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覚えれば楽し

【コンビニで15年働いた私語録 vol.3】

コンビニの扱い商品は細々しているものが多く、必然的に業務も細かくなる。

細かい上に(細かいからか?)やる事も多い。

レジ接客をはじめ、お弁当などの検品、品出し、床や窓などの清掃など。

たくさんある仕事を、その時間時間で処理しなければならないため、シフトに入る人数が少ない店舗は間違いなく激務になり、ひとりひとりの体力が試されるのだ。

■レジ応対
①いらっしゃいませ(お辞儀)
②商品スキャン、レジ内商品(おでんなど)は画面をタッチし金額入力
③○○円になります(お客がお金を出している間に袋詰め)
④○○円お預かりいたします、○○円お返しいたします(レシートも)
⑤ありがとうございました、またお越しくださいませ

の、一連の流れがある。

お弁当などは②のあとに
「温めますか?」が入り、温めの場合はレジ内のレンジで温める。

何故か、この温めを忘れて帰ってしまうお客がたまにいることには驚いた。
(こちらの渡しミスになることが多いようだが)

レジにいても新聞検品やコピー機釣り銭の計算などの仕事があり、レジ担当だからといえ、ただお客とやり取りをやっているだけではない。

■弁当検品
毎日決められた時間になると、商品の納品がある。

カゴ型の番重(ばんじゅう)と呼ばれる入れ物におにぎりなど食品が入って納品される。

ちなみにセブンの場合、緑とグレーが弁当、青とグレーがチルド品に分けられていて、それぞれ温度帯が違い、納品時間も業者も違う。

弁当(おにぎりも)は常温に近い約18℃、チルド(麺類、サンドイッチ、サラダ、惣菜など)は約10℃。

届いたら伝票がレジに置かれ、サインをして2枚目は返す。

検品を始める。
機器STで何便(来る時間によって決まっている)かを入力。
商品のバーコードをタッチし、入力の数があるかチェック。これが検品作業。

お弁当をチルドケース(陳列棚)に並べていても、レジ応援の際はダッシュする

しゃがんでやっていると1番年かさのパート(副店長)に、
「中腰でやってください」
と言われる。

レジで呼ばれた時に、急いで行けない理由からだそうだ。(最近ではそういうことをパワハラと言うだろう)。

レジに呼ばれた、気づいたと、呼吸が合わなければお互いにストレスを感じるが、お互いの思いやりを感じることはない。

決まった時間内で商品を並べないと予定がズレていってしまうし、何よりお客に売ることが出来ない。

業務時間は守れ、と言われ、
客が並べば呼ばなくてもレジに入り
「こちらのレジへどうぞ〜」
と笑顔で接客しなければならない。

家事と子どもの世話の動きだった身体が慣れるまで、半年はかかったか。

■お店の窓ふきと床清掃
私の担当は木曜だった。

午前中は窓ふき。
まず内窓は専用スプレーを吹きかけ、T字のゴムワイパーでキレイに拭き上げる。
雑誌が陳列されている棚を前に出しての作業になる。

また、外窓は駐車場にある水栓にホースを繋ぎジャーっと水道水を吹きかけ、内窓と同様にワイパーで拭き上げていく。

どちらも高い脚立に上っての作業になる。

外掃除は中からレジ応援を呼ばれる事がなく嫌でなかったが、掃除に慣れた頃副店長に、
「外からでもレジを気にかけて、混んでいる時には応援に入るように」
なんてことを言われたことを憶い出したが、本当にこの人は鬼だと思っていた。

そして午後は床清掃。
はじめにモップで拭き掃除。
モップとはいえ、かけ方ひとつにマニュアルがある。
闇雲にこするようなことはせず、優しく右に左に拭いていき、自分の後ろ(店鋪奥)に下がって行く。
レジを常に気にするためだ。
その後、大きなクリーナーで床磨き。
そしてまた、モップで磨く。 
こんなに労力をかける割に、ピカピカになることはなかった。

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曜日ごとに、この3つの仕事の日が割り当てられていた。
掃除の曜日を覚えているのは、1番キツかったからだろう。

副店長とベテランパートが2人いたが、ベテランさんがお偉いさんよりはるかに仕事が出来ていたことも覚えている。

また、私が入った後にもう少し若い主婦が入って来たが、明らかに差別され彼女は私より楽な仕事ばかりだった。

しかし、そのお陰で私は、コンビニの仕事をどんどん吸収していったのだ。

追記:今から約20年前の事である。

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