。どっから出したそのビニール袋」
「さあここにペッと」
「いいけどなんの研究だよ」
「わたしの卵子に先生のDNAを」
「はあ?」
「3人で光り輝く未来を共に歩むためです」
「理Ⅲ志望かよ。理Ⅰよりちょっと難しいぞ。じゃなくてやめろ! 勝手に処女懐胎しようとするな! 返せ!」
「処女じゃありません」
「そうだったな。てか返せ!」
「残った唾液とガムは、もちろんわたしがおいしくいただきます」
「そっちもやめろ!」



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