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明日に眠る以外の選択肢を #note12

ドクターストップで休職期間に入ってから数日が経った。
暫くはnoteもおやすみをしようと思っていたのだが、結局書き出すことでしか頭の中は落ち着かない。
し、折角ならいつかの思い出や誰かの知見にでもなればいいと思って、休職記録をつけてみることにした。
復帰の際に最初のこの記事を読み返す私は何を思うだろう。

■休職原因について

うつ病だった。医者によれば働きすぎが原因らしい。
と言っても私の会社はブラック企業ではない。上司からのパワハラとかそんなものも一切無い。寧ろ一番の味方だった。私の担当していたお客様も優しい人たちだった。多分いつ振り返っても感謝の気持ちしか感じないくらいには、周りの人々には恵まれている。

人間関係が要因で心の健康を崩す人は多分少なくない。
とはいえ、そこに原因がなく、ブラック企業でもないのになぜ働きすぎで心と身体を壊したのか。
多分、私自身の原因が大きいのではないかと思う。

ドが付く程の完璧主義である。そして神経質でコンプレックスが多い。人に頼ることも苦手だ。正直持っていたタスク量もひとりの人間がこなす量ではなかったと思うが、回せてしまっていたので耐えられると思っていた。

ある日突然糸が切れて倒れても、自分自身ですら真剣に取り合わなかった。寧ろ他者の方が冷静で、私の容態は絶対普通じゃないから病院へ行きなさいと勧められた。

多分、「無理の限度」が壊れているんだと思う。定期的に体が全く動かなくなることがあり、それが起こってから今私はまずい状態にあるのだとやっと気付く。とことん鈍いものだ。
そんなこんなで9月から違和感を感じながら、10月に一度倒れ、11月には医者に休職を勧められていたものの、それを無視して騙し騙し働いていた。しかし先日ついに2ヶ月の休職を命じられる運びとなった。

社会人経験も初なので、当然休職なども初めてて、それは私にとって非常に屈辱でもあった。責任を放り出すように感じてならなかったし、「お前じゃ無理だ」と言われたみたいな気持ちだった。
情けないやら申し訳ないやらで、全方面に謝罪をしたい気持ちだった。

しかし、休職に入る前の最終勤務日さえ、誰も私を責めなかった。
大体全部私が悪いのだから、誰かお前のせいだと文句でも言ってくれたら良かったのにとずっと思っている。
ありがとうとごめんねばかり言われた。謝りたいのは私の方なのに、罪悪感で死ぬかもしれないと思った。
でも復帰したい理由も十分にあるので、きちんと休まなければならないことも渋々理解している。

■1~2日目

寝たきり生活だった。ベッドにずっといた。
起き上がるのも億劫だし、食事をとる気力もなかった。
かろうじて水分と薬は飲んでいたが、抗うつ剤って大して効かないなと思った。正直あまり記憶はない。ただぼんやりと長い時間があっただけだった。

何より仕事を途中で抜けた罪悪感で、ベッドの中でずっと縮こまっていた。
私の担当していた事業は、お客様にはご不便をおかけしていないだろうか。部下たちにかなりの負荷をかけてしまっているだろう。上司にも迷惑をかけている。

「仕事を休めた」とか「休ませてもらった」感覚なんて一切なくって、ほぼ唯一の存在価値だった「仕事を取り上げられた」と言う感覚だった。
なんだかんだでずっと会社の連絡ツールを眺めては、忙しそうにしている皆を見てなんで私だけPCも開かずにベッドから出られないことになってるんだろうと絶望的な気持ちだった。

■3日目

3日振りくらいにお風呂に入った。
12月頃からだったが、日常生活を送るための気力もなかったので、シンクには一週間前とかに使った食器が積んであったし、回収日に出す気力の湧かなかったゴミも溜まっていれば、取り込むところまではなんとかしたけどしまう気力がなかった洗濯物の山が占領するソファだとか、部屋がひどい有様だった。

入浴というのも非常に体力を使うもので、あまりの億劫さから外出しない日や誰かとオンラインで顔をあわせる予定がない日はサボっていた。
と言うより、そんなことをするために立ち上がれないと言った状態だった。

とはいえなんだかんだ頭と体を洗い流すと、今日はひとつ人間っぽいことができたななんて思えて、少しだけ気分が良かった。
気分が良かったので、ずっと手を出してみたかった生花のサブスクリプションを始めた。

■4日目

この記事を書き始めた日だ。
結局1日の大半をベッドの中で過ごしていたことに変わりはないものの、何かひとつやろうと思って、ソファを占拠していた洗濯物を片付けた。
多分、約3ヶ月ぶりくらいにソファが「座るため」と言う本来用途を果たせるようになった。

要らなくなった書類を少しシュレッダーもして、人事手続きの申請処理ついでに会社パソコンのデスクトップを掃除した。偶然誕生日であったこともあって、連絡をくれた友人たち何人かとも言葉を交わした。

まるで人間みたいだなとかぼんやり思った。
相変わらず罪悪感で毎日目元がぐるぐるとしているし、眠るべき時間帯には眠れないし、明日を生きたい理由も特にないが、とりあえず少し頑張った日だったなと思えた。

それにしたって1日というのは長すぎる。
仕事ができない以上他に何をしたらいいのか、何ならやる気になるんだろう、と横になりながら考え続ける。

そして、ふと、そもそもの私が不健康すぎるのではないかと思い至った。
運動も大してしないし、食にも元からあまり興味がない。のめり込んでいるような趣味もあまりなければ、他人にもあんまり関心がない。

これでは復職した後も同じように仕事だけを命綱のようにして生活する人になるのではないかと気付いた。
これまでは会社にPCを置いて帰らなくてはならなかったので、無理にでも仕事から引き剥がされたプライベートの時間があった。そうしてようやく公私のバランスを保ってこれていたのだ。

しかしリモートワークの環境下に入り、プライベート空間である自宅と言う神聖な領域に、PCが常に置いてあるという事実。
そして不安と強迫観念からそこにかじりついてしまうから駄目なのだ。
典型的なワーカホリックだったと思う。

そんな事実に気がついたので、休職4日目にして早くもひとつの目標を立てた。この休職期間中に何か「趣味らしい」ものを始めるということである。
それも定期的に、継続して行う必要があるもので、自宅以外の場所で行われるものでなくてはならない。

大掃除中に漫画を一気読みしてしまうように、家で何かしていたって会社のPCを開いてしまうのでは意味がないのだ。
何か私を業務から引き剥がしてくれるものを作らなくては同じことをずっと繰り返す。

■これから何をしよう

条件に当てはまる何か、を考えた時に最初に思いついたのはジムに通うことだった。元々都内に引っ越したタイミングから通おうと思っていたが、すぐに激務になったため後回しにしていたのだ。

極度の低血圧だったり、全く汗をかけないほど代謝が悪かったりとあまり健康的な肉体でもないので当然体力もない。
寝たきりのように過ごしているせいでそれもまた悪化しそうだ。
それであれば運動する機会を作るのは良いかなと思った。

次に思いついたのは習い事系で、ピアノを趣味で再開するか、新たにヴァイオリンを試してみようとは思っているものの、新しく人間関係を作ることを考えて気が滅入ってしまった。

今この記事を書いている時点では、あまりあれこれと計画を立てても結局できないだろうということはわかっているので、とりあえずジムから始めようかなと思っている。
いつから始められるかは気力次第なので、わからないけれど。2月中には始められたら良い方なんじゃないかと思う。

多分、明日も大半をベッドの上で過ごすことにはなるだろうがいつか人間が当たり前にできることを当たり前にできるようになりたいと今はひたすらに願っている。